Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【大日本帝国海軍】日本海軍の各科【兵科・機関科・主計科・軍医科・etc…】

前回の記事で、日本陸軍の兵科・兵種・各部について書きました。

oplern.hatenablog.com

その流れで、本日記事は、簡単ながら海軍の兵科・機関科・主計科などの各科について。

各科

海軍には、陸軍の兵科および各部に相当するものとして兵科・機関科・航空科(飛行科)などがあり、また、各部に相当するものとして軍医科・歯科医科・薬剤科・看護科・主計科・造船科・造機科・造兵科・水路科・軍楽科などがありました。
(上記に挙げた以外にもあるのですが、時期による変遷が多く網羅しようとすると大変なので、代表的なもののみ取り上げています。あしからずご承知おきください。)

海軍軍人は、士官・特務士官・准士官下士官・兵に分かれ、それぞれいずれかの科に属することとなります。
(上記の階級(正しくは官階)についての詳細は、こちらを参照ください。特務士官についてはこちら。)

ただし、すべての科に士官〜兵までの全階級がずらりと揃っているわけではなく、例えば軍医科は士官のみ、看護科は特務士官・准士官下士官・兵のみであり士官はありません*1

それでは、以降各科について簡単な説明を。

陸軍の兵科に相当する科

兵科

兵科は、直接戦闘兵種であり、航海・大砲・水雷・無線電信・信号・操縦・航空機等に関することなどを掌る科です。
(ちなみに陸戦隊として陸上で戦うこともありました。)
士官〜兵まですべての階級がありました。
ただし、航空について士官の場合は兵科に含まれるのですが、特務士官以下は後述の航空科に含まれる形となります。ややこしい…。

機関科

機関科は、艦艇・航空機等の汽缶・機械・燃料等に関する職務に当たり、また金属工業に従事します。
こちらも士官〜兵まで全ての階級がありました。

航空科(飛行科)

航空隊において航空術を習得したものとなります。
士官は無く、特務士官以下のみの科でした。
(兵科で述べた通り、士官の場合は兵科に含まれます。)
ちなみに、1942年5月の改正により、航空科から飛行科と改称されました。

兵科への統合

1942年(昭和17年)の改正により、機関科・航空科が兵科に統合されることとなります。
これにより士官・特務士官は一本化されますが、准士官以下は、兵科の中にさらに水兵科・飛行科・整備科・工作科・機関科を設けるという形で分けられることになりました。

陸軍の各部に相当する科

軍医科・歯科医科

こちらは、士官のみの科です。
軍医科はその名の通り、傷病者の治療に当たります。歯科医科も、そのまま歯科治療ですね。
なお、歯科医科は1941年(昭和16年)5月の改正により新設されました。

薬剤科

こちらも士官のみです。そのまんま薬剤のことに当たります。

看護科

傷病者の看護にあたります。
前述の通り、看護科に士官は無く特務士官以下のみとなっていましたが、1942年(昭和17年)11月の改正により士官である衛生少佐が置かれました。衛生少佐は、特務士官の昇進先として設けられたものです。

主計科

庶務・会計・被服・糧食を担当します。こちらは士官から兵まですべての階級がありました。
ついでの余談。以前、海軍の糧食についてフルコースやらアイスクリームやらカレーやらについての記事を書いたことがありますが、炊事作業を担当するのも主計科となります。
陸軍ではすべての兵隊が輪番で炊事作業を行なうのに対し、海軍では「烹炊員(ほうすいいん)」が炊事作業を専門で担当してました。
(主計兵となったものは、全員が海兵団*2で炊事教育を受け、そののち配属された場所で烹炊員として勤務するため、主計兵全員が最初は炊事作業を経験することになります。)

造船科・造機科・造兵科

造船科・造機科・造兵科は海軍艦艇・機関・兵器の製作・修理・研究に当たりました。こちらは士官のみです。
1942年(昭和17年)11月の改正により、技術科に一本化されました。この際、技術科特務士官以下も新設されたようです。

水路科

水路科は、水路の測量・水路図面の調整に当たります。こちらも士官のみ。
造船科等と同じく、1942年(昭和17年)11月の改正により技術科に一本化されました。

軍楽科

軍楽を奏し、また戦闘に際しては伝令・弾薬輸送・負傷者運搬も行います。こちらは特務士官以下だけでしたが、看護科同様、1942年(昭和17年)11月の改正により士官である軍楽少佐が置かれ、特務士官の昇進先となりました。

最後に

さて、海軍の各科について簡単ながら述べてきました。
冒頭でも書いた通り、海軍の各科は改正が多くて結構めんどくさいです。各時期を網羅しようとすると大変なので、代表的なものを例示するのにとどめています。ごめんなさい。
各科の変遷にすごく興味がある方は、是非ご自身で追いかけてみてください。アジ歴で「海軍武官官階」とか「大正九年 勅令第十号」とかのキーワードで漁ると結構引っかかると思います(いい時代になりました…)。

ところで、しばらく前に海軍の階級について記事を書いたのですが、その際、海軍階級制度は割とややこしいので、わかりやすくするため面倒な部分はカットしてたりします。

「面倒な部分」には、将校と将校相当官とか、特務士官とか、指揮権の継承なんかがあるのですが、特務士官については既に取り上げました
将校と将校相当官および指揮権の継承については、前提として各科の知識が必要となるのですが、今回めでたく?各科の話を終えましたので、次回で取りあげたいと思います。

主な参考資料

本記事を書くにあたり、以下の書籍を主な参考資料にさせて頂きました。

事典 昭和戦前期の日本―制度と実態

 

 

*1:後に特務士官の昇進先として士官である衛生少佐が置かれました。

*2:日本海軍の志願兵や徴集兵に対し基礎教育を行なう機関。