Man On a Mission

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【戦争と兵器を知ろう】太平洋戦争時の日本海軍の艦艇種別【戦艦・空母・巡洋艦】

最近、太平洋戦争がらみの記事が続いてますが、今日もしつこく、それ系の記事です。

前回記事終戦記念日にちなんだ記事でしたので、今回は終戦つながりで、終戦時の残存艦艇について…と思ったのですが、少し前に某軍艦擬人化ゲームがはびこった日本といえども、海軍の艦艇種別をみんなが知ってるわけではありません(実生活では必要ない知識ですしね…*1)。
なので、こんな船が残ってました、なんて言ってもイメージしにくい人も多いんじゃないかと思い当たりました。
そこで、残存艦艇の記事の前に、今回は旧日本海軍における艦艇種別(戦艦やら空母やら巡洋艦やら)について、大まかなところを。

まえがき

本記事は艦艇種別、要は戦艦だの駆逐艦だのといった海軍艦艇の区別についての記事ですが、困ったことに軍艦の種類と呼び方は、歴史的経緯やその国固有の事情・慣習などから相当にバラバラであり、国際的に統一された基準というものがありません。
しかしながら、当記事は終戦時の日本海軍残存艦艇についての前記事ですので、旧日本海軍の艦艇種別を前提とすることにします。

具体的には、「艦船令」および「海軍艦艇類別標準*2」での終戦時の種別・類別を基に、代表的なものを取り上げ説明します。
なお、日本海軍の分類に則ってはいますが、同時代の米英軍であれば、細かな差異はあれ似たりよったり(のはず)です。

戦艦

軍艦といえばコレ、といった風情の代表的な軍艦です。世間では、戦闘艦であればなんでも「戦艦」と呼ぶことも多い*3ですが、クソでかい砲を持ち、クソ厚い装甲を備える、クソでかい軍艦が戦艦であり(失礼)、やや小さめの巡洋艦(後述)や更に小さい駆逐艦(これも後述)とは、本来区別しなくてはなりません。
(と言いつつも、戦艦の基準は割とあいまいなのですが。)

砲撃戦の中心として、強大な火力と防御力を併せ持った存在であり、太平洋戦争で海戦の主役が航空母艦に移るまでは、艦隊の中核戦力でした。
日本海軍の戦艦としては、言わずと知れた大和(6万9100t)、大和型二番艦である武蔵(6万9100t)、「世界のビッグセブン」と称された長門(4万3580t)、陸奥(4万3400t)などがあります。
(艦名の後ろの数字は公試排水量*4です。大きさの目安にでも。以下の節でも同様。)

なお、金剛型戦艦*5については、元々は巡洋戦艦に分類されていました。
巡洋戦艦:高速(27ノット〜30ノット)でありながら戦艦と同等の主砲を持つ戦闘艦。装甲防御力は戦艦より弱い。)
しかし、1924年〜1931年にかけて各艦の第一次改装が行なわれ、それに伴い装甲は増強されたものの速力が30ノットから25ノット程度に低下、昭和6年(1931年)に海軍艦艇類別標準改訂により巡洋戦艦という類別が廃止され、金剛型も「戦艦」に変更されたという経緯があります。

航空母艦(空母)

車輪を持つ航空機を多数搭載し、これらを発着させる設備を持つ艦艇です。
(わざわざ「車輪を持つ」航空機なんて書いたのは、水上機(水上で離着水できるように作られた航空機)を運用するための「水上機母艦」なんて類別があるからです。)
太平洋戦争では、戦艦に代わって海戦の主役となりました。

日本海軍の空母としては、赤城(4万1300t)、加賀(4万2500t)、蒼龍(1万8800t)、飛龍(2万165t)、翔鶴(2万9800t)、瑞鶴(2万9800t)など。

巡洋艦

速力・航続力に優れ、偵察・警戒に従事する他、敵主力艦への雷撃や巡洋艦以下への攻撃などを行う艦です。
戦艦より小さく、駆逐艦よりは大きい戦闘艦で、日本海軍では主砲口径15.5cmを超えるものを一等巡洋艦、それ以外を二等巡洋艦と呼称していました。
昭和5年(1930年)に締結されたロンドン条約においては、8インチ砲(20.3cm)の有無で巡洋艦を大型・小型に分け、米海軍では大型を重巡洋艦、小型を軽巡洋艦と呼びました。
こちらの方がイメージしやすいかも知れません。

日本海軍の重巡洋艦としては、妙高型(1万4984t)、高雄型(1万4838t)、利根型(1万3320t)、軽巡洋艦としては長良型(6260t)、夕張型(3141t)、阿賀野型(7710t)など。

駆逐艦

高速で、魚雷による敵主力艦への夜襲や対潜水艦戦闘を主任務とします。
こちらは、基準排水量1000t以上を一等駆逐艦、それ未満を二等駆逐艦としていました。

なお、駆逐艦日本海軍で定義された「軍艦」には含まれておらず*6、そのため駆逐艦の指揮官は「艦長」とは呼ばず「駆逐艦長」と呼びます。

日本海軍の駆逐艦は、吹雪型(1980t)、陽炎型(2500t)、松型(1530t)などがあります。

潜水艦

文字通り、海中に潜航できる艦艇。ただし、電池に充電するために定期的に浮上する必要があります。
敵艦への魚雷攻撃、哨戒、通商破壊などを主任務とします。

なお、駆逐艦同様に基準排水量1000t以上を一等潜水艦、それ未満を二等潜水艦としていました。一等潜水艦は伊号、二等潜水艦は呂号と呼称される各艦があります。
こちらも艦船令上の「軍艦」には含まれず、指揮官は「潜水艦長」と呼ばれました。

 

 

*1:とはいえ民主主義国家の国民としては、ある程度、軍事についての知識を持つほうが望ましいんだろうなと思います。でないと、わけわかんねえ珍説に惑わされて、おかしな方向に傾きがちになるので。日本の能力を過信したり、出来もしないことを声高に主張したり。米ステルス機が日本の技術で出来てるとか(!?)。

*2:1900年に制定。その後、終戦まで改訂されつつも使用されました。

*3:類似ケースで、なんでも「戦車」、なんでも「戦闘機」というのもあります。

*4:一般に乗員を含む満載状態から、燃料などの消耗品を3分の1消耗した状態での排水量。戦闘に臨む状態を想定してますが、各国により定義は異なります。

*5:金剛(3万6314t)、比叡(3万7000t)、榛名(3万6601t)、霧島(3万6668t)

*6:艦船令による定義。ちなみに、日本海軍の「軍艦」は、艦首に菊花紋章を付けます。余談ですが、艦船令上の「軍艦」と、国際法上の「軍艦」は定義が異なりますので混同しないよう注意が必要です。