ITパスポート試験についての考察 その2

さて、前回に引き続いてITパスポート試験について少し考えてみます。
前回予告の通り、ITパスポートの勉強方法について少々。

なぜこんな記事を?

今さらですが、勉強方法の前に記事を書いた理由について。
前回記事で書いた通り、ITパスポートはIT企業においてはあまり評価されません。
私の勤め先はIT企業ですので、当該試験にはあまり接点がないんじゃないかと思われるかもしれません。

 しかし、私の所属部署には技術者以外の人員が結構おり、また、運用オペレータの新人は、ITに関する知識をさほど持たずに入社することも多いです。そのため所属部署としては、これらの方々にITパスポート試験を推奨しています。

十把ひとからげに推奨していますが、当然上記の方々も、ITの知識量には個々人で結構差があります。
また、ITパスポートで問われるのは、普通のPCの使いかたではなく、情報処理技術やシステム開発、システム戦略などの基礎的知識です。そのため、PCの使い方やExcel操作に慣れているような人でも、結構苦戦することがあったりします。

で、私は情報処理技術者試験だけは、そこそこな数をこなしてますので、試験について相談を受けたり、要望を受けて試験対策の説明会を開いたりすることが時々あります。
これらの相談や説明会で、私なりに「こうしたらいいんじゃない?」と話すのですが、毎度同じようなことをいってますので、少し当記事にて明文化してみようかと思います。

ただし、私がITパスポートを受験したのはかなり前のことなので、出題の細かい部分については触れず、あくまでも勉強のやり方についての記事となります。
割と当たり前のことばかり書くかもしれませんが、試験勉強にブランクがあると、勉強のやり方自体を忘れていることがありますので、思い出す多少のきっかけになると嬉しいです。

勉強にあたってのお題目

さて、ITパスポートに合格するためには何が必要となるでしょうか。
私は、勉強にあたって、以下の必要性を意識化するよう促しています。

  • 必要知識の習得
  • 問題を解くための練習

ITパスポートの勉強において、時折、テキストだけを熟読しまくる人、過去問だけをやり込む人がいて、それで合格できれば良いのですが、上手くいかないケースがちらほら見られます。
前者は、知識だけは身についても、問題を解く練習をしないため、実際の試験の得点につなげられません。
後者は、過去問練習をひたすらやり込むものの、知識の習得が不十分なため、効果が出ません。
(試験カンがあったり、元々それなりに知識がある人なら、上記の勉強でもいけたりしますが。)

特に多いのは、テキストでの勉強にこだわりすぎて、過去問での練習が十分でない人です。
ITパスポートは結局は試験なので、その勉強の主目的は、安定して合格ラインを上回る得点力を身につけることであり、過去問練習は重要です。
この辺、別の試験でも同じことが言えますが、「合格する」ためにどう勉強するかをちゃんと意識しましょう、ということをよく話します。

ちなみに本節タイトルの「お題目」ですが、デジタル大辞泉によれば"口先だけで、実質のともなわないこと"だそうです。
本当にお題目で終わらないよう、続いて実際の勉強のやり方について書いていきます。

実際の勉強のやり方

では、実際にはどのように勉強するか?
私が推奨するのは、以下のやり方です。

  1. 試験対策本(テキスト・参考書)をざっと読む。あまり細部に拘泥しない。
  2. 適当な年度の過去問で演習を行なう。
  3. 演習結果を踏まえて今後の勉強のやり方を決定。
  4. 勉強後、再度、項番2に戻って繰り返す。

以下順に詳細を。

項番1 試験対策本(テキスト・参考書)をざっと読む。あまり細部に拘泥しない。

とりあえず、試験対策本をざっと読みます。あまり細部に拘泥しないで、一通り読みます。
この時点でしっかり細部まで読み込んでも、あまり身につかない(=試験に対応できない)と思います。

項番2 適当な年度の過去問で演習を行なう。

適当な年度の過去問を選んで演習を行ないます。直近2回分くらいは、もう少し後に取っておきたいので、3~5回前くらいの過去問がいいんじゃないでしょうか。
この演習では、ITパスポートの公式サイトから過去問をダウンロードして、一気に解きます。1問解くごとに正解を覗いたりはしません。

項番3 演習結果を踏まえて今後の勉強のやり方を決定。

演習を終えたら採点して、全体的にどの程度得点できているのか?各分野ごとでどの程度得点できているのか?を確認します。
出来れば、解答が分からず当てずっぽうで正解した問題については、「間違い」としてカウントしてください。

この採点結果を踏まえて、今後の勉強方法を検討します。

全体的な得点数が低ければ(4割に満たないとか)、再度、試験対策本を頭から読むと良いでしょう。

4割~5割とか、ある程度得点できているのであれば、解答が分からない/間違えた問題について、必要となる知識を補填し、なぜその選択肢が正解/間違いなのか説明できるようにします。

特定分野の正解率が悪くて合格基準に到達できなければ、まあ、当たり前ですが苦手分野の克服に努めます。これも正答率によって、試験対策本で当該分野を再読するか、過去問での練習を中心とするか検討します。

合格基準を超えていた場合は、その結果が安定的に出せるのか、別の年度の過去問演習で確認してください。
ギリ超えてるとかだと不安なので、その場合はさらなる正答率向上のため、解答が分からない/間違えた問題について、必要となる知識を補填し、なぜその選択肢が正解/間違いなのか説明できるようにします。

なお、解答が分からない/間違えた問題についての勉強については、試験対策本や下記サイトの解答解説をご活用ください。

www.itpassportsiken.com

ただ解答解説だけでは不十分なこともありますので、必要に応じて試験対策本の該当箇所を読み込んだり調べてみたりしてください。

項番4 勉強後、再度、項番2に戻って繰り返す。

項番3で決めたやり方で勉強したら、再度項番2に戻って繰り返します。
安定的かつ余裕をもって合格規準を超えられるならば、覚悟完了勉強完了ですので、とっとと試験を受けましょう。

以上が私の推奨するやり方です。
まあ、ITパスポートに限らないというか、他の情報処理技術者試験でも同じなんですけどね。

最後に

で、最後に芋を引くようなことを言って申し訳ないのですが。上記の勉強法はあくまでも、私が推奨するやり方であり、万人に適するものではありません。
試験対策というものは、個々人で状況が異なるので、どうしても、それぞれの状況に合わせて自分で方向性を調整する必要があるからです。

職場で相談された折に一貫して言い続けているのですが、合格するための手段を考えつつ勉強しましょう、ということですね。
「言われるまでもねえよ、そんなこと」と罵られそうな締め方になってしまいましたが、うるせえバーカご容赦願います。
それでは今日はこのへんで。