Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【戦争と兵器】アサルト・ライフルとは【突撃銃】

前回、前々回と第二次大戦/太平洋戦争にて用いられた小銃であるM1ガーランド、三八式歩兵銃について取り上げました。

oplern.hatenablog.com

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M1ガーランドはセミオートマチック・ライフル、三八式歩兵銃はボルトアクション・ライフルです。
(セミオートマチック・ライフル、ボルトアクション・ライフルの特徴については、前回記事をご参照ください。)
これに対し、現代において各国軍隊で使用されている主力小銃は、そのほとんどがアサルト・ライフル(突撃銃)となっています。
有名なM16ライフルとか、これまた有名なカラシニコフことAK-47なんかが代表的ですね。

…などと書きましたが、この「アサルト・ライフル」というのが具体的にどんなライフルなのかということを知っている人は意外と少ないようです。
機関銃のように連射できるライフル、という漠然としたイメージを持ってる方は多いかもしれませんが、アサルト・ライフルはそれだけのものではありません。
そこで今回は、アサルト・ライフルというのがどういったものなのかについて触れてみたいと思います。
(とか言いつつ、軍事用語では毎度のことなのですが、アサルト・ライフルについての定義は割と曖昧だったりします。以下の説明は、「大体」そんなもんなんだ、と思ってください。)

アサルト・ライフルの誕生

アサルト・ライフルの原型は、第二次世界大戦中のドイツにて誕生しました。従来のライフル弾薬よりも小型で低威力の新型弾薬を用い、トリガーを引くごとに1発撃てるセミオート射撃と、トリガーを引いている間は連射されるフルオート射撃の両方が可能なMkb42(42年型自動式カービン)です。
このMkb42が改良発展したものが、世界で初めて制式採用されたアサルト・ライフルStG44(44年式突撃銃)となります。

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StG44

ちなみに、StG44として制式採用されるまでに紆余曲折がありました。1943年にはMP43の名で、1944年にはMP44の名で実戦投入されています。
これは、ヒトラーが歩兵の小銃には長距離射撃性能が必要だと頑なに信じており、そのために量産許可を出さなかったためだと言われてます。このため、やむなくシュペーア軍需相がMP43機関短銃という名目で量産を強行、実戦に投入したところ大きな戦果を挙げたため、ヒトラーが折れてStG44として制式採用となったとか。

なお、StG44の「StG」はSturmGewehr(シュツルムゲベーア)の略で、Sturm=突撃、Gewehr=銃となっています。これがそのまま英語に訳されて「アサルト・ライフル」となりました。

アサルト・ライフルの特徴

さて、こうやって誕生したアサルト・ライフルですが、従来のライフルと何が異なるのでしょうか。

StG44は、多くの歩兵戦闘が50〜300メートルほどの距離で行われるという現実に即し、「ライフルとサブマシンガンの機能を併せ持つライフル」というコンセプトで開発されました。
従来のライフルは1000メートル前後の戦闘距離を想定して作られていましたが、これは、第一次大戦以降の塹壕や市街での接近戦、車両を利用した機動歩兵戦には適合しなかったのです。
一応、接近戦用にはサブマシンガンがありましたが、これは拳銃弾薬を使用するため有効射程が短く射撃精度も低いものでした。

射程と威力面でオーバースペック気味なライフルと、効力が弱すぎるサブマシンガンという中途半端な状態に陥っていたわけですが、これを解決するものがStG44です。
短い全長で取り回しがよく、7.92mm×33クルツ弾という従来ライフル弾薬より小型で低威力ながら拳銃弾よりは強力な弾薬を使用。セミオート/フルオート射撃が切り替えでき、至近距離ではサブマシンガンのようにフルオートで制圧射撃が可能です。装弾数も多く30発マガジンが使用されています。
ちなみに弾薬の小型化は、携行弾数が増加するという利点もありました。

戦後、各国でアサルト・ライフルが採用されますが、これらの特徴もStG44と概ね同様となります。
厳密なものではないのですが、大体、以下が挙げられるでしょうか。

  • フルサイズのライフル弾薬(フルロード弾)よりも小型の弾薬(薬莢長が短く装薬が少ないか、口径そのものが小さい)を使用する。
  • 装弾数が多く、大抵20発以上のマガジンを使用する。
  • セミオート射撃/フルオート射撃の双方が可能。
  • コンパクトで取り回しが良い。

 なお、上記の条件のほとんどを満たしながら弾薬はフルロード弾を使うライフルもあり、これらを「バトル・ライフル」と呼んで区別することもあります。

最後に

第二次大戦後、アサルト・ライフルは歩兵に高い戦闘力を与える兵器として大きく発展しました。1947年に旧ソ連ミハイル・カラシニコフが開発したAK-47なんかは有名ですが、各国でも1960年〜70年代にかけて様々なモデルが開発されており、アメリカのM16ライフルもこの時期に開発されたものです。
その後も、機関部を後方に配置したブルパップ型アサルト・ライフルが出てきたり、グラスファイバーなどの複合材を利用したものが出てきたり、部品を交換して多用途に使用できたりと発展が続いています。

とはいえ、アサルト・ライフルといえども万能ではなく、アフガンやイラクでは射程不足を指摘する声が上がってたりします。

旧ソ連がアフガンに侵攻した際には、山岳地帯の戦闘で交戦距離が600〜800メートルとなることが多く、AKの射程では不十分となりました。ちなみに当時のゲリラは多数のボルトアクション・ライフルを使用しています。

イラクは開けた地形が多く、イラク戦争にて500メートルを超える距離での射撃戦がしばしば行われています。この距離はM16の有効射程を超えるもので、第82空挺師団の兵士は第101空挺師団が狙撃銃として装備しているM14を欲しがったとか。