本日の記事は、太平洋戦争以前にアメリカが策定していた対日戦争計画「オレンジ」について。ついでに、そのオレンジプラン(というかカラープラン)の後に策定された「レインボー」についても少々、触れたいと思います。
「対日戦争計画」と聞くと、まるでアメリカが日本相手の戦争を始めようとしていたように聞こえますが、オレンジはあくまでも「日本と戦争する羽目になった場合」に備えて研究、立案していたものであり、実際に対日開戦しようとしていたわけではありません。
オレンジは「カラープラン」と呼ばれた戦争計画の一つです。
カラープランは、アメリカが交戦可能性のある国を「仮想敵国」として立案した戦争計画*1で、それぞれの国に対して色別の符号を用いていました。
オレンジが日本を「仮想敵」として立案されたプランですが、他にもブラック=ドイツ、レッド=イギリス、クリムゾン=カナダ、グリーン=メキシコ、イエロー=中国、ゴールド=フランス等々、キリがないのでこの辺でやめときますが、多数の国を対象としており、日本だけを特別敵視していたわけではありません。
昔々、一部のちょっとアレげな人たちが、「日本はアメリカの戦争プログラムにはめられて戦争に引きずり込まれた、そのプログラムをオレンジプランという!」的な妄言をよく吐いてましたが、そういうものでは無いわけです。
(まあ、最近はそんな認識の人はあまりいないと思うのですが…たぶん…そうであってほしい……そうであってほしかった。)
*1:国内治安作戦計画も含まれており、正確には「国」だけが対象ではありません。