Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

ITストラテジスト合格体験記 その3

前回記事の続きです。ITストラテジスト合格体験記、午後2(論文問題)から受験当日について。

午後2

さて、いよいよ午後2、論文です。
2015年度にITサービスマネージャを取得していますので、論述問題については、全くの未経験分野ではありません。
しかしながら、出題された問題を確認してみると、やはりITサービスマネージャより難しく感じました。

 具体的には、問題文の親切さの度合いが違います。
ITサービスマネージャでは問題文中で「こういったケースがあって、こういう影響がでるから、こんなふうに対策するべき」と大まかなストーリーラインが提示されており、それに沿って肉付けしていけば論文を書き上げることが出来ました。
それに対し、ITストラテジストではITサービスマネージャほど具体的なストーリーラインを示されることは少なく、かなりの部分を自分で組み立てないといけません。

とはいえ、やはり基本は一緒です。
ITサービスマネージャ合格体験記の記事と同様ではありますが、以下、私なりの論述原則です。

  • ITストラテジストの立場を意識する
  • 出題に沿って書く
  • 論旨展開に気を付ける
  • 見栄を張らない
  • 論文のネタは一つにする。
  • 短く書く
ITストラテジストの立場を意識する

各テキストでも指摘されていることなのですが、「論文上での自分の立ち位置」を意識して論述しないと、多分落ちます。
この試験はITストラテジストとして一定のレベルにあるかを評価するものです。SEやプログラマの立場で書いてしまうと、ITストラテジストとしての評価が出来ません。

出題に沿って書く

出来るだけ、問題文の記述に合わせて書きます。ITサービスマネージャよりも問題文の抽象度が高いので、ストーリーの組み立ては自分で考えなければなりませんが、問題文で示された要求事項に沿って論述しなければならないことは変わりません。

論旨展開に気を付ける

当たり前のことなのですが、論文の前後で言ってることが矛盾したり、一貫性の無い内容とならないよう気をつけねばなりません。
もっと言うと、論文の設計時点で、こういった題材を出して、こういう施策に持っていって、さらに改善としてこうする、といった流れを考えておく必要があります。

見栄を張らない

個人的な所感でいうと、カッコつけて難しいことを書くと、後から後悔します。
難しいことを書くと、大抵、論文全体にわたって難しい内容になり、収拾がつかなくなったり、具体性に欠けたりとろくな目にあいません。それよりは普通のことを、具体例を交えて丁寧に書いた方が良いと思います。

論文のネタは一つにする。

論文の設計時、複数のネタや、並列するストーリーを思いついたりすることもありますが、全てを論文に取り込むと、論文が長くなるか、浅いレベルでしか論述できなくなります。
多様な題材を挙げても、特に合格しやすくなるわけではありません。
題材は一つに絞った方が得です。

短く書く

私は手書きスピードが遅いので、出来るだけ短い論文で済ませるようにしました。
設問で指示されている字数を守っていれば、とくに論文の長短が合否に影響することは無いようです。

論文の練習

上記を念頭に置きつつ、まず合格(出来そうな)レベルの論文を書けるまで練習。
次いで、時間内で合格(出来そうな)レベルの論文を書けるよう練習しました。

たしか合格(出来そうな)レベルの論文は3つ目位でようやく書けるようになったと記憶してます。その後に時間内で仕上げる練習に入りました。
いくつくらい書いたか数えてみると…8つ書いてますね。
ITサービスマネージャの時は6つでしたので、2つ多い。やはり未経験の業務なので、合格(出来そうな)論文が書けるまで長くかかったのが響いてます。
今振り返ってみると、何気に結構頑張ってますね。

ネタ集め

なお、午後2では、普段から論文ネタの収集が必要です。特にITストラテジストでは、ITを活用したビジネスモデルや業務改革の論述を要求されることも多く、そういった内容に対応できるネタを準備しておくことが重要です。
とはいえ、普段ITストラテジスト的な業務をされてる人はともかく、普通に仕事してるだけだと、なかなか論文のネタになりそうな事例には出会わないかと思います。
私も、ITストラテジストで取り扱う超上流工程の業務経験はありませんので、実生活で使えそうな事例に合うことはあまりありませんでした。
幸い、現代においては論文ネタになるIT導入事例がWeb上にごろごろ転がってますので、そちらを有効活用します。普段から@ITITproあたりを読んで使えそうなネタを収集しとくと良いかもしれません。

私の場合、損害保険会社の新保険サービスや、タクシー会社の配車アプリとかデジタコデータの活用事例なんかを漁ってネタを蓄えました。
なお、実際の試験時の論述には、某損害保険会社のテレマティクス保険の事例を元ネタにさせて頂いております。

ちなみに、日経系の雑誌からのネタ収集なんかを勧めてる方もいるようです。私はそっち方面からの収集はしなかったので、どんな感じかは分かりませんが。

私が愛用している論文練習用ノート

ITサービスマネージャの記事でも書いたのですが、論文練習に適したノートを掲載します。横向きに使うと、試験時の解答用紙に近くなります。ちょっと高いのが難ですが…。


 

受験当日

さて、受験当日について。
同じ会場内での受験者は十名程でした。
さすが応募者数が下から4位の資格*1。少人数なので、落ち着いて受験できます。トイレもさほど混みませんでした。

論述問題はITサービスマネージャで経験済みでしたので、そこそこ落ち着いて受験したつもりが、今回は間抜けなミスをしてしまいました。

論述問題がある試験では、解答用紙が設問ア・イ・ウそれぞれで分かれており、それぞれの設問の回答は、所定の場所に記述せねばなりません。
しかし、この解答用紙、平滑な用紙を使ってるせいか、結構くっつきます。
今回、設問イの論述の途中から、設問ウの用紙に記述してしまうというミスをしでかしました。
途中で気づいて慌てて書き直し、なんとか時間内に仕上げましたが、時間ロスと動揺で、当初書こうとしていた内容全ては盛り込めませんでした。
これから論文試験を受験される方は、一応、ご注意を。

なお、前回ITサービスマネージャ受験時の反省*2から、今回は右手を鍛えていきましたので、手書きスピードが向上し、手が攣りそうになったりもしませんでした。そうでなければ時間内で仕上げられなかったかも。

合格発表

約2ヶ月後に合格発表です。
正直、前述した午後2のミスもあって、落ちてると思ってました。
幸い合格してましたが、意外すぎてしばらく実感できませんでした。
合格証書が来てから、ようやく実感した次第です。

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体験記は以上ですが、せっかくなので、恥を忍んで合格時の復元論文を掲載したいと思います。
長くなるので、例によって次回に分けて掲載します。
なお、そもそもの実力が不足してますし、前述の通りしょうもないミスをしでかしてますので、大した論文ではありません(と、逃げを打っておく)。

 

 

*1:平成27年

*2:午後2で時間が厳しかったこと。手書きのスピードが足りないことを痛感。