Man On a Mission

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【大日本帝国】陸軍の将校/将校相当官【兵科将校と各部将校相当官】

前回、海軍の将校/将校相当官について取り上げました。

oplern.hatenablog.com

以前に陸軍階級についての記事を書いた際には、わかりにくくなるかと思ってカットしてたのですが、実は、陸軍にも将校/将校相当官がありますので、ついでに説明しておきます。

陸軍における将校/将校相当官

陸軍には、歩兵・騎兵・砲兵などの「兵科」と、経理部・衛生部・獣医部などの「各部」があります。
これらについて詳しくは、以前記事にしてますので、そちらをご参照ください。

oplern.hatenablog.com

陸軍では、兵科/各部のうち、兵科の将官・佐官・尉官を「将校」、各部の将校に相当する階級を「将校相当官」と呼んでいました。
兵科の将官・佐官・尉官に相当する階級は、各部ではそれぞれ「将官相当官」・「上長官」・「士官」と呼んでいます*1
また、各部の将校相当官は、上長官・士官をそれぞれ一等・二等・三等に区分しています。
少尉やら中佐やらといった呼称は用いず、例えば経理部では三等主計(少尉相当)・二等主計(中尉相当)・一等主計(大尉相当)、衛生部では三等〜一等軍医とか三等〜一等薬剤官獣医部では三等〜一等獣医というように各部それぞれの呼称をつけていました。
なお、佐官相当官は各部呼称の後ろに「正」をつけます。三等主計正であれば少佐、一等主計正であれば大佐に相当します。
また、少将相当は「監」、中将相当は「総監」とつけました。主計監、主計総監と言った具合ですね。なお将校相当官には大将相当の階級はありません。

さて、1936年(昭和11年)、将校相当官という呼称は廃止され、兵科も各部も軒並み将校と呼ばれるようになります。
併せて「上長官」という語はなくなり、また、「士官」も将校そのものを指すようになりました*2
二等主計やら一等主計正やら主計監やらといった呼称も、兵科将校と同じく「中尉」とか「大佐」、「少将」という呼称に変わります。
これら階級には、頭に各部それぞれの呼称がつけられ、例えば経理部では主計中尉とか主計大佐、法務部では法務大佐とか法務中将といった具合になります。
ただし、各部の最高位は中将のままであり、大将位は設けられませんでした。

 

 

*1:兵科でも、上長官・士官という呼称が使われることがありました。

*2:とはいえ、その後も「士官」は習慣的に尉官を指すことが多く、またそもそもあまり使われませんでした。