Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【情報処理技術者試験】 論文対策の始め方

平成29年度春期情報処理技術者試験

去る2017年4月16日に、平成29年度春期の情報処理技術者試験が実施されました。
受験された方はお疲れさまでした。合格発表は、基本情報技術者、情報セキュリティマネジメントで1ヶ月後、応用や高度区分であれば2ヶ月後です。手応えのあった方も無かった方も、後は合格発表を気長に待ちましょう。

などと、しれっと書いてますが試験から既に1週間ほど経ってますので、かなり今さら感があります。
今回私は受験してないので、やっぱり少し他人事感があるんですよね。会社で受験した人が、どんな感触だったか教えてくれたりもするんですが…。

一応、来年の春期試験ではプロジェクトマネージャかシステム監査技術者を受けようかと思っています。
本当は、今年、プロジェクトマネージャを受けようかと思っていたのですが、仕事の都合で受験できませんでした。実は、去年も都合がつかず受験できてなかったり。プロマネはケチがついた(テンションが下がった)ので、来年はシステム監査技術者にするかも。

論文試験

さて、どうでもいい自分語りはこのくらいにして、本日の主題である論文試験対策について書きたいと思います。

 情報処理技術者試験の高度試験区分では、実に5区分の試験で論文問題が出題されます。
高度試験は全部で8区分、情報処理安全確保支援士も元々は高度区分の情報セキュリティスペシャリストですので、便宜的にそれも含めてしまうと9区分です。9区分中、5区分で論文問題が出題されるわけで、結構な割合です。

論文問題は午後2で出題され、「お題」に沿って2時間で論文を書き上げることになります。
正直、ちょっと聞いただけで尻込みしないでしょうか?私はしました。

私が思うに、論文問題の出る試験(以下、めんどくさいので論文試験と呼びます)を受けるには、2回の心理的ハードルがあります。

論文試験の2回のハードル

2回の心理的ハードルとは何でしょうか?以下、それぞれ述べていきます。

1回目の心理的ハードル

1回目は、論文試験の受験を決意する際のハードルです。これは当たり前というか、誰しも想像がつくかと思います。
このハードルを乗り越える原動力は、結局のところ資格を取得したいという思いの強さか、必要に迫られたかでしょう。
逆に、わざわざ論文試験を受ける人というのは、それだけモチベーションが高いと言えるかもしれません。

この1回目の心理的ハードルを乗り越える際には、背中を押してくれる本を利用するのも良いかと思います。
各種試験区分の対策本にも、論文問題の心得とか具体的な対策が載ってるのでそれでも良いのですが、個人的には下記書籍をお勧めします。

絶対わかる論文問題攻略法 情報処理技術者試験対応

以前、ITサービスマネージャの記事でも触れたのですが、論文試験の受験の薦め+ガイドブックといった趣の本です。
論文試験というとどうしても超難関試験に見えてしまうのですが、そこまで高いハードルではないとか、レベルの高い論文でなくとも受かる、といったことが書かれており、「何とかなるかな?」という気にさせてくれます。
また、高度試験の論文問題全般についてのコツなども書いてあります。初めて論文試験を受ける方にはお勧めできる書籍だと思います。

廉価なKindle版も出たようです。
絶対わかる論文問題攻略法 情報処理技術者試験対応<電子書籍特別編集版>

2回目の心理的ハードル

2回目の心理的ハードルですが、これは実際に論文問題への対策を始める際のハードルです。
具体的には、過去問の出題を使って実際に論文を書こう、という段階ですね。

論文問題は早めに対策を始めたほうがよいのですが、いざ勉強しようとすると、なかなか手を着けかねると思います。
IPAのサイトで過去問なんか見ると想像できると思いますが、いきなり「携わったITサービスの概要と、インシデント発生時に想定される問題の概要について、SLAの順守に与える影響を含め、800字以内で述べよ。」だの「問題への対策の内容と、対策を検討するに当たって留意した点について、800字以上1600字以内で具体的に述べよ。」だのと言われても、途方にくれる人が多いのではないでしょうか。
(ちなみに、上記出題はITサービスマネージャの平成22年度午後2問3「インシデント発生時に想定される問題への対策について」です。)
その結果、論文問題を敬遠する意識が生まれ、なかなか論文対策を始めないというネガティブなパターンが起こり得ます。サンプル論文ばかり読んで実際には書かなかったりとか。

