応用情報技術者試験 合格体験記その3
前回記事より引き続き、午後問題について。
問題分野の選択
午後問題では、いくつかの分野の中から、回答する問題を選択することになります。
私が受験した当時(平成25年度秋期)は、ストラテジ/アルゴリズムいずれかから1問、その他の分野8問中から5問を選択する形式でした*1。
出題分野の全てをカバーするのは厳しいので、あらかじめ選択分野を絞って勉強することにしました。
まず、ストラテジ/アルゴリズムの2択では、アルゴリズムを選択。理由は、アルゴリズム系なら新しい知識が不要で、時間内に解く練習だけで済みそうだったからです。
その他8分野からは、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、情報セキュリティ、サービスマネジメントを選択しました。
ただし、歯が立たない難問が出ることも考えられるので、そのような場合に備え、追加でもう1分野を勉強しておくことにします。追加1分野としてはシステム監査を選びました。
以下、選択した分野で、傾向とかコツとかを覚えてるものについて挙げておきます。
アルゴリズム
応用情報技術者の前身、ソフトウェア開発技術者の際は、様々なアルゴリズム方式について勉強しておく必要があったようですが、応用情報技術者では、基本情報技術者の延長といった印象です。
基本情報技術者のアルゴリズム問題と同じく、速く正確なトレースが重要となります。
攻略法は…ひたすら慣れる、ですかね。
ネットワーク
ネットワークの基本をしっかり押さえることが重要です。
基本というとあいまいですが、要はレイヤ2~レイヤ4を中心とした通信の流れと、DNSやDHCP、SMTPなどメジャーどころの仕組みです。
データベース
似たような構成で出題される事が多く、E-R図の穴埋め、SQLの穴埋め、改修による変更点の記述、というのが大体のパターンです。
アルゴリズムと同様、過去問をやり込んで慣れることが重要です。
ちなみに、SQLは結合についての問題が多いです。あと、EXISTS句、ORDER句の出題も割と多いかも。
なお、時々、従来の出題パターンから外れた問題が出ることがあるので、要注意です。
当記事を書くにあたって、ざっくり近年の問題を見てみましたが、26年度秋、27年度秋あたりは戸惑った人が多いかもしれません*2。
こういったケースに備えて、やはり追加1分野を用意しておく方がよいと思います。
情報セキュリティ
前提として、Webアプリやメールの仕組み、SSL/TLSやPKIなどのセキュリティ技術の基本はちゃんと理解しておく必要があります。
それから、代表的な攻撃手法とその対策を押さえておくべきです。
IPAから出ているセキュリティ関連資料を読んでおくこともお勧めします。特に「対策情報などに関する読み物・講演資料」という箇所の資料は目を通しておいた方が良いでしょう。
あと、運用面の問題については、あまり難しく考えすぎると解けなくなることがあります。この辺は過去問に慣れることで傾向がつかめると思います。
ITサービスマネジメント
SLAや可用性など、基本的なITIL/ITサービスマネジメント用語は押さえておく必要があります。
出題の傾向があまり読めないというか、以外と類型的な問題が少ないです。しかし、業務経験のある方には簡単に感じられる問題が多いのではないでしょうか。逆に、業務経験がない方は得点しづらいかもしれません。
システム監査
ITサービスマネジメントと同じで、業務経験のある方にはさほど難しくないのではないでしょうか。
あまり取り立てて書くこともないのですが、システム管理基準、システム監査基準には目を通しておいた方が良いかと思います。以下サイトで読めます。
試験当日
基本情報技術者の受験時は時計を忘れてえらい目にあったので、前日の準備を怠らないようにしました。
試験当日の諸々の注意点などをこちらにまとめてありますので、よろしければお読みください。
実際の試験ですが、午後は時間が足りず、かなり厳しかったです。それでも、何とか全問埋めました。
当初、後で答え合わせをするために、回答を問題用紙に書いておこうと思っていたのですが、そんな時間はありませんでした。
アルゴリズム、データベース分野は、もっと回答スピードを上げるよう練習しとけばよかったと後悔。
ちなみに、基本情報技術者の受験時は狭い机にぎゅうぎゅうに押し込まれたのですが、応用情報技術者では、受験者数が少ないせいか3人掛けの机を2人で使えました。
これは助かりました。午前・午後合わせて5時間の試験を、狭い空間で受けるのは結構ストレスだったので。
合格発表
試験の約2か月後に合格発表です。
結果は午前、午後とも9割程度の点数で合格でした。
蓋を開けてみれば、割と大きめに合格基準点を上回っていたのですが、試験後、合格の自信があったかというとそうでもありませんでした。
「多分正解だと思う。自信はない。」といった心情の問題が多かったのを覚えています。高度試験を受けた時は、「結構いけそうだ」とか判断できるようになってたんですけどね。
記述式の試験は、慣れないうちは手ごたえをつかみづらい試験形式だと思います。
最後に
応用情報技術者試験は、"学問的"な内容が多い基本情報技術者に比べると、実務寄りの出題が増えます*3。
基本情報技術者の勉強がストレスに感じた方でも、比較的とっつきやすいのではないでしょうか。
ちなみに、私の当初の取得動機である「昇格に有利」ですが、結局、あまり影響しなかったように思います。Damn it! *4