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【日本軍】日本陸軍軍人 給料一覧【まとめ】

しばらく前から延々と、大日本帝国陸軍の軍人の給料について書いてきました。
結構長いことかかりましたが、今回でひとまず終わりです。
以下、記事一覧。

【日本軍】陸軍将校 階級別の給料一覧【俸給】 - Man On a Mission

【日本軍】陸軍准士官の給料【特務曹長の俸給】 - Man On a Mission

【日本軍】陸軍下士官 階級別給料一覧【曹長・軍曹・伍長】 - Man On a Mission

【日本軍】陸軍兵士の給料一覧【上等兵・一等兵・二等兵】 - Man On a Mission

【日本軍】日本陸軍の給料 おまけ【加俸・手当】 - Man On a Mission

【日本軍の給料】日本陸軍 軍楽部の給料【番外編】 - Man On a Mission

【日本軍の給料】日本陸軍 憲兵の給料【番外編】 - Man On a Mission

思ったより記事数が増えてしまったので今回記事はそのまとめということで、将校・准士官下士官・兵とそれぞれ別記事となっていた給料一覧を再掲しておきます。あと、補足も少々。

日本陸軍軍人 給料一覧

掲載する給料は、いずれも1934年(昭和9年)時点のものです。
(なぜ昭和9年かというと、昭和ひとけた前期のデフレが終わり、かつ、日中戦争開戦(昭和12年)より前という、「特殊な時代背景」となる要素が少ない時期だからです。)
ちなみに日本陸軍では軍人の給料のことを、准士官以上は「俸給」、下士官兵は「給料」、士官候補生やら見習士官やらの「諸生徒」の場合は「手当金」と言っていました。
給料一覧は、将校・准士官下士官・兵で区分して掲載します。なお、いずれも詳細についてはリンク先をご参照下さい。

将校(年額)

【日本軍】陸軍将校 階級別の給料一覧【俸給】 - Man On a Mission

まずは、上記記事より将校の給料一覧を。なお、日本陸軍では「兵科」の将官・佐官・尉官を「将校」、経理部・衛生部・獣医部など「各部」の将校に相当する階級を「将校相当官」と呼んでいました。この将校相当官の俸給は、軍楽部を除いて将校と同じです。
以下に俸給一覧を掲載しますが、これらは年額となっています。

大将:6600円

中将:5800円

少将:5000円

大佐:4150円

中佐:3220円

少佐:2330円

大尉(一等):1900円
大尉(二等):1650円
大尉(三等):1470円

中尉(一等):1130円
中尉(二等):1020円

少尉:850円

准士官(年額)

【日本軍】陸軍准士官の給料【特務曹長の俸給】 - Man On a Mission

次に上記記事より准士官の給料一覧を。日本陸軍准士官は、1894年(明治27年)から独立した階級で「特務曹長」という名称でした。1936年(昭和11年)からは准尉という名称になっています。
以下俸給一覧。こちらも年額です。

准士官(一等):960円
准士官(二等):900円

下士官(月額)

【日本軍】陸軍下士官 階級別給料一覧【曹長・軍曹・伍長】 - Man On a Mission

曹長・軍曹・伍長といった下士官の給料一覧です。こちらは月額となっています。

曹長(一等):39円
曹長(二等):34円50銭
曹長(三等):30円

軍曹(一等):22円50銭
軍曹(二等):18円
軍曹(三等):15円
軍曹(四等):13円50銭

伍長(一等):10円50銭
伍長(二等):9円

兵(月額)

【日本軍】陸軍兵士の給料一覧【上等兵・一等兵・二等兵】 - Man On a Mission

兵士の給料一覧。こちらも月額です。

伍長勤務上等兵:7円

上等兵:6円40銭

一等兵二等兵:5円50銭

教化兵:2円75銭

諸生徒(月額)

ただ一覧をまとめただけというのも何なので、ついでに士官候補生やら見習士官やらの「諸生徒」に対する給料(手当金と呼称、月額)を一部掲載しておきます。

士官候補生:6円50銭

幹部候補生:5円50銭

見習士官:16円

経理部委託学生:45円

士官学校予科生徒:4円

もっと知りたい方は、アジ歴で陸軍給与令を見て下さい。

当時の物価

参考まで、当時の物価についても少し挙げておきます。

もりそばやコーヒー1杯:10銭

天丼:30銭

米10キロ:2円

「改造」や「文藝春秋」など総合雑誌:50銭くらい

映画館入場料:いい席から三段階。2円、1円、50銭

新聞1ヶ月:1円

借家(3室):13円〜32円くらい

なお、当時の物価を現代価値に換算するには、2000倍にするというのが一応の目安となります。
ちなみに、当時、収入のひとつの「基準」といわれていたのは「月収100円」または「年収1200円」でしたが、実際の昭和6年の勤労者世帯収入は80円(現代換算:16万円)程度です。
さらに、当時、国民の半数を占めた農家の場合は45円(現代換算:9万円)でした。
基準とされた「月収100円」でも現代価値に換算(2000倍)すると20万円で、これは現代のそれを大分下回っています。現代の日本国民の多くは戦前よりも裕福に暮らせているわけですね。まあ、現在アレ政権のもとで格差拡大中貧困増大中ですので、今後どうなるかはわかりませんけども。