このハードルの解決について、試験対策本によっては「書けても書けなくても、とにかく2時間使って書こうとする!」といった割とスパルタなことが書いてあるものもあります。
それも一理あるとは思うのですが、結構な苦行になると思います。2時間悩んで、論文を完成させられなかったり、ひどい論文(失礼)が出来たりとか、特に一人で勉強してると心が折られまくりそうです。

そこで、参考まで私が実際に行ったハードルの乗り越え方について書こうと思います。
ただし、私が取得した論文試験はITサービスマネージャとITストラテジストのみです。他の試験でも大体似たようなもんだとは思うのですが、一応、その点はご留意ください。

論文対策の始め方

いきなり論文をフルに書くのが無理でも、段階的に論文のパーツを作っていって、それらを組み合わせて一つにすり合わせるならどうでしょうか。
それも、実際の試験での時間制限はひとまず度外視して、とにかく時間がかかっても良いので、徐々に一つの論文を作っていってみましょう。
なお、このやり方では、編集が頻繁に発生するため、テキストエディタワープロソフトでの作成をお勧めします。

最初は、要求されている内容に合わせて、論文の流れ、いわばストーリーを考えます。
この時、最初はサンプル論文を参考にというか、この際半分くらいはパクっても構わないので、とにかく大まかなストーリーをでっち上げましょう。
午後1に似たような出題や題材があれば、そちらからパクってきても構いません。

大まかなストーリーラインができたら、次は肉付けです。設問ア、イ、ウと分かれてますので、それぞれの設問に対して文面を考えます。
ただし、いきなり設問全体に対する回答を作成する必要はありません。問われている内容について箇条書き的な論文パーツを作っていきます。
また、通常、それぞれの設問は更にいくつかの問に分解できます。

先に取り上げたITサービスマネージャの平成22年度午後2問3「インシデント発生時に想定される問題への対策について」を例に取りますが、設問ア「あなたが携わったITサービスの概要と、インシデント発生時に想定される問題の概要について、SLAの順守に与える影響を含め、800字以内で述べよ。」は、前半の「あなたが携わったITサービスの概要」と後半の「(SLAの順守に与える影響を含めた)インシデント発生時に想定される問題の概要」に分解できます。
この前半、後半それぞれについて、論文パーツを作成します。

設問イ、ウでも同様に設問を分解してそれぞれの問に対する論文パーツを作成し、それらが出来上がったら、論文パーツをパズルのように組み合わせて、より具体的なストーリーラインに仕上げます。
上手くストーリーがつながらなかったり、論旨が途中でずれてきたりすることもあると思います。その場合は、それぞれの論文パーツを見なおして、調整しましょう。
最悪、最初の大まかなストーリーライン構築からやり直す必要が生じるかもしれませんが、いったん作った論文パーツは、いずれ流用出来る可能性があります。なので、ちゃんとメモっておくことをお勧めします。

論文パーツを組み合わせて、論文のひな形が出来上がったら、箇条書き的な論文パーツを文章として整形し、仕上げていきます。

論文が出来上がったら、全体を見なおして反省点や改善点などを考え、次回に活かします。

この一連の流れを、数回繰り返すことで、論文ネタや論文パーツ、記述のパターンを増やすことができます。そうすれば、本格的な論文演習に移っても(最初に比べれば)容易に対応できるはずです。

このやり方は、論文作成過程を各段階ごとに局所化し、徐々に論文作成パターンを身に付けるものです。
いわば、ソフトランディング(軟着陸)ならぬソフトテイクオフ(軟離陸?)とでも言うべきやり方です。

迂遠なやり方ではありますので、最初の論文作成でかかる時間は、2時間どころじゃ無いと思います。しかし、何度か繰り返していると、論文パーツが蓄積され、作成パターンも確立されていきますので、徐々に時間も短縮されるでしょう。
論文対策に踏み切れない人は、是非お試しください。

ついでに

ちなみに、論文対策については以下の記事でも触れています。

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

また、練習論文または実際の試験で書いた論文(復元論文)については、以下の記事に載せてます。

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

多少とも参考になれば。