Man On a Mission

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【旧日本軍】太平洋戦争時の軍用機種別【航空機の用途別分類】

最近は太平洋戦争/第二次大戦時の航空機に関することばかり書いてますが、今日もしつこく、そっち系記事です。
今回は、太平洋戦争時の日本軍の軍用機種別について簡単な解説を。
具体的には、戦闘機とか爆撃機とか偵察機とか、そういった用途別に分類した各機種について主要なものを書きます。
しばらく前に、太平洋戦争時の海軍艦艇種別(戦艦だの駆逐艦だの)について書いてますが、それの航空機版です。

まえがき

さて、種別を書く前に、軍用機という言葉について触れておきましょう。
「軍用機」とは、軍隊で使用されている航空機全体を指しています。英語では「combat aircraft」とか「warplane」とか「military aircraft」とか呼ばれる場合が多いです。
いずれも明確な定義はないのですが、「combat aircraft」や「warplane」は輸送機とかが含まれるんだか含まれないんだか紛らわしいため、日本では、最近「military aircraft」の方を使うことが多いように思います。たぶん。
ちなみに、防衛省では「作戦機」という言葉を用いていますが、これには練習機や連絡機などの補助的な航空機は含まれないようです。

あと、本記事についての注意点。
次節以降「戦闘機」だの「爆撃機」だのといった軍用機種別について書きますが、困ったことにこの分類には世界共通の基準的なものはありません。
歴史的経緯やその国固有の事情・慣習なども絡んで、厳密に区別することはできなかったりします。
(この点は、戦艦だの巡洋艦だのといった艦艇種別と同様です。)
例えば自衛隊が使用していたF1支援戦闘機(2006年退役)が実質的には攻撃機だったり、現代と旧日本海軍とではやや「攻撃機」の位置づけが違ってたり。

当記事では、太平洋戦争時の日本軍用機の分類について取り上げてますので、他国や時代によっては通用しない分類も含まれています。あしからずご了承ください。

太平洋戦争時の日本軍用機分類

ここから、太平洋戦争時の日本軍用機各分類についての説明となります。

戦闘機

最初は戦闘機について。
一般世間的には、軍用機ならなんでも「戦闘機」と呼ぶことがあったりしますが、本来は敵の航空機の排除を役割とする軍用機です。
爆撃機などからの防衛や、味方航空機が自由に作戦活動できるようにしたり(制空権または航空優勢の確保)といったことを目的としています。

一口に戦闘機といっても、得意とする任務はそれぞれで異なり、主に敵戦闘機との戦闘を想定したもの、敵爆撃機の迎撃を想定したもの、護衛として自軍爆撃機に随伴するものなどがあります。
日本海軍機では、これらの用途に合わせて細別化しており、空母に載せて運用する艦上戦闘機零戦など)、陸上基地に配備して防空を行なう局地戦闘機紫電など)、夜間に敵爆撃機を迎撃する夜間戦闘機(月光など)、さらにはフロートを備え水上から離着陸可能な水上戦闘機二式水戦など)といった種別があります。

爆撃機

軍事拠点や生産施設、都市など地上の目標物、または艦船など海上の目標物に爆弾を投下して破壊する役割をもつ軍用機です。

日本陸軍では、爆弾搭載量より速度や運動性を重視した機種を爆撃機と呼び、これは敵基地や陸上部隊に対して反復爆撃(要は繰り返し出撃して爆撃するわけです)を行なうことを想定していました。(九八式軽爆撃機など)
これに対して、爆弾搭載量が多く、比較的遠距離の目標の攻撃を想定した機種を爆撃機と呼んでいます。(九七式重爆撃機など)

日本海軍では、空母に載せて運用し急降下爆撃を主任務とする艦上爆撃機(九九式艦爆など)、陸上基地で運用する陸上爆撃機(銀河)がありました。

攻撃機

攻撃機は海軍のみの種別となります。
爆弾や魚雷を搭載して、地上や海上の目標を攻撃する軍用機です。よその国では雷撃機と呼んでいました。

空母に載せて運用する艦上攻撃機(九七式艦攻など)、陸上基地で運用する陸上攻撃機(一式陸攻など)があります。

偵察機

味方の陣地などからは見えない、敵の状況を知るために使用されます。
ちなみに、当初、飛行機が軍用に用いられたのは偵察のためでした。

陸軍では、上級司令部に属し高速で長距離の強行偵察ができる司令部偵察機(一〇〇式司偵など)、軍や師団において遠距離偵察を行なう偵察機(九九式軍偵など)があります。

海軍では、水上から離発着可能な水上偵察機(零式水偵など)が使用されましたが、艦上攻撃機なども索敵任務を行なっています。
なお、水上偵察機は「偵察機」といいながらも哨戒・救難・攻撃など多種の任務で活躍しています。

輸送機

人員や貨物の運搬を目的とする軍用機です。
細かく分類化されてるわけではないのですが、民間旅客機をもとにしたもの(海軍の零式輸送機など)と、重爆撃機を改修したもの(陸軍の一〇〇式輸送機など)がありました。

襲撃機・直協機・観測機・哨戒機

その他の種別についてまとめて。

襲撃機は陸軍のみの種別となります。
低空から機銃や爆弾で目標を攻撃する近接航空支援を主な任務とし、前線近くの飛行場での運用必要性から不整地での離着陸が要求されたりしました。九九式襲撃機など。

直協機も陸軍のみの種別です。地上部隊に協力して、短距離偵察や砲兵の射撃観測、地上銃撃や爆撃など多様な任務をこなしました。
これは、九八式直協機が該当します。短距離離着陸、不整地離着陸、低速安定性と整備性の高さを兼ね備える名機でした。(用途上もこれらの能力が重要でした。)
なお、時々「九八式直協偵察機」略して「九八式直協機」みたいに思ってる人がいるのですが、名称はあくまでも「九八式直協機」であって、「偵察」という文字は入りません。

観測機は砲撃の弾着観測などを主任務としています。
海軍の零式観測機(通称ゼロ観)が有名で、この機は弾着観測のみならず、対潜哨戒や偵察など幅広い任務をこなしました。複葉機ながら高い安定性と格闘性能を誇り、敵戦闘機を撃墜したこともありました。

哨戒機は、潜水艦の探知・攻撃を任務としています。
海軍の陸上哨戒機「東海」は、地味ながらも終戦まで警戒警備に奮闘しました。