Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

続もやもやLinux2 - Linuxに慣れたら

前回の続きです。

oplern.hatenablog.com

前回は「とりあえず基本的な操作が出来て、Linuxの挙動にも多少は慣れてる」というレベルを想定して、ごく簡単ながら、私おすすめの道筋を書きました。
今回は、上記レベルに達していて、かつもう少しLinuxの勉強がしたい、という方向けの記事です。
(とはいっても、単に勉強用の書籍を紹介するだけですが。)

 さて、Linuxの基本操作とかの勉強まではスムーズに進むと思うのですが、その後、入門レベルを超え、初級レベルを目指そうとすると、地味に壁があったりします。

この壁は、入門用の書籍などは多いのに対し、初級向けのものが少ない/どの書籍が適切かの情報が無い、ということに起因します。たぶん。

そこで、今回は一通りLinuxに慣れてきた方へ、私がお勧めできる書籍を紹介します。

Linuxの仕組みを知る

まず、Linux自体の仕組みや設定についての書籍です。
なのですが、いきなり残念なことをお伝えしなくてはなりません。
Linuxブームが過ぎ去った今、この手の書籍は品切かつ重版されないものが多く、新刊もめったに出ません。
下記に掲載する書籍も新品では手に入らないものが多いです。とはいえ、新品にこだわらなければ、まだ入手可能だと思います。

Linuxシステム管理標準教科書

www.lpi.or.jp

前回記事同様、まずはLPI-Japanさんが提供しているLinux教材です。
アンケートに答えることで、無償でPDFをダウンロードできます。
ただし、想定OSはCentOSですので、ご注意を。

Linuxの教科書 改訂版

以下、商品説明より引用。

本書は、2007年10月にIDGジャパンより発売され、現場のシステム管理者や学生といった幅広い読者から高い評価をいただいたシステム管理者向け入門ムック「Linuxの教科書 増補改訂版」最新改訂版です。
システム管理者が習得するべき 広範な分野の知識とスキルを11のステップに分け、基礎からわかりやすく解説しています。

システム管理者向けの情報が詰まった良書です。
ちょっとしたことなのですが、Linuxを使い始めたユーザが、よく戸惑うディレクトリ構造なんかについても記載があります。
残念ながら、すでに品切れとなっており、新品での入手は困難です。

Linuxスーパーユーザハンドブック

以下、商品説明より引用。

Linuxサーバーを管理する上で最低限必要なネットワークの基礎知識から、アプリケーションをソースからビルドする方法、自分のハードウェアに合わせたカーネルの再構築方法までを徹底解説。ビギナーからエキスパートまで使える決定版登場。

私一押しの本です。Linuxの設定関連については、この本一冊で結構な範囲を網羅できると思います。
ただ、残念なことに、こちらも品切れであり、新品での入手は困難です。

LPIC対策の本

Linuxの仕組みについての本は、品切が多いです。
そこで、代用として、Linux資格試験LPICの対策本を利用するという手段もあります。

1週間でLPICの基礎が学べる本

以下、商品紹介より引用

Linuxの資格として広く知られているLPICですが、あまり知識の無いまま試験勉強を始める人も多いのではないでしょうか。しかし、試験対策書は試験範囲についてのみ解説しているものが多く、初心者が理解するのは困難です。本書は、初心者がスムーズに試験対策を行えるよう、事前に基礎固めを行うためのLinux入門書です。試験情報や練習問題も多数掲載しているので、資格取得を視野に入れた効率的な基礎学習が行えます。CentOSの仮想環境をWebからダウンロードできるので、初心者にはハードルの高いLinux環境の構築もラクラク行えます。

 一通り、基本的なことは学べますが、先に挙げた書籍に比べると、初歩的な内容が多いです。
これでは物足りないという方には、以下の本もありますが、こちらはさらに試験対策寄りとなります。
購入の前に、中身を確認した方が良いでしょう。

Linuxでサーバ構築

次は、Linuxでサーバ構築してみたい方向けの書籍です。
そもそもサーバ用途で使われることが多いOSなので、この手の書籍は新刊もガンガンに出てます。品切れも少ないです。

Linuxサーバー構築標準教科書

www.lpi.or.jp

最初はまたしてもLPI-Japanさんが提供しているLinux教材です。こちらもPDFを無償でダウンロード可。ありがたいことです。
DNSサーバ、Webサーバ、メールサーバ、ファイルサーバの構築について説明されています。
メールサーバはsendmailなので、ちょっと取っつきずらいかも。

図解でわかる Linuxサーバ構築・設定のすべて

以下、商品紹介より引用

ソースからのインストールにより、ディストリビューションに依存しない汎用性の高い知識が得られる。ネットワーク構築から、各種サーバへの導入方法まで詳しく解説し、しかも、ユーザーの陥りやすいミスを考慮している。カーネル2.6、BIND9、Apache2.0、PostfixSMTP AUTH、vsFTPDなど、最新環境に対応している。8‾16個の固定IPでの運用を想定し、DMZの設定も解説。中小企業やホスティング作業での現実的な構築手法が学べる。各サーバの認証設定やパケットフィルタリングなど、セキュリティ設定の基本がわかる。各章末のFAQは必見!意外なTipsが発見できる。

少し古い本なのですが、おすすめです。
ソースコードコンパイルしてサーバソフトをインストールしていますので、初心者ではないが、そういった経験が無いという方もぜひ。
あと、なんと、この本は新品で買えます。

Linuxでプログラミング

少しだけLinuxでのプログラムについての本も。
Linuxの仕組みの理解にも役立つと思います。

ふつうのLinuxプログラミング

以下、商品紹介より引用

開発者視点でLinuxの仕組みを理解し、Linuxプログラミングの標準技法を学ぶ。
CプログラマのためのLinuxプログラミング入門書。
開発者視点でLinuxの仕組みを紐解き、小さなコマンドの作成からhttpdサーバの実装までを解説。
Linuxプログラミングの標準技法が理解できる。

最後に

色々挙げてきましたが、Linuxを使えるようになるまでは、初級レベルでもある程度時間がかかるでしょう。
継続的にLinuxを使いつつ、様々な情報源から勉強を行うことが必要です。
そういう観点からは、一定期間、日経Linuxを購読するのも良いかもしれません。
今や壊滅状態にあるLinux雑誌の数少ない生き残りです。