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【大日本帝国】陸軍の兵科と兵種および各部【陸軍】

本日記事は、日本陸軍の兵科および兵種、ついでに各部について。

陸軍と一口にいっても、歩兵部隊や戦車部隊、砲兵部隊、工兵部隊など様々な種類の部隊があり、これを大日本帝国陸軍では、「兵科」や「兵種」と呼んでいました。
(ちなみに、陸上自衛隊では「職種」とよび、歩兵部隊である「普通科」、戦車部隊/偵察部隊である「機甲科」、砲兵部隊である「特科」、工兵部隊である「施設科」などがあります。)

兵科と兵種

日本陸軍では、武官と兵を兵科および各部に分け、それぞれの専門部隊が旅団以下の部隊を形成します。
兵科とは、歩兵・騎兵・砲兵・工兵・輜重兵(しちょうへい)・航空兵大正14年新設)憲兵の7科で、これを陸軍の七兵科といいました。
(なお、歩兵・騎兵・砲兵・工兵・輜重兵の5つを「歩騎工輜重の五兵科」といいます。)

1940年(昭和15年)、憲兵科以外の兵科区分を廃止して6兵科を単一のものとし、それぞれを細分化して兵科の中の兵種としました。
以下、兵種について列記します。

  • 歩兵
  • 戦車兵
  • 騎兵
  • 騎砲兵
  • 野砲兵
  • 山砲兵
  • 野戦重砲兵
  • 重砲兵
  • 迫撃兵
  • 情報兵
  • 防空兵
  • 工兵
  • 気球兵
  • 通信兵
  • 鉄道兵
  • 輜重兵
  • 飛行兵

旧兵科との大まかな対応関係としては、歩兵・戦車兵は旧兵科でいうところの歩兵に相当します。
戦車兵〜騎砲兵は旧兵科では騎兵です。戦車兵は旧歩兵科にも相当しますので、歩兵・騎兵の双方が対応してるわけです。
同様に騎砲兵は、旧兵科の騎兵のみならず砲兵にも相当します。
野砲兵〜防空兵は、旧兵科の砲兵相当です。
工兵〜鉄道兵までは、旧兵科でいうと工兵、輜重兵はそのまんま輜重兵に相当し、飛行兵は旧兵科の航空兵です。

なお、1941年(昭和16年)には騎兵と戦車兵を合して機甲兵としています。

各部

兵科および兵種について記載しましたので、次は「各部」について。
各部とは、経理部・衛生部・獣医部・軍楽部で、のちには技術部・法務部が加わりました。
経理部・獣医部・法務部は、軍司令部や、師団司令部にある組織の名称と同じではありますが、各部としての部は、組織の名称ではなく、兵科以外の職種のくくりでした。
各部で部隊があるのは、衛生部と軍楽部のみでした。

各兵科

各兵科について、ごく簡単ながら説明しておきます。

歩兵

歩兵は、通常、徒歩で火戦・白兵戦を戦闘の手段とします。
陸軍の主兵として、小銃・機関銃・歩兵砲などをもって、戦場において直接対敵行動をとるのを主任務とし、戦闘において「最後の決着」をつける兵科です。

騎兵

騎兵は元来、騎馬による機動戦闘兵種ですが、日本軍の騎兵は、戦闘手段として乗馬戦と徒歩戦を両立させるものとしており、軽騎兵に近い性格を持っていました。
会戦前の敵情捜索、地形偵察など情報収集、会戦にあたっては奇襲や敗退する敵の追撃などを役割とします。
日本陸軍の騎兵は機械化が遅れたものの、一応、昭和8年関東軍の騎兵集団に装甲車連隊が置かれています。

砲兵

砲兵は火砲をもって戦う兵科です。
日本陸軍では、騎砲、加農砲カノン砲)、榴弾砲臼砲迫撃砲自走砲、高射砲、高射機関砲、要塞砲など、50種類もの火砲を用いていました。
伝統的な砲兵は、野戦砲兵と重砲兵に区分されますが、さらに、野戦砲兵は野戦砲兵や山砲(さんぽう)兵、騎砲兵、野戦重砲兵に分かれ、重砲兵は攻城重砲兵・要塞重砲兵に分けられます。
ちなみに、口径155ミリ、かつ重量8トンを超える大砲を重砲といい、野戦重砲兵連隊はこれを野戦に用いました。非常に重いので、自動牽引車によって牽引します。

工兵

戦場における技術兵として、築城・交通・通信・架橋・坑道・爆破・測量等の技術的作業に従事し、他兵科の戦闘行動を支援しました。また、自らも戦闘を行います。
師団に編入されない独立工兵連隊もありました。

輜重兵

輜重兵は、軍需品の輸送補給を担当する兵科です。
軍事行動においては極めて重要な兵科ですが、なぜか陸軍のなかでは最も軽視されていました。
輜重兵部隊には、将校・下士官・輜重兵のほか、多数の輜重輸卒がいました。
輸送には主に馬匹を使いましたが、日中戦争の半ば頃から一部、自動車で編成された部隊も出てきます。それでも馬匹がメインであることに変わりありませんでしたが。
馬匹については、こちらもご参照ください。

oplern.hatenablog.com

航空兵

陸軍ではじめて飛行機を飛ばしたのは1910年(明治43年)、初めて実戦に参加したのは1914年(大正3年)の第一次世界大戦における青島攻撃でした。
この辺は以前に記事にしましたので、興味のある方はどうぞ。

oplern.hatenablog.comoplern.hatenablog.com

当初、航空関係者は歩兵・工兵・砲兵・輜重兵から成り、初期における任務はもっぱら偵察でしたが、青島攻撃では、すでに空中戦らしき戦闘や爆撃らしきものも行われています。
1925年(大正14年)の第三次軍備整理(宇垣軍縮)に伴い刷新がはかられ、航空兵科の独立が実現しました。

憲兵

「軍隊の警察」であり、軍事警察権および普通警察権を執行できる軍人です。
過去に記事にしてますので、詳しくはそちらをご参照ください。

【大日本帝国の憲兵】憲兵とは【勅令憲兵】 - Man On a Mission

【大日本帝国】日本の憲兵隊組織【勅令憲兵】 - Man On a Mission

【大日本帝国】憲兵になるには【陸軍憲兵学校】 - Man On a Mission

【大日本帝国】補助憲兵・憲兵補・憲補・憲佐【憲兵】 - Man On a Mission

【大日本帝国】軍令憲兵とは【戦地の憲兵】 - Man On a Mission

主な参考資料

本記事を書くにあたり、以下の書籍を主な参考資料にさせて頂きました。

事典 昭和戦前期の日本―制度と実態