Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれを記録していくブログです。情報処理技術者試験の話題多し。高度試験の攻略なども。最近はやや歴史づいてます…。

【戦争と兵器】大和 VS イージス艦【建造費】

今回は、ややネタ的記事です。
大和型戦艦とイージス艦の建造費を比較してみようという企画。大和とイージス艦もし戦わば的な記事タイトルにしてしまいましたが、さすがに酔狂すぎるのでその話題は少ししか触れませんごめんなさい。

では建造費の比較の前に、一応は大和とイージス艦について簡単な説明など。

1分で(一応)わかる大和

皆さんご存知の超有名戦艦「大和」。今さら説明するまでもないかもしれませんが、一応の説明を。

「大和」は大和型戦艦の一番艦です。同じ大和型としては他に二番艦「武蔵」があります。なお三番艦は建造計画があったものの建造中止、四番艦は空母に改造され「信濃」となりました。

大和型戦艦は世界最大の排水量と主砲口径(46センチ砲)を持ち、一番艦「大和」は1941年12月16日に竣工しています。
パナマ運河通過の制約から、全幅33m以上に出来ない米戦艦より大口径の主砲を搭載し*1、敵戦艦の射程外から先制攻撃を行うコンセプトでした。
(46センチ砲の射程は4万800メートルと言われています。)

戦艦では「自艦の主砲弾を基準とした装甲防御」を有することが原則となっており、大和型戦艦もその例にもれず20~30kmで発射された46センチ砲弾に耐える舷側410mm、甲板230mmという厚い装甲でヴァイタル・パート(艦の最重要部)を守っていました。

カタログスペック上は、まさに「最強」の戦艦でしたが、最後は沖縄への出撃途上で米軍航空機の攻撃を受け、成すすべなく沈没することとなります。
なお、「大和」の最期についての詳細は、こちらの記事をどうぞ。

oplern.hatenablog.com

1分で(一応)わかるイージス艦

お次はイージス艦について。
イージス艦とは、「イージスシステム」こと「イージス武器システムMk.7」を搭載する艦艇のことです。

その昔、ソビエト海軍はオケアン70演習において100発もの対艦ミサイルを同一目標に同時に着弾させる「飽和攻撃」を行い、アメリカ海軍はこれを重大な脅威と判断しました。
というのも、従来の迎撃システムでは、同時に多数来襲する敵機へ効果的に対処することはほぼ不可能だったからです。
このことから、アメリカ海軍は多数の目標を同時に索敵・追尾し、脅威度を評価、さらにはこれを迎撃する対空ミサイルの管制・誘導を全てひとつのシステムでまかなう兵器を構想します。これがイージスシステムであり、本来の目的は艦隊防空でした。しかし、多種の任務に対応できる汎用性を持ち、搭載艦は対艦・対地・対潜水艦など様々な作戦能力を向上させています。

イージスシステムは、巡洋艦駆逐艦フリゲートなどに塔載されており、日本だと「こんごう型護衛艦」や「あたご型護衛艦」が挙げられます。。
また、多くのイージス艦弾道ミサイルの迎撃能力を獲得していることは皆様ご存知の通り。

国民の財産としてのイージス艦/大和

さて、日本の保有するイージス艦も戦艦「大和」も、その建造費用は国民の血税から出ています。
具体的にいくらかというと、例えば2007年に竣工した海自のイージス護衛艦「あたご」は1475億円
「大和」の建造費は、インフレの影響などもあってはっきりした金額は不明なのですが、当時の金額で2億6000万円代と推測されます。また、1941年7月19日調整の「5計画艦艇製造費予算表*2」によると、製造中止となった大和型戦艦の建造費は2億8153万6000円です。

今回記事は、イージス艦と大和の建造費を比較してみようという趣旨ですが、竣工がかたや2007年、かたや1941年ですので、そのまま比較は出来ません。
そこで、インフレ率およびそこから算出した消費者物価指数を基に、大和型戦艦の建造費を現代の金額に換算してみます。
建造費というか予算がはっきりしているので、前述の製造中止となった大和型戦艦の建造費の方で換算してみると、現代金額では2861億8022万2980円となります。

イージス艦を上回る…というか、だいたいイージス艦2隻分に相当するわけですね。
大和凄ぇ!
なお、実際の「大和」の活躍を考えると切なくなってくるので深く考えてはいけません。費用対効果?やめろ、大日本帝国海軍様を批判するな*3

余談ですが、零式艦上戦闘機は一機あたり9万5000円で、現代金額換算だと9649万円となります。現代の戦闘機は高機能化により製造費が跳ね上がってますので比較してもあまり意味がないのですが、空自のF-15Jは110億円くらいとなります。

大和とイージス艦もし戦わば

さて、最後に少し大和とイージス艦の対決について。

そもそも、イージス艦はもちろん大和も(任務にもよりますが)単艦で戦闘するなんてことは考えられてないわけで「どっちが強い?」なんて問いかけ自体が微妙だったりします。
というか、簡単に「最強の戦闘機」だのなんだの言う人がいますが、戦争/戦闘は様々な要素が複雑に絡みあうもので、また個々の兵器というよりは、「戦争システム/戦闘システム」トータルでのぶつかり合いとして捉えた方がまだ妥当です。
そういったことを踏まえつつそれでもあえて単艦での対決を考えると、イージス艦の対艦ミサイルで大和の(ヴァイタル・パートの)装甲を貫くことが難しそうということもあって、大和が一方的に撃沈されてすぐ終了、という展開でもなさそうです。状況によっても大きく変わってくるし、じゃあ、大和がイージス艦に有効な打撃を与えられるかというと、それもちょっと…という感じなのですが。

なお、2ページ程の短いものではあるのですが、この酔狂な想像を割とまじめに考えた本がありますので、紹介しておきます。

兵器のギモン100

参考資料

本記事を書くにあたり、以下の書籍を参考にさせて頂きました。

図説日本海軍入門

 

 

*1:全幅制限から、米戦艦の主砲口径は16インチが限度と予想されていました。

*2:環境依存文字のため、単に「5」としましたが、この「5」は実際には丸付きの5です。

*3:大和の建造は厳重に秘匿されていましたが、むしろ大々的に公開することで抑止力としたほうが良かった、という意見の人もいます。本当にその方がマシだったかも。