Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【核兵器】原子爆弾の次に来たもの【水爆】

前回、前々回の記事にて、広島、長崎の原爆投下について取り上げました。

oplern.hatenablog.com

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前々回記事では、原子爆弾の基本的な仕組みについても書いています。
ガン・バレル型、インプロージョン型と方式の違いはあれど、とにかくウランやらプルトニウムやらを臨界量以下に分割しておき、起爆時に瞬間的に集合、臨界量を超過させることで、核分裂の連鎖反応を引き起こすものでした。

しかしながら上記の原子爆弾の仕組みでは、核分裂の連鎖反応と爆発までの時間が競合する等の理由で、どれほどウランやプルトニウムなどの核分裂性物質を増やしてもある時点*1で威力が頭打ちとなります。
そのため、第二次大戦後、より強力な核兵器を求めて水素爆弾が開発されることとなります。

そんなわけで、今回は原子爆弾の次の核兵器水素爆弾について。

*1:広島・長崎級原爆の10倍ほど。数百キロトン程度。

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【長崎 原爆の日】1945年8月9日【ソ連参戦】

前回記事は8月6日、広島の原爆の日でした。原子爆弾と広島への原爆投下についての記事を書いています。

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本日は8月9日、長崎の原爆の日です。しかるに、今回記事は長崎への原爆投下について。
また、1945年の同日は、もうひとつの重大事態が発生していますので、後半はこれについても少々。
あまり時間が取れなかったので、前回以上に駆け足の記事となりますが、よろしければご覧ください。

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【広島】原子爆弾と8月6日に起こったこと【原爆の日】

本日は8月6日、広島原爆の日です。
今(2017年8月6日)から72年前の今日、第二次大戦最末期の1945年8月6日に、人類史上初の原子爆弾による攻撃が行なわれ多くの犠牲者を出しました。
8月9日には、続いて長崎にも原子爆弾が投下されています。

日本は、世界で唯一の核兵器による被爆国なのですが、それでも近年は核の脅威に対する認識が風化しつつあるように思います。

まあ、これは核兵器に限った話というわけでもありません。
以前の銃剣の記事風船爆弾の記事なんかでも書いたのですが、私は最近、戦争に対するイメージが「ファンタジー化」してないかと少々危機感を覚えています。
第一次世界大戦前夜のヨーロッパと同じで、戦争に対してフィクション的イメージを抱いてないかな、と。戦争についてのあれこれを、随分軽々しく捉えているような…?
(ちなみに、米露を初めとした核保有国の人々なんかは、核兵器の被害実態を十分に知らされていない傾向があります。国内で十分な情報が得られないせいか、近年、外国人観光客が広島平和記念資料館を訪れることが増えている、なんて話もありました。)

そんなわけで、今回は多少なりとも戦争の実態を知ろうということで、広島原爆投下の推移と、原子爆弾の基本的な知識について書きたいと思います。

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【Linux】diffコマンドで二つのファイルを比較する

以前、Windowsのファイル比較コマンドである、fcコマンドについて記事を書きました。

【Windows】fcコマンドで二つのファイルを比較する - Man On a Mission

今回は、Linuxにおけるファイル比較コマンド、diffについてです。
Linuxを使っている人は割とよく使うコマンドじゃないかと思ってたのですが、差異(差分)表示の見方がよくわからない、という人も結構いるようです。
(確かにとっつきにくい感があるので、無理もないかも。)
そこで、今回は簡単ながら使い方と差異表示の見方について説明したいと思います。

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【太平洋戦争以前】アメリカの対日戦争計画「オレンジ計画」と「レインボー5」

本日の記事は、太平洋戦争以前にアメリカが策定していた対日戦争計画「オレンジ」について。ついでに、そのオレンジプラン(というかカラープラン)の後に策定された「レインボー」についても少々、触れたいと思います。

「対日戦争計画」と聞くと、まるでアメリカが日本相手の戦争を始めようとしていたように聞こえますが、オレンジはあくまでも「日本と戦争する羽目になった場合」に備えて研究、立案していたものであり、実際に対日開戦しようとしていたわけではありません。

オレンジは「カラープラン」と呼ばれた戦争計画の一つです。
カラープランは、アメリカが交戦可能性のある国を「仮想敵国」として立案した戦争計画*1で、それぞれの国に対して色別の符号を用いていました。
オレンジが日本を「仮想敵」として立案されたプランですが、他にもブラック=ドイツ、レッド=イギリス、クリムゾン=カナダ、グリーン=メキシコ、イエロー=中国、ゴールド=フランス等々、キリがないのでこの辺でやめときますが、多数の国を対象としており、日本だけを特別敵視していたわけではありません。

昔々、一部のちょっとアレげな人たちが、「日本はアメリカの戦争プログラムにはめられて戦争に引きずり込まれた、そのプログラムをオレンジプランという!」的な妄言をよく吐いてましたが、そういうものでは無いわけです。
(まあ、最近はそんな認識の人はあまりいないと思うのですが…たぶん…そうであってほしい……そうであってほしかった。)

*1:国内治安作戦計画も含まれており、正確には「国」だけが対象ではありません。

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