【太平洋戦争以前】アメリカの対日戦争計画「オレンジ計画」と「レインボー5」
本日の記事は、太平洋戦争以前にアメリカが策定していた対日戦争計画「オレンジ」について。ついでに、そのオレンジプラン(というかカラープラン)の後に策定された「レインボー」についても少々、触れたいと思います。
「対日戦争計画」と聞くと、まるでアメリカが日本相手の戦争を始めようとしていたように聞こえますが、オレンジはあくまでも「日本と戦争する羽目になった場合」に備えて研究、立案していたものであり、実際に対日開戦しようとしていたわけではありません。
オレンジは「カラープラン」と呼ばれた戦争計画の一つです。
カラープランは、アメリカが交戦可能性のある国を「仮想敵国」として立案した戦争計画*1で、それぞれの国に対して色別の符号を用いていました。
オレンジが日本を「仮想敵」として立案されたプランですが、他にもブラック=ドイツ、レッド=イギリス、クリムゾン=カナダ、グリーン=メキシコ、イエロー=中国、ゴールド=フランス等々、キリがないのでこの辺でやめときますが、多数の国を対象としており、日本だけを特別敵視していたわけではありません。
昔々、一部のちょっとアレげな人たちが、「日本はアメリカの戦争プログラムにはめられて戦争に引きずり込まれた、そのプログラムをオレンジプランという!」的な妄言をよく吐いてましたが、そういうものでは無いわけです。
(まあ、最近はそんな認識の人はあまりいないと思うのですが…たぶん…そうであってほしい……そうであってほしかった。)
*1:国内治安作戦計画も含まれており、正確には「国」だけが対象ではありません。
【日本軍】風船爆弾 顛末記【珍兵器?秘密兵器?】
残念ながら有史以来、世界のどこかで戦争が起こっている人類ですが、幸い、今の日本は一応平和な状態です。稀有なことに70年以上も平和が続いています。
平和はとても良いことなのですが、しかし、あまり戦争のことを忘れてしまうと、人々のもつ戦争のイメージが「ファンタジー化」してしまうことがあります。
第一次世界大戦前夜のヨーロッパはまさにそのような状態にあり、戦争への危機感が薄弱になっていました。
19世紀初めのナポレオン戦争以後、ヨーロッパ中心部では大規模な長期戦を経験していません*1。そのため過去の戦争の記憶は薄れ、戦争にロマンチックなイメージを抱く人々が少なくありませんでした*2。
戦争イメージがファンタジー化した人ほど、国家の暴力装置たる軍隊を軽々しく使おうとする傾向がありますが、皮肉なことにそういう人に限って「平和を守るための軍事力行使」とかの理屈を振りかざしてくることが多かったり。
(私見ですが、その手の人はトータルで考えるべき安全保障を、軍事力だけの問題として単純に捉えてる人が多いように思います*3。)
そんなわけで最近は「ファンタジー化」の自戒を込めて、太平洋戦争についての記事をちょこちょこ書いてたりします*4。
ただ、今回の記事についてはそういう動機からは少し外れます。旧日本軍の秘密兵器、風船爆弾について。
(ちょっとふざけた感じに見えるかもしれませんが、割と真面目な記事です。)
*1:短期の戦争はありました。
*2:もちろん行き着いた先は地獄でした。端的なものとして戦死者数を挙げてみると、同盟国側の戦死者数が約481万人、連合国側の戦死者数が約528万9千人。「死傷者数」ではありません。「戦死者数」です。
*3:ついでに言うと、強硬路線一辺倒なことが多いです。
*4:一応そういう動機が1割くらい。残り9割は趣味
【Linux】KVMの仮想ハードディスクイメージをマウントする
以前、ディスクイメージファイルをマウントする方法について記事を書きました。
同様のパターンとしてKVMの仮想ハードディスクイメージをマウントしたいケースがあります。
KVMの仮想ハードディスクイメージをマウントしたい場合、raw形式であれば普通にループバックデバイスとしてマウント出来ますが、qcow2形式だとそうはいきません。
qcow2形式は、暗号化されていたり差分形式をとっていたりするためです。
とはいえ、どうにもならないわけではありません。qcow2形式のディスクイメージをマウントしたい場合は、nbd(Network Block Device)経由で行います。
そんなわけで、本日の記事はKVMのraw形式ディスクイメージ、qcow2形式ディスクイメージそれぞれのマウント方法について書きます。
なお、いつもの通り、この記事での例はUbuntuによるものです。
【日本の暗号】あんごうあれこれ【解読・通信解析・乱数】
映画、イミテーションゲームに触発されて、しばらく前から暗号についての記事をいくつか書いています。
(なお、イミテーションゲームは、第二次大戦時ドイツ軍が使用していた暗号機エニグマの解読を題材とした映画です。2017/07/07現在、Amazonビデオのプライム対象(Amazonプライム会員見放題)のようです。)
今回は、以前に書いた記事で書き洩らしたことあれこれを、思いつくまま挙げていきたいと思います。
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