少し時間が取れましたので久しぶりに普通の更新です。
今回は、戦争や軍隊におけるイヤな話を取りあげる不定期連載(のつもり)第5弾です。
本シリーズは、最近、あまりに軽々しく軍事・戦争を扱う方が目につくようになったため、戦争で何が起こるのかよくわかってないのじゃないかと思って始めたものです。
戦争で何が起こるのか/何が起きていたのか知ることを主題としており、時代・地域などにはこだわらず、とにかく戦争とか軍隊におけるイヤな話を取り上げます。なお、記事の性質上、書籍などからの引用が多くなります。
更新頻度低下の影響か、最近ただでさえ少ないアクセス数が一層低下しています。
せっかく(?)閲覧数が少なくなっているので、今回は書くかどうか迷っていた話でもしようかと思います。今なら見られてないからイケる!たぶん!
過去記事では、憲兵の拷問、沖縄戦における住民被害、イラク戦争における兵士の死傷×2を取り上げてきました。
【戦争と軍隊のイヤな話】イヤばな #1【憲兵の拷問】 - Man On a Mission
【戦争と軍隊のイヤな話】イヤばな #2【沖縄戦】 - Man On a Mission
【戦争と軍隊のイヤな話】イヤばな #3【現代の戦争:イラク】 - Man On a Mission
【戦争と軍隊のイヤな話】イヤばな #4【現代の戦争:イラク】 - Man On a Mission
今回は少し趣向を変えて、生理的な方向でのイヤな話です。
もったいぶっても意味がない程度に記事タイトルで内容がダダ洩れになってますが、タンツボが主役?となります。
この時点でだいたい予想がつくかと思いますので、苦手な方は読むのを止めてくださるようお願いします。
本題のイヤな話に入る前に、タンツボについて少々。
若い人は知らない方が多いかもしれませんし、実のところ私も実物を見たことはないのですが、名前の通り、痰を吐くための壺です。
かなり古くから存在していたようで、中国の南宋~元代(13~14世紀)に制作された漆器なんかも残ってる模様。
bunka.nii.ac.jp
日本だと、昭和の頃は駅構内とかによく設置されてたらしいのですが、平成に入る頃にはほとんど見られなくなっていたようです。
ちなみに、タンツボが駅に置かれるようになったきっかけは、1904年(明治37年)の内務省令「肺結核予防ニ関スル件」でした。
通称「痰壺条例」。
同省令では、結核が喀痰により伝染するという当時の学説に基づき、公衆の集まるところにはタンツボを設置するよう求め、タンの消毒を行い、さらには結核患者が居住した部屋、使用した物品は消毒するよう定められました。
政府予算はほとんど使われず、警察による取り締まりが中心だったということです。
「肺結核予防ニ関スル件」が制定された背景には、急速な近代化と富国強兵策の強行、産業革命の進行による結核の爆発的な流行がありました。
同省令は「痰壺条例」と揶揄されるくらい評判が悪かったのですが、その頃開催された「国際結核病予防学会」での決議を受けたもので、一応なんの根拠もなく定められたものではありません。またタンツボ以外にタンや唾を吐くことを禁じたことから公衆衛生が前進する一助となりました。
とはいえ「対策」といえるような代物ではなかったのも事実で、本格的な結核対策として1914年(大正3年)に「肺結核療養所ノ設置及国庫補助ニ関スル法律」が、1919年(大正8)年には「結核予防法」が制定*1されます。
ただし、当時は化学療法もBCG もありませんので、上記法律による「結核対策」は患者を隔離して伝染を防ぐことでした。
ちなみに、同法の成立には慢性伝染病対策という公衆衛生上の観点だけでなく、人力政策(労働力確保および兵力確保)が要因にあったことが指摘されています。
閑話休題。つい余計な話をしすぎましたが次章より本題にはいります。
今回は、日本軍で常態化していた私的制裁というか軍隊内イジメのお話。
なお私的制裁については過去、何回かにわたって記事にしてますので興味がありましたらどうぞ。
【戦争を知ろう】新兵訓練と私的制裁【日本軍】 - Man On a Mission
【日本陸軍】私的制裁の種類【新兵イビリは蜜の味?】 - Man On a Mission
【鉄拳制裁】海軍の私的制裁【海軍精神注入棒】 - Man On a Mission
【日本軍】私的制裁あれこれ【陰湿と不条理の大和魂】 - Man On a Mission
私的制裁では、海軍が陰惨な暴力をふるう傾向があったのに対し、陸軍ではよりイジメらしい陰湿なものが多い傾向にあります。
今回は、陰湿な陸軍の方。
なお、以降は延々と不快な話が続きますので、ご承知おきください。
ちなみに、今までの画像は、ナポレオン~覇道進撃~10巻より。
さあ、それでは、イヤな話を始めましょう。
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