加俸・手当など

上記に掲載した俸給・給料・手当金は、いずれも「基本給」とでもいうべきもので、各種加俸や手当なんかは含まれてません。
各種加俸や手当などについては、下記記事で(一応)取り上げています。

【日本軍】日本陸軍の給料 おまけ【加俸・手当】 - Man On a Mission

加俸や手当などは結構な種類があり、上記記事はそのうちのいくつかを取り上げたものです。
もっと知りたい方は、アジ歴で陸軍給与令や部隊給与令を検索してみてください(こればっかり)。

今回のまとめでは、上記記事などからいくつか再掲しておきます。

北海道在勤加俸(月額)

勤務地によって加えられるのが在勤加俸です。
以下、北海道に勤務する場合に支給される北海道在勤加俸の一覧を(月額)。

中将:33円50銭
少将:22円30銭

大佐:18円
中佐:15円70銭
少佐:13円40銭

大尉:8円70銭
中尉:7円70銭
少尉:7円

准士官:6円50銭

曹長:4円
軍曹:3円
伍長:2円50銭

下士官勤務諸兵・上等兵:2円

営外加俸(月額)

古参の曹長や、憲兵下士官兵は兵営外に居住することがあり、その場合は営外加俸を受けました。
営外加俸は、以下の通り(月額)。

曹長(一等):28円
曹長(二等):29円
曹長(三等):30円

軍曹(一等):33円
軍曹(二〜四等):35円

伍長(一〜二等):35円

伍長勤務上等兵:35円40銭
上等兵:36円

下士官退営賜金

陸軍給与令第17条の2によるもので、5年以上、営内に居住した下士官が、下記に該当した場合にもらえるのが下士官退営賜金です。

  • 准士官になった
  • 役満期もしくは現役免除
  • 免官または死亡
  • 営外居住の職務に移る

12年:500円(北海道:660円)
11年:420円(北海道:560円)
10年:360円(北海道:480円)
9年:300円(北海道:400円)
8年:240円(北海道:320円)
7年:180円(北海道:240円)
6年:120円(北海道:160円)
5年:60円(北海道:80円)

下士官の初任手当

陸軍給与令第17条の4によるもので、初めて現役下士官となったものに初任手当として20円が支給されます。
(ただし、幹部候補生および操縦候補生が下士官となる場合は対象外です。)

その他

軍楽部の給料

先に、将校と将校相当官の俸給は軍楽部を除いて同額と述べました。
では、軍楽部の将校相当官はいくらもらっていたかというと、これは下記記事にて書いています。

【日本軍の給料】日本陸軍 軍楽部の給料【番外編】 - Man On a Mission

上記から将校相当官の俸給を再掲しておきます(年額)。

一等楽長(一等):2150円
一等楽長(二等):1900円
一等楽長(三等):1750円

二等楽長(一等):1540円
二等楽長(二等):1390円

三等楽長(一等):1240円
三等楽長(二等):1130円

憲兵への加俸

憲兵准士官下士官・兵には憲兵加俸がつき、また、通訳を命じられた者には通訳加俸がつきました。

【日本軍の給料】日本陸軍 憲兵の給料【番外編】 - Man On a Mission

憲兵加俸は准士官下士官・兵、どれも一律7円50銭(月額)です。
通訳加俸は技能により、一等〜四等まで区分され以下の通りでした。こちらも月額です。

一等:5円
二等:4円
三等:3円
四等:2円

最後に

延々と日本陸軍の給与について書いてきましたが、これでいったん終わりです。長かった…。

以下、給与の話から割とずれてしまうのですが、最後にちょっと余談を。

今回取り上げた給与は1934年(昭和9年)時点のものですが、これより5年前の1929年(昭和4年)にはニューヨーク株式市場大暴落による不況が起こっています。
その2年後、1931年(昭和6年)には満州事変が起きており、この満州事変による軍事費支出が不況脱出に大きく貢献したと考える人が多いのですが、経済史家の三和良一氏は、軍事費の景気刺激効果は初期の一時的なものに過ぎないとしてこれを批判しています。

この「戦争は儲かる」というイメージは結構根深いものがあって、事変当時の日本人にも戦争による景気回復を期待する声が目立ちましたし、また、日本陸軍に至っては戦争や軍事費に対する大衆の支持を得るため、戦争の経済効果を強調したりもしていました。

陸軍のやり口はさておいて、大衆の認識と、実状との間にズレが生じるのはよくあることですが、この「大衆の認識」が一人歩きして専門家にすら影響を与えることも割とありますので、要注意です。まあ、最近の風潮だと、体制側に与した「専門家」やら「識者」が、「大衆の認識」を実状からズレさせようとすることが多いようですが。