Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【戦争と兵器を知ろう】イギリス軍・ドイツ軍航空機の名前【第二次大戦】

今回もしつこく「航空機の名前」記事です。
今日は、イギリス軍とドイツ軍の命名規則について。

イギリス空軍の命名規則

日本軍、アメリカ軍と違い、イギリスには空軍がありました。
(海軍にも艦上機を運用する艦隊航空隊(FAA)があります。イギリスは、この辺に紆余曲折があったりするのですが、いずれ機会があれば取り上げたいと思います。)

以前の記事(戦闘機のアダ名)でも書いたのですが、英空軍では、一見愛称っぽい名前が制式名称となっています。例えば「スピットファイア」とか「テンペスト」とか。
アメリカから購入した航空機についても、当該機種の愛称をそのまま制式名称として採用するケースが多く見られます。

命名規則は、こういった愛称っぽい制式名に続けて、開発順にMk.IとかMk.IIといった「Mk + ローマ数字*1」(採用番号)を付与する方法が採られていました。「スピットファイアMk.I」とか「スピットファイアMk.II」って感じになるわけです。
また、1942年末頃からは、制式名と採用番号の間に用途記号を付けています。この場合は「スピットファイアF.Mk.XIV」って感じになります。制式名スピットファイアで、用途は戦闘機(F)、14型という意味です。
(当記事では、機種依存文字を避けるためローマ数字はアルファベットで表記しています。XIVはローマ数字の「X」と「IV」のつもりです…。)

さらに、細かな仕様変更がある場合は、末尾にアルファベットを付けました。「スピットファイアF.Mk.XIVE」を例に挙げると、末尾の「E」はEウイングへの仕様変更を意味しています。

ドイツ空軍の命名規則

ドイツにも空軍が存在します。
独空軍では、型式番号を「設計会社記号」、「設計製造順番号」、「モデル記号」、「小改修ナンバー」、「改修キット」の順に並べていました。
例として、第二次大戦時の主力戦闘機「Bf109G−14/R1」を挙げると、メッサーシュミット社製(Bf)の設計製造順番号109、モデル記号G、小改修ナンバー14、改修キットR1の機体、ということになります。
ちなみに、改修キット記号について、「R」は現地部隊での改造が可能なもの、「U」は生産過程で改造可能なものとなっています。

なお、設計会社記号は以下の通り。

独空軍機主要設計会社記号
Ar : アラド
Bf : バイエリッシュ航空機(後のメッサーシュミット
Bv : ブローム・ウント・フォス
Do : ドルニエ
Fi : フィーゼラー
Fw : フォッケウルフ
Go : ゴータ
He : ハインケル
Ju : ユンカース
Me : メッサーシュミット
Ta : タンク(フォッケウルフ社のクルト・タンク博士)

 

 

*1:21以降はアラビア数字。