Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【世界のマイナー特殊部隊】特殊任務旅団Recce(レキ)【南アフリカ共和国】

前回前々回と、世界のマイナー戦争犯罪について書きました。これらは一応シリーズ記事となっています。

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南京事件とかユダヤ人虐殺のような有名な戦争犯罪は、いろんなところでよく取り上げられますが、戦争犯罪には(当然ながら)一般にはあまり知られていないものも多数あります。
上記「世界のマイナー戦争犯罪」シリーズは、そういった知られざる戦争犯罪について取り上げようという趣旨で書いたものです。

ところで、当ブログでは、過去にいくつかの特殊部隊について取り上げています。
最近のものでは、イタリアの特殊部隊COMSUBIN(コムスビン)についての記事を書きました。

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有名どころの米デルタやら英SASと違い、COMSUBINは一般にはあまり知られていない、ややマイナーな特殊部隊と言えると思います。
で、当ブログでは冒頭で述べた通り「世界のマイナー戦争犯罪」というシリーズ記事を書いてますので、ついでというには無理筋ですが、せっかくだから(?)「世界のマイナー特殊部隊」なんてシリーズも書いてみようと思い立ちました。

……ということで、今回は世界のマイナー特殊部隊シリーズ第1弾、南アフリカ共和国の特殊部隊であるRecce(レキ)について。

Recceこと南アフリカ国防軍特殊任務旅団

アパルトヘイト時代の南アフリカは、常に周辺の黒人国家のゲリラによるテロや低烈度紛争の危機にさらされていました。
そのような背景のもと、1972年に第1偵察コマンド(1 Reconnaissance Commando)が編成されます。第1偵察コマンド、通称「第1レキ」は、敵の浸透を早期に察知するため敵領に潜入して偵察活動を実施し、必要なら敵の集結地点や拠点などに対して急襲を行なうことを主任務としていました。

第1レキは、編成以来ゲリラとの戦闘や暴動鎮圧などで練度を高めていき、また、1978年までには、第2〜第5偵察コマンド(第2〜第5レキ)が編成されています。1980年には、隣国ジンバブエを支配していたローデシア白人政権が崩壊したため、居場所を失ったローデシアSASの隊員を基幹に第6偵察コマンド(第6レキ)が編成されました。
これらの部隊は、1970年代から1980年代にかけて生じたいくつかの紛争で大きな戦果を挙げています。

1981年、各レキは陸軍の手を離れて南アフリカ国防軍司令部直轄となりましたが、後、1991年には陸軍総司令部内に国防偵察部が創設され、各レキを統合した第45空挺旅団が置かれることとなりました。
さらに後、1994年。南アフリカ政府のアパルトヘイト政策の廃止により、白人中心だった南アフリカ国防軍が再編成され、第45空挺旅団は1996年に特殊任務旅団(通称Recce)へと改名されています(とはいえ、任務に変更はありません)。

Recceは、様々な規模の戦闘を多数経験してきたことから、世界屈指の実戦経験を持つ特殊部隊の一つに数えられています。
隊員選抜訓練についてもSAS並の厳しさといわれ、特にサバイバル訓練は、サバンナをフル装備で数十キロ行軍しなければならない苛酷なものだそうです。