Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

PDAというガジェット

時代の徒花

皆さんはPDAをご存知でしょうか。
Personal Digital Assistant、略してPDAとなり、日本語訳では携帯情報端末となります。
1990年代末〜2000年代初頭にかけて(一部の人たちに)流行ったガジェットで、スケジュールやアドレス帳、メモといった機能を備え、さらにアプリケーションの追加が可能な電子機器です。大抵、片手で握れる板状の機体に大きめの画面を備えていました。また、多くの機種は、限定的ながら動画や音楽再生も可能でした。

 上記の説明で、電話できない/通信機能がないスマホみたいなもん?と思われた方がいましたら、そのとおり。

今のスマホの原型であり、インターフェースもタッチパネルのものが多くありました。
ここらで、PDAの画像など。PocketPCWindows CE)の代表的機種です。

GENIO e550

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東芝 GENIOシリーズ

板状の機体の半分以上を占める大きめの画面と、少数のハードウェアボタンという形です。
このディスプレイ部分はタッチパネルとなっており、ハードウェアボタンよりも、タッチパネルによる操作が中心でした。

iPhoneあたりから当たり前のものになっていくタッチパネルUIは、このPDAのUIの進化版という感じです。
(なので、一部マスコミから、全く新しいUIみたいに扱われていた時はのけぞりました。まあ、使用感が天と地の差なのは確かなのですが。)
ただし、タッチパネルは感圧式ですし、UIもスタイラスペンの使用を前提としています。
また、文字入力については、タッチパネル上のキーボードをスタイラスペンでプチプチ押してく方式か、あるいは手書きしての文字認識によるものが中心でした。

何に使うの?

さて、このPDA。何に使っていたのでしょうか?
普通に考えると、スケジュール管理やアドレス帳などの、ビジネス用途が考えられます。普通に考えれば、ですが。
ぶっちゃけ、当時、この手の機器を買いあさっていたのは、主にマニア層だったと思います。つまるところマニアのオモチャだったわけです*1

ちょっと大げさに言い過ぎました。もちろん、ビジネス用途で使っていた人も多いのでしょう。
PDAは、PCのスケジュールやアドレス帳管理ソフト(Outlookとかです)との連携が可能で、USBやシリアル接続、赤外線により、情報を同期して簡単に外に持ち出せることが売りでした。
PDAよりさらに昔は、電子手帳というものがありましたが、PCとの連携などは出来ませんでした。)
業務上、外回りが中心となる方には便利な機械だったのだろうと思います。

しかし、PDAの性能がだんだんと向上してくると、最初はおまけだったゲームや画像閲覧、音楽再生、さらには動画やインターネット接続などが中心となってきます。
例えば私が持っていたE-700というPDAでは、CPUクロックが150MHz、メモリ32MBでした。

ascii.jp

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今となっては使い物にならないスペックに見えるでしょうが、当時、私が持っていたノートPC(CF-B5V。E-700と同年に発売)のスペックは、CPUクロック500MHz、メモリ64MBです。

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CF-B5Vトラックボール搭載。

さらにさかのぼって、3年前のPCだと、CPUクロック200MHz、メモリ32MBです。
もちろん、CPUアーキテクチャが異なるので単純比較は出来ないのですが、数値の上では3年前のPCに迫るスペックだったわけです。

また、携帯性や長時間使用、簡便さなどに重きをおいたPDAもあり、そのタイプだと、スペックは期待できません。当然、上記に書いたような、マルチメディア的(懐かしい言葉ですね…)使い方は出来ないのですが、それでも自分でアプリケーションを作って利用することは可能でした。

このような、デジタルガジェットや超小型コンピュータとしての側面に心惹かれた方々が、購買層の一部を占めていたのは間違いないです。というか、私もそうでした。

このへんで、思ったより長くなったので次回に続きます。
次回に引っ張るようなネタか?と思わないでもないですが。

 

 

*1:ちょっと暴言っぽいです。謹んで謝罪します。