Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【戦争を知ろう】連合艦隊ってなに?【大日本帝国海軍】

今日はちょっと小ネタを。
最近というかここしばらく、当ブログでは太平洋戦争の話ばかりしてる感があります。真珠湾攻撃とかの記事では「連合艦隊司令長官山本五十六」がどうとかつらつらと書いたりしてるのですが、この「連合艦隊」というのが一体何なのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
そんなわけで、今日の記事は太平洋戦争関連記事の補足、連合艦隊とはなにかについて。

連合艦隊(GF:Grand Fleet)

さて、連合艦隊聯合艦隊)ですが、「連合」といっても他国と合同してる艦隊とかいうわけではありません。
では、何と何が「連合」しているかというと、大日本帝国海軍の複数の艦隊や戦隊が連合しました。二個以上の艦隊で編成されることから「連合艦隊」と呼び、海軍部内では「GF(Grand Fleet)」という略称が用いられました。

連合艦隊が初めて編成されたのは、明治27年(1894年)7月のことです。
沿岸海軍から外洋海軍へと成長しつつあった大日本帝国海軍は、当時、主力戦闘部隊である「常備艦隊」と、沿岸防備などを行う補助部隊「防備艦隊」を擁していました。
日清戦争に際して、この両艦隊を併せた戦時編制である「連合艦隊」が編成されることとなります。この連合艦隊日清戦争終結により解隊されますが、日露戦争に際して再び連合艦隊が編成されました。
以降、大正時代中期まで、大演習などに際して臨時に編成されていましたが、大正11年(1922年)に締結されたワシントン軍縮条約後に常設化し、昭和8年(1933年)には連合艦隊常設が法規により定められるに至ります。

なお、日本海軍における「艦隊」は、当初、軍艦2隻以上を集合・編成した部隊で、単独で一方面の戦争を遂行しうる戦略単位と定義されていました。しかし、大正時代に入ると、軍艦2隻以上あるいは軍艦と駆逐艦*1や潜水隊などによって予め「戦隊」を編成し、それら数個を組み合わせて艦隊を構成するようになります。

ちなみに、太平洋戦争開戦時には、海軍全10艦隊のうち、支那方面艦隊を除く9艦隊により連合艦隊が編成されました。

連合艦隊司令長官

連合艦隊司令長官は、天皇より直に任命されました。
(このような天皇に直接隷属する地位に置かれることを「直隷」するといいます。)
連合艦隊司令長官は戦闘部隊の最高指揮官であり、階級は大将または中将がつくこととなっています。
実は、第1艦隊や第2艦隊の司令長官も天皇に直隷しており、階級が大将または中将であることも連合艦隊司令長官と同様なのですが、これらの艦隊が連合艦隊に編入された場合「連合艦隊に属する艦隊司令長官は連合艦隊司令長官の指揮を受く」と規定されていました。

おまけ:航空艦隊

ついでの余談。
「艦隊」といえば、複数の艦艇で構成されるというのが普通のイメージですが、艦艇を中心としない艦隊も存在します。
航空兵力の躍進を受け昭和16年(1941年)1月に、陸上航空隊のみ数隊で構成された航空戦隊が編成されました。さらに数個航空戦隊を束ねて「第11航空艦隊」とし、海上作戦に参加させることとなります。
3ヶ月後の4月には、空母の航空戦隊数個を結集した「第1航空艦隊」なんてのも編成されました。

 

 

*1:日本海軍の定義では、駆逐艦は「軍艦」じゃありませんでした。この辺の話はこちらへ。