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【戦争と兵器を知ろう】アメリカ軍航空機の名前【第二次大戦】

最近、第二次大戦頃の軍用機の「なまえ」についての記事が続いています。

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【戦争と兵器を知ろう】日本軍航空機の名前【太平洋戦争】 - Man On a Mission

【戦争と兵器を知ろう】日本軍航空機の記号(略号符)【太平洋戦争】 - Man On a Mission

今日の記事もしつこく、それ系です。今回は第二次大戦時のアメリカ軍の航空機の命名法則について。

当時の米軍航空機も、日本軍同様に陸軍機、海軍機があり、それぞれで微妙に命名法が異なります。

まずは陸軍機から。

アメリカ陸軍の命名規則

米陸軍機の名称は、主に任務(用途)記号とモデルナンバーで成り立っています。
例を挙げると「P-51」とか「B-29」といった具合ですね。

もう少し詳細にというか正確に述べると、任務記号とモデルナンバーに加えて、シリーズレター、ブロックナンバー、製造工場記号、愛称といった並びで、名称が表されます。
以下、簡単に各項目について説明します。

まず任務記号。こちらは「機種=用途」を表す記号です。戦闘機は「P」、爆撃機は「B」といった具合に割り当てられていました。
以下、主な任務記号の一覧です。

米陸軍機主要任務記号
A : 攻撃機
B : 爆撃機
C : 輸送機
CG : 輸送グライダー
F : 写真偵察機
L : 連絡機
O : 観測機
OA : 水陸両用観測機
P : 追撃機(戦闘機) ※追撃機=Pursuiter
R : 回転翼機

モデルナンバーは陸軍が購入契約した順番を示すもので、例えば「P-51」の場合なら「51番目に契約された戦闘機」ということになります。

シリーズレターは大きめの改修が施された場合に付与される生産型式記号です。「P-51D」なんて形で表記され、これは4番目(D)の生産型式を意味します。

なお、ブロックナンバーと製造工場記号は省略されることも多いのですが、フルに書くと「P-51D-20-NA」といった感じになります。これはP-51Dのブロックナンバー20、ノースアメリカンカリフォルニア州イングルウッド工場製であることを示します。

アメリカ海軍の命名規則

さて、次は米海軍機の名称です。
米海軍機の型式番号は「F6F-3」なんて感じですが、これは左から「機種(用途)記号」、「メーカーごと制作番号*1」、「設計/製造会社記号」、「生産型式番号」となっています。

先に挙げた「F6F−3」だと、戦闘機(F)、メーカー別で6番目、メーカーはグラマン社(F)、3番目の生産型式を意味しています。

ちなみに機種記号は以下の通り。

米海軍機主要機種記号
B : 爆撃機
F : 戦闘機
N : 練習機
O : 観測機
OS : 観測偵察機
S : 偵察機
SO : 偵察観測機
PB : 哨戒爆撃機
R : 輸送機
SB : 偵察爆撃機(急降下爆撃機
TB : 雷撃爆撃機雷撃機

設計/製造会社記号は以下のようになります。

米海軍機主要設計/製造会社記号
A : ブリュースター
B : ボーイング
C : カーチス
D : ダグラス
F : グラマン
J : ノースアメリカン
M : ゼネラルモータース
O : ロッキード
U : ヴォート
Y : コンソリデーテッド(コンヴェア)

 

 

*1:ただし、1番目の場合は省略されました。例えば、米海軍にて哨戒・救難任務に活躍した飛行艇「PBY カタリナ」は、PBが機種番号、Yが設計/製造会社記号ですが、コンソリデーテッド社(Y)における哨戒爆撃機(PB)の1番目であるため、メーカーごと制作番号は省略されています。