Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

ITストラテジスト合格体験記 その2

前回記事の続きです。ITストラテジスト合格体験記、午後1の勉強について。

午後1がヤバイ

午後1は、状況を説明する長文の問題文を読み解き、いくつかの設問に記述式で回答する形式です。
この形式の出題については、私も応用情報技術者から数えて5回ほど受けてますし、どうとでもなるだろうと高をくくっていました。
前回受験したITサービスマネージャでも、午後1にはさほど時間をかけず合格できましたので、今回もあまり時間をかけずにすまそうと思っていたのですが…。
実際の問題を解いてみると、ちょっとヤバイことがわかり、結局、それなりの時間をかけて対策する羽目になりました。

 ITサービスマネージャとITストラテジストで何が違うのか?

相違点は概ね、以下3点に集約されると思います。

解答に必要な情報が問題文全体に分散している

まず1点目。
ITサービスマネージャでは、問題文が、概ね設問と1対1になる形で段落分けされており、設問に対応する段落を読むことで、解答を導出することが出来ました。
それに対して、ITストラテジストでは、設問に対応して段落分けされている様な出題は少なく、回答に必要な情報が問題文全体に分散しています。
ITサービスマネージャ(というかITストラテジスト以外の試験区分)では、設問と紐づく段落を見つけてしまえば、ほぼその段落内で情報収集して解くことが可能でした(基本的には)。
しかし、ITストラテジストではそれが出来ません。下手すると、設問ごとに問題文全体をいったり来たりして情報収集する羽目になります。

解答のキーとなる箇所が探しにくい

2点目。
ITサービスマネージャでは、設問で使用されている文言が問題文中にそのまま載ってることが多く、設問のキーとなる箇所を見つけることは、さほど難しくありません。
また、そのような箇所の文章を、少し加工*1すれば、解答にできることも多々あります。
これに対しITストラテジストでは、設問の文言がストレートに問題文中に出ることは少なく、簡単にはキーとなる箇所を特定できません。また、設問と関連してそうな箇所が複数あるケースもあります。

そもそもヒントが無い

3点目。
ITサービスマネージャでは、問題文中にヒントが埋め込まれており、そのヒントを探し出して解答を一意に導出することが出来ました。
ITストラテジストでは、問題文中にヒントがない設問が結構あります。ヒントもないのにどうやって解くのか?
かなり曖昧な物言いとなりますが、これはITストラテジストとしての見識で解答せねばなりません。言い換えると、ITストラテジストシラバスと同じ視点となるよう意識して、適切な解答を弾き出す必要があります。

以上のことから、総じて、どのように答えるべきか迷う問題が多いです。

対策

さて、上記を読むと、ITサービスマネージャと比べて難易度が高いように思えるのですが、実のところ、そうとも言い切れない部分があります。
ITストラテジストの午後1では、専門的な知識が無くても、普通に業務経験があれば解けるような問題も多いです。問題を解いているときには悩んでも、あとからゆっくり解答を見ると、なんだ当たり前じゃないか、と思うことも少なくありません。
それにも関わらず、私がヤバイと感じた理由は、「安定して合格ラインを超えた点数を取る」ことが困難と感じたからです。
ITストラテジスト…というか情報処理技術者試験は、よかれあしかれ試験に過ぎません。
試験である以上、安定して合格ラインを超える点数を叩き出すことが重要です。
しかし、ITストラテジストの午後1を、他の高度区分試験と同じやり方で解いていると、問題によって、かなり正答率がばらけます。
これを、どうにか安定的に合格点以上を叩き出せるようにする必要がありました。

で、どうしたかというと…

前回記事で紹介した以下テキストのやり方をそのままなぞりました。合格体験!などと図に乗った割には、テキストに完全依存です。

情報処理教科書 ITストラテジスト

大雑把にやり方を紹介すると、

  1. 問題文全体を流し読む。
  2. 設問を分解して状況・制約や要求事項を整理する。
  3. 問題文からキーとなる箇所を探してマーキング。同じような言葉やネガティブ表現なんかがポイント。
  4. キーポイントをグルーピングして整理。
  5. 上記を踏まえて解答。

私が考えた方法ではないので、詳細について知りたい方は上記テキストをご参照ください。

ちなみに、同テキストでは「そもそもヒントが無い」出題についても、過去の解答を基に分類した「対策標語」がまとめられており、これを活用することで、かなり対応できるようになってます。
情報セキュリティスペシャリストでのポケットスタディ「速攻サプリ」みたいなものと言えるでしょうか。

やり方を定めたら、後は過去問演習です。
過去のノウハウが(全面的には)通用しないので、がっつり解きました。一応、2009年度から2015年まで、組み込みの出題を除く全ての問題を解いてます。
過去問を解いた後は、IPAの講評にも目を通しました。
講評には、IPAの中の人が、どういった答えが欲しかったのか/どのように考えて欲しいのかが書かれてたりしますので、問題の傾向をつかむのに役立ちます。

以上の勉強により、何とか安定的に合格ラインを超えられるようになりました。
(午後1の得点配分は公開されてませんので、まあ、6割超えてるだろと当たりをつけただけですが。)

ちなみに実際の試験の点数は、77点でした。

さて残るは午後2、論述問題ですが、また長くなるので例によって次回に続きます。

 

 

*1:設問に沿って言い直したり、または内容を反転させたり