Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

T90CHI-3775レビュー その3

さて、前回の予告通り、NetWalkerの後継として活躍できるのか、試していきましょう。

SSHまたはリモートデスクトップによる、サーバへのリモートアクセス

これは簡単、というか、できなきゃおかしいです。

Windowsなので(Linuxと違って)RDPクライアントは標準で入ってます。ちなみに、Microsoftさんのみみっちい販売戦略方針により、HomeエディションではRDPのホストになることはできません。まあ、プライベートではWindowsにリモートで入る気はないので問題ありません。

次はSSHクライアント。大抵のLinuxディストリでは標準で入ってますが、Windowsでは探してきてインストールしなければなりません。リモートデスクトップとはちょうど逆ですね。Windowsでのターミナルは仕事ではTeraTerm、プライベートではPuttyを使ってます。しかし、今回は少し趣向を変えてrloginを試してみることにしました。

rlogin/telnet/ssh(クライアント)ターミナルソフト

標準でタブを使えたり、ドラッグ&ドロップでファイルをSCP転送したり(マウス設定が必要)、なかなか良い感じです。画面分割とかもありますが、自分の場合、screenを利用してるので、使用するかどうかは未知数です。設定画面も、PuttyTeraTermよりわかりやすい気がします。

さて、NetWalkerと同じく、VPSSSHポートフォワード+RDP接続を行ってみます。SSHでポートフォワードして…

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RDPで接続。普通につながりますね。

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なお、残念な点。Linuxで使ってるrdesktopだと、rdpセッションのディスプレイサイズを自由に設定できるのですが、Windowsのrdpクライアントだと、あらかじめ用意されたサイズからしか選択できません。抜け道があれば、誰か教えてください。
4/18追記 コマンドプロンプトからmstsc.exeをオプション付きで叩けば調整できることがわかりました。
「mstsc /w:1024 /h:768」という感じです。

ちょっとした開発

T90CHIの付属キーボードですが、これが意外とタイプしやすい。この辺はNetWalkerよりも大幅に有利な点です。
しかし、Windowsである点がまたも課題となります。
私は、普段rubyを使うことが多いのですが、Windowsでのrubyにはあまり良い思い出がありません。特に外部ライブラリを使うと面倒なことが多いように思います。それでも一応、RubyInstallerでインストールしておきます。あと、DevKitも。昔よりは、だいぶ環境が整えやすくなってるんですがね…。

RubyInstaller for Windows

さらに開発環境。私はほとんどIDEを使わず、エディタでコードを書きます。エディタにはVimを使っています。
幸い、WindowsでもVimは使えます。これもインストールしておきます。私はライトユーザなので、何も考えずにKaoriYa版Vimにします。

Vim — KaoriYa

そして、実際に少しコードを書いてみた結果…やっぱりピンとこない。
Windowsコマンドプロンプトの出来が悪すぎて、ストレスが溜まります。開発時のマウスオペレーションが嫌いなので、できる限りCUIで使いたいのですが…。
Cygwinという手も考えましたが、よけい面倒なことになりそうなので、開発については仮想化環境上のLinuxで行うことにしました。仮想化環境にはVirtualBoxを使います。
そこで気になるのは、どの程度メモリを割り当てられるか。T90CHI-3775のメモリは2GBで、かつビデオメモリが共有です。タブレットPCとしては一般的な構成ですが、仮想OS運用に向いた構成ではありません。

空きメモリを確認してみます。Windows起動後、しばらく待ってから*1確認してみると…

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なんとアプリケーションを何も起動して無い状況で、800MB以上もメモリを消費してやがります*2

仮想OSに割り当てられそうなメモリは800MBほどでしょうか。少な。えー、メモリ使いすぎじゃないですか8GBくらいメモリ積めってことですか贅沢病ですかまた要らない機能のプロセス常駐させてませんかMicrosoftさん…とか文句を言ってても始まらないので、仮想OSには省メモリのものを使います。今回はLubuntuをインストールしてみました。

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仮想OSの空きメモリ670MB程度。まあ、なんとかなるでしょう。仮想OS上で開発という、迂遠なやり方となってはしまいましたが致し方ありません。

ここまでゴタゴタするのは、プログラミングに対しての私の趣味嗜好(rubyVim、シェル上で開発したい)の問題ではありますが、とはいえ、初期状態でここまでメモリを食いつぶしてると、T90CHIでの開発はなかなか厳しいと言わざるをえません。
JavaとかC#の人なら、そのままWindows10上で事足りると思うのですが、このメモリ状態だとVisualStudioだのEclipseだの動かすのは、結構辛いことになるんじゃないでしょうか。

Webサイトの利用

当たり前ですが、特に問題ありません。NetWalkerでは動画サイトなんかは無理目だったのですが、T90CHI-3775なら、普通に試聴できます。
YouTubeと、それから私はAmazonプライムに入ってますので、Amazonビデオも試してみましたが、HD動画でも特に問題なく見れますね。
ニコ動は…ちょい辛いか。

まとめ

さて、以上から評価をまとめると、

  • SSHまたはリモートデスクトップによる、サーバへのリモートアクセス → 問題なし。
  • ちょっとした開発 → イマイチ。工夫しだいで出来ないことはない。
  • Webサイトの利用 → NetWalkerより良い感じ。

となります。ほとんどT90CHIじゃなくて、Windowsの評価に近くなってしまいました。

申し訳程度に付け加えると、バッテリの持ちについては、普通に6時間以上使えました。使い方によっては、7、8時間くらいいけるかも。
なお、説明書に「完全に充電された後は、本製品の充電を停止してください。本製品は、長時間の充電に耐えるようには設計されていません」などとサラリと書かれてますので、充電後放置しないよう注意が必要です*3

次回は、T90CHI自体の使い勝手に寄って、もう少しだけレビューを続けたいと思います。

 

*1:起動直後は各プロセスのメモリ使用率が高いため

*2:ウイルス対策ソフトは入れてるので、その分はWindowsの責任ではありません

*3:昔、某国産PDAWindowsCEPocketPC))を充電したまま会社に行ってしまい、帰宅するとバッテリ周りの外装が溶けてたことを思い出しました。