Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【最高裁判所裁判官国民審査】7名全員が信任されました【これでいいの?】

ここのところ、延々と航空機(というか軍用機)のことばかり書いてるのですが、先週は久方ぶりに別のネタを書きました。
珍しく時事ネタで、衆議院議員総選挙…ではなくて同時に行なわれる最高裁判所裁判官国民審査についての記事です。

oplern.hatenablog.com

私は昔から一応、対象となる裁判官を調べて臨んでいたのですが、2013年5月9日、東京大空襲訴訟において最高裁が上告を退けて以来は、真剣度2割増しで投票しています。
(国家の失策で国民が被害を受けても、それに対する救済が保証されないわけですから、まあ、普通に考えると国民にとって不利益な判決です。)
国民と国家それぞれの利益にからむ裁判の場合、かなり国家寄りの判決を出す裁判官も多かったりするので。

そんなわけで、個人的にはもっと国民から注目されることを望んでいるのですが…残念ながら、まだまだ認知度は低いようです。
未だ、国民審査で罷免された裁判官は出ておらず、先週(2017/10/22)実施された国民審査でも7人の裁判官は全員が信任となりました。

投票数は5654万295人、投票率は一応、前回14年(50.90%)を2.44上回る53.34%となっています。
投票率が(多少とはいえ)増えたのは喜ばしいのですが、罷免率は前回8〜9%だったものが、今回は平均して8%足らずに下がりました。
じゃあ今回の審査対象となった裁判官に対して、国民の信頼が高いのかというと疑問符がつきます。というのも、国民審査は、よくわからないとかで白紙投票すると、対象裁判官全員を信任したということになるからです。
(×をつけた場合のみ不信任、となります。空白にするか×にするかの二択なわけです。)

ここしばらく、森友問題や加計問題が取り沙汰されてましたが、今回審査対象となった裁判官のうち4名は、「森友学園」の国有地売却問題で交渉等の電子データ保全申し立てを棄却*1してますし、また、厚木基地で運用される軍用機の騒音問題(第4次厚木基地騒音訴訟)についても、3名が深夜早朝の飛行差し止めおよび騒音被害の将来賠償について認めない判決を出しています。
他にも、オリンパスと従業員の争議とか、特定秘密保護法とか、「1票の格差」問題とか、今回対象となった裁判官は概ね国家寄りの傾向があり、権威主義的というか、国民側に立った判決は少ないように感じます。
これを信任するかは国民それぞれの判断となりますが、さて…。

なお、前回リンクした記事について、続編というか最高裁国民審査の結果を受けて書かれた記事がありますので、そちらもリンクを貼っておきます。

news.yahoo.co.jp

最後に

当たり前のことですが権力には監視が必須ですので、国民審査をもっと活用してほしいし、制度も改善してほしいところです。
個人的には、ろくな道理もなく国民に不利益な判決ばかり出すような裁判官には早々にご退場いただきたいなあ、なんて思ったり*2

 

 

*1:国の「既にデータは廃棄している」という説明に対し、情報公開の推進を求める活動を行っているNPO法人が「システム上復元可能なはず」と主張、交渉記録などの電子データの保全を申し立てたが棄却されました。なお、特別なコメントもなく「特別抗告の事由に該当しない」とか言うだけで閉めています。「対話」とか「説明」の意味がわからないどっかの政権と微妙な共通点を感じますね。

*2:まあ、日本はなんというか「いい子ちゃん」が多いので、明らかに体制側/権力側/雇用側に問題があるときも、なぜか我慢しようとする傾向があったりもしますが。逆に問題を指摘した人が攻撃されることも多いですね…。