Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【戦争と兵器】ソ連の対戦車兵器 RPG-7【ロケットブースター付】

前回、第二次大戦時のドイツの対戦車兵器、パンツァーファウストを取り上げました。

oplern.hatenablog.com

そのついでというか、せっかくなので、今回はソ連の歩兵携行対戦車兵器RPG-7について少々。

RPG-7とは

前回も触れましたが、ソ連は、第二次大戦時のドイツ製対戦車兵器パンツァーファウスト250をもとに、擲弾発射無反動砲RPG-2を開発しました。
そのRPG-2の発展版がRPG-7です。

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パンツァーファウストの子孫らしく、構造が単純、十分な威力を持ち、使い方も簡単という、兵器として望ましい特徴を多く備えています。
そのため、1961年の製造開始から今日まで、世界中のあらゆる戦争・紛争で使用されており、携行対戦車兵器の傑作といえるでしょう。

口径は40mm、弾頭直径85mm、全長950mm、重量は約7kg。標準型のPG7弾頭は300〜350mmの装甲を貫通する威力を持ちます。
なお、対戦車には成形炸薬弾の弾頭を用いますが、他にも対人・非装甲車両向けの榴弾や、照明弾、発煙弾などの特殊弾頭、最近ではサーモバリック弾頭(燃料気化爆弾の一種)などもあり、歩兵などの軟目標、トーチカ、低空飛行中のヘリコプターやビルなどの建造物といった、様々な対象に向けて使用されています。

RPG-7はロケット弾を発射しますが、前々回取り上げたバズーカと異なりロケットランチャーではありません。
バズーカなどのロケットランチャーでは、ロケット弾自身の推進力で発射されますが、RPG-7では、発射薬により撃ちだされ、10mほど飛んだところでロケット弾の固体燃料ロケットに点火して飛翔、射程を伸ばす方式となっています。
なお、飛距離は長い(900m以上)のですが命中精度は低く、確実な命中を求めるのであれば、可能な限り近距離から発射する必要があったりします。
発射の際はパンツァーファウスト同様、反動を相殺するため後方に燃焼ガスが噴出(バックブラスト)するので、やはり巻き込まれないよう注意が必要です。
よく、「対戦車ロケット砲」なんて言われているのですが、実際には「ロケットブースター付き擲弾発射無反動砲」といったところでしょうか。
なお、発射器は使い捨てではなく、ロケット弾を再装填して使用可能です。

右肩専用兵器

ここから、RPG-7にまつわるあれこれを適当に。

RPG-7は必ず、右肩に担いで撃つ必要があります。なぜ左肩ではダメかというと、射撃時のバックブラストが右側に偏ってしまうためです。
なので、左肩で撃つと、射手の背中にバックブラストが吹きつけられる形になり危険です。
これは、弾道安定のためにRPG-7の弾頭が緩やかに回転するようになっていることが原因で、弾体尾部の整流フィンが発射薬燃焼ガスを偏向させてしまうのです。

RPG-7の「活躍」

最近…というほど近くはないのですが、まあ、メディアへ露出したRPG-7にまつわる出来事を少し。

RPG-7は、その入手の容易さから反政府ゲリラやテロ組織でも使われるくらい、紛争においては「ポピュラー」な兵器です。
映画でも度々登場しますが、中でも、事実をもとにした映画「ブラックホーク・ダウン」では、ヘリ「MH-60ブラックホーク」2機がRPG-7で撃墜されたのを手始めに、ある意味「RPG祭り」の様相を呈していました。

ブラックホーク・ダウン」は、1993年10月のソマリア首都モガディシュにおける、米軍とソマリア民兵の間で起こった戦闘のノンフィクション小説を映画化したものです。
なお、モガディシュの戦闘では、15時間もの市街戦が生起し、米軍兵士18名が死亡、ソマリア民兵・市民は350名〜500名が殺害されたと推定されています。

もう一つ。
2001年12月の北朝鮮工作船事件(九州南西海域工作船事件)では、海上保安庁の巡視船に対して、工作員RPG-7を発射していましたね。幸い命中はしませんでしたが。
例によって例のごとく、アレな方々がフィクションみたいなノリで楽しんで熱狂してたのが印象に残ってますが、一歩間違えれば沈んでいたのは巡視船の方でした。
工作船RPG-7以外にも、アサルトライフル、機関銃、14.5mm口径の二連装機銃、さらには携行地対空ミサイルまで所持しており、海保関係者の心胆を寒からしめたといいます。
感情的というか脊髄反射みたいな反応はやめて、「真面目に」考えるべき事件なのですが、どうもアレな方々の「コンテンツ」として消費されてる感が気にかかるところです。
そういえば、2008年の台湾遊漁船と海保の船が衝突して遊漁船が沈没した事件でも、海保の意図しないアクシデントであったにも関わらず「よくやった!」と激励の電話がひっきりなしにかかってきたという話がありました。もう何がどうなってるのやら。

最後の最後でRPG-7と無関係になってしまいましたが、今日のところはこの辺で。