Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【戦争と兵器】機関銃と機関砲【何が違う?】

前々回の記事にて、第二次大戦次のイギリスの傑作戦闘機/爆撃機モスキートについて書きました。

oplern.hatenablog.com

当該記事中で、「固定武装として機首部20mm機関砲4門、胴部に7.7mm機関銃4挺」なんて書いてあるのですが、機関銃と機関砲は何が違うのか、ご存知でしょうか?
本日記事は、機関銃と機関砲の違いについて。

当たらずとも遠からず?

機関銃と機関砲の違いについて、「機関砲はでかい、機関銃は小さい」というイメージを持っている方は結構多いと思います。
で、もったいぶっといてなんですが、上記で大体当たりです。

機関銃と機関砲は、その機能や仕組みは同様であり、小口径のものを「機関銃」、大口径のものを「機関砲」と区別するケースが多いです。
大体、口径が20mm以上になると「機関砲」と呼ぶのが一般的です。

…とか言いつつ当ブログでは、20mm口径のものを機銃(機関銃)と書いた記事があったり、あまつさえ同記事内で20mm機関砲と20mm機銃という言葉が混在してたりするものもありました。
これは、私がクソも味噌も一緒的感覚でいい加減に書いたわけではなく、実は、日本海軍の装備については20mm機銃、日本陸軍やイギリス軍の装備については20mm機関砲といった具合に、軍によって表現を変えていたりします。

国や時代で異なる定義

実のところ、なにが機関銃でなにを機関砲とするかは、国や時代、軍種などによって異なってきます。
例えば、米軍やイギリス軍、自衛隊では口径20mm未満を機関銃、20mm以上を機関砲としていますが、第二次大戦時のドイツ軍では口径30mm以上を機関砲、それに満たない場合は機関銃としていました。
(現代のドイツ軍(ドイツ連邦軍)は米英と同じ基準。)
太平洋戦争時の日本海軍では口径40mm未満を機銃、40mm以上を機関砲と呼んでいます。当ブログの過去記事で「20mm機銃」と書いてるところは、前述のとおり日本海軍の機体に搭載されたものだからです。ちなみに、日本陸軍では口径12.7mm以上を機関砲としていた時期もあるものの、基準が割といい加減で後には制式制定ごとに機関銃か機関砲か決めてたようです。

機関銃/機関砲の「違い」

機能や仕組みは同様なうえ、組織の定義で線引きが変わってくる機関銃/機関砲ですが、一応、それぞれで違ってくる点も少しだけあります。
(とはいっても、大した差はなくて、違いというよりは傾向というべきものが多いかもしれません。)

まず数え方。機関銃は「挺」を単位とします。機関砲は「門」ですね。
次に弾薬。機関砲になると榴弾(内部の爆薬で爆発して破片を撒き散らすことで打撃を与える砲弾)が使われることがあります。機関銃では弾丸が小さすぎて通常用意されません。
また、機関砲は大きく重いために歩兵が携行するのには向かず、車両や艦船、航空機に搭載したり、トーチカに据え付けて使用されることとなります。

最後に

ちなみに、だいたい口径60mm以上になると、自動装填装置を備え発射速度が速くても、「速射砲」扱いになることが多いです。
例えば、イタリアのオート・メラーラ社が開発した76ミリ砲MMIアラーガトは、1分間に55〜60発という発射速度を持ちますが、これは速射砲の範疇とされ機関砲とは呼ばれません。。
同社76mm砲後継のスーパー・ラピッド砲では毎分120発もの発射速度を持ちますが、こちらも「速射砲」とされています。