Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【太平洋戦争】沖縄戦の負傷者と女子学徒隊【慰霊の日】

本日6月23日は、「慰霊の日」です。
「慰霊の日」は、沖縄県が記念日として定めているもので、1945年6月23日に、太平洋戦争における沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなんでいます。
沖縄戦の犠牲者の追悼・慰霊および平和の希求を目的として1974年に県令として施行されました。

そんなわけで、本日は沖縄慰霊の日にちなんだ話を。
前回、日本陸軍の衛生部・衛生システムについて取り上げたので、その流れに絡んで、沖縄戦で負傷兵や衛生関係者らに何が起こっていたのか、女子学徒隊の経験を中心にいくつか取り上げてみます。

なお去年の慰霊の日は、沖縄戦での、組織的戦闘が終わるまでの最後の数日間の経緯と、いくつかの村の犠牲者数について書きました。

oplern.hatenablog.com

また、沖縄戦については以下のような記事も書いてます。

oplern.hatenablog.com

併せてお読みいただけると幸いです。

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【大日本帝国】陸軍衛生部と衛生システム【衛生兵・野戦病院】

前回記事では、戦争との関係が深い薬剤、ペニシリンとサルファ剤について書きました。

oplern.hatenablog.com

第二次大戦ごろまで、戦傷者が感染症により死亡するケースは少なくありませんでした。
傷口から細菌が体内に侵入・感染すると、急速に皮膚や筋肉に壊疽(体組織の壊死)が広がり全身状態を悪化させます。手足に受けた