【日本軍の給料】日本陸軍 憲兵の給料【番外編】
しばらく前から取り上げている日本陸軍の給料について、一段落したとか言いながらも、しつこくもう少しだけ続きます。
前回は、番外編として軍楽部の給料について取り上げました。
今回も番外編。憲兵の給料について。
憲兵とは
一応、最初に憲兵について簡単な説明を。
一般的な「憲兵」は、軍組織内の法秩序維持をおもな任務とする兵科または軍人で、軍に関する司法・行政警察機能を担います。
具体的な任務は、軍内部の犯罪捜査や防止、軍刑務所等の管理、軍事施設の警備、防諜、軍交通の整理などですが、これらに関しては国ごとの差異が大きく、軍隊内にとどまらず広く一般警察業務を行なういわゆる「国家憲兵」なんてのもあります。
旧日本軍の憲兵も国家憲兵で、軍事警察でありながら、行政警察・司法警察でもあり、その所属はそれぞれの職務遂行毎に、陸軍・海軍大臣、内務大臣、司法大臣からの指揮を受けるものとされました。
(実際には、内務省に関わりなく独自に行動介入することも珍しくなかったようです。)
日本軍憲兵については、過去に記事を書いてますので、詳しくはそちらをご覧ください。
日本陸軍憲兵の給料
さて、本題の日本陸軍憲兵の給料についてですが、実の所、将校については他兵科と一緒です。
なので、憲兵将校についてはこちらの記事を参照下さい。
准士官、下士官、兵についても本俸は他兵科と同じなのですが、こちらには憲兵を対象とした加俸がありました。
というわけで、今回記事は准士官以下の憲兵について、どういった加俸があり、それがいくらだったかというのが主題となります。
なお、以下に掲載する給料・加俸は、1934年(昭和9年)時点のものです。
准士官以下の憲兵給料一覧
今までの陸軍給料の記事と重複になりますが、一応、准士官以下の各階級ごとの給料を掲載しておきます。
准士官(年額)
下士官(月額)
曹長(一等):39円
曹長(二等):34円50銭
曹長(三等):30円
軍曹(一等):22円50銭
軍曹(二等):18円
軍曹(三等):15円
軍曹(四等):13円50銭
伍長(一等):10円50銭
伍長(二等):9円
兵(月額) ※憲兵兵は上等兵以上のみ
各種加俸
今回のメイン。
准士官以下の憲兵に関係する各種加俸について取り上げます。
憲兵加俸
憲兵准士官・下士官・上等兵には、憲兵加俸が支給されました。
金額は7円50銭(月額)です。
通訳加俸
陸軍給与令第8条5号「憲兵准士官下士官上等兵ニシテ通訳ヲ命ゼラレタル者」には通訳加俸が支給されます。
技能により、一等〜四等まで区分されました。以下、支給金額(月額)。
一等:5円
二等:4円
三等:3円
四等:2円
営外加俸
営外加俸は、下士官兵が兵営外に居住する場合に支給されます。
これは憲兵に限ったものではないのですが、他の兵科では営外居住するのは概ね古参曹長くらいだったのに対し、憲兵の場合、下士官兵の多くが営外居住していました。
そんなわけで、憲兵と関係が深い加俸ですので、ここに掲載しておきます。以下、支給金額(月額)。
曹長(一等):28円
曹長(二等):29円
曹長(三等):30円
軍曹(一等):33円
軍曹(二〜四等):35円
伍長(一〜二等):35円