Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【戦争を知ろう】大日本帝国海軍の組織【海軍省/軍令部/鎮守府】

前回、連合艦隊についての記事を書きました。

oplern.hatenablog.com

連合艦隊とはなんぞや?という疑問について簡単ながら説明した記事です。そんな疑問をどのくらいの人が抱くのかはわかりませんが。
(疑問を持つ人は好奇心が強いタイプなのかも。)
で、今回記事はそのついでというか、せっかくなので大日本帝国海軍の組織構成について書いておきます。
あまり細かいことには立ち入らず、海軍省や軍令部といった海軍の大まかな構成について。
なお、一口に「日本海軍」といっても、その歴史はそこそこ長く時期によって組織構成も変わってくるわけですが、本記事ではおおむね太平洋戦争期の日本海軍となっております。

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【戦争を知ろう】連合艦隊ってなに?【大日本帝国海軍】

今日はちょっと小ネタを。
最近というかここしばらく、当ブログでは太平洋戦争の話ばかりしてる感があります。真珠湾攻撃とかの記事では「連合艦隊司令長官山本五十六」がどうとかつらつらと書いたりしてるのですが、この「連合艦隊」というのが一体何なのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
そんなわけで、今日の記事は太平洋戦争関連記事の補足、連合艦隊とはなにかについて。

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【黙つて働き】日本の戦時スローガン セレクション【笑つて納税】

昭和10年:九千万人 一列行進 出せ 三千年の底力
昭和17年:一億が みな砲台と なる覚悟
昭和18年:一億抜刀 米英打倒
昭和19年:一億玉砕
昭和20年:一億総懺悔 ←オチ部分
平成27年:一億総活躍社会 ←2周目開始

進め一億 火の玉だ

今日は唐突に妙な文章から始まりましたが、別段、頭がおかしくなったわけではなく(たぶん)本日記事の前フリのつもりです。
上記国難政権が一億総活躍とかわけのわからないことをでっち上げた時期に、戦前〜現代のスローガンを集めて某所に書いたものですが、こうやってみると、昭和10年から平成27年までのスローガン(じゃないものもありますが)が違和感なく立ち並び、日本の伝統がいささかも失われていないことに感心する次第。
伝統とやらを大切にする日本では、現在、大胆な金融がどうとかいう経済政策(アレなミクス?でしたっけ?)のおかげで景気も良好だとか。
なんかエンゲル係数が上がったりしてるのは「食生活や生活スタイルの変化が含まれている」せいだし、真綿で首を絞められつつあるような今の生活感も、きっと気のせいに違いありません。ああすばらしきかな日本。くそったれ。
まあ、日本のすばらしさはさておき、エンゲル係数の件について他所様の記事へのリンクなど貼っておきます。

blog.monoshirin.com

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閑話休題、予想外に横道にそれてしまいましたが、本日の記事は冒頭で書いたようなスローガンを集めた本の紹介です。

黙つて働き 笑つて納税――戦時国策スローガン傑作100選

副題の「戦時国策スローガン傑作100選」が示す通り、日本の(概ね)昭和戦時下における標語・スローガンを収集・掲載した本です。以下、出版元の紹介を引用。

「欲しがりません勝つまでは」「贅沢は敵だ」「祖国のためなら馬も死ぬ」「りっぱな戦死とえがおの老母」「権利は捨てても義務はすてるな」等、凄すぎて言葉も失う超絶コピー・戦時国策スローガン100選。コメントとイラストで戦時下コピーが明らかになる。
[著者紹介・編集担当者より]
家庭内の過ごし方への指図から無茶苦茶な誇大妄想まで何でもありの戦時国策標語。禁酒禁煙節食を要求し、一方で米英本土を占領せよとみみっちいと同時に気宇壮大な無理難題。当時の国民の苦労が偲ばれる。面白しろうて、やがて悲しき戦時下コピー集。

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【戦陣訓】生キテ虜囚ノ辱シメヲ受ケズ【日本人の捕虜観】

前回記事では、太平洋戦争における日本人捕虜第1号である、酒巻和男少尉について書きました。
酒巻少尉は、小型潜水艇の「甲標的」で真珠湾攻撃作戦に参加しますが作戦途上で人事不省に陥り捕虜となっています。

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当時の日本は既に理由の如何に関わらず捕虜となることは許されない状況となっており、出撃後の酒巻少尉に不名誉な行動などはなかったにも関わらず、捕虜となったことは隠蔽されることとなります。
(海軍部内では捕虜となったことについて噂が流れており、半公然の秘密だったようです。作家の豊田穣氏は、海軍兵学校で酒巻少尉と同期であり、霞ヶ浦海軍航空隊での飛行学生時にその噂を聞いたそうで、その際、仲間の1人が「酒巻の奴、自決してくれないかなあ。クラスの名誉にかかわるからなあ。」と言ったことを著作に残しています。)

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【酒巻和男少尉】軍神から外れた男【九軍神】

前々回にて、特殊潜航艇「甲標的」による真珠湾攻撃での「特攻」について取り上げました。

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上記記事で書いたとおり、この甲標的真珠湾突入では5隻の甲標的が出撃し全て未帰還。搭乗員10名は1人を除いて戦死しています。
この「特攻」で戦死した9名は、九軍神としてプロパガンダに利用されました。しかし、ここで宙に浮いたのが唯一の生存者、酒巻和男少尉です。酒巻和男少尉は、人事不省となったところを州兵に捕まり、太平洋戦争における日本人捕虜第1号となりました。

今回記事は、この酒巻和男少尉のその後についてです。

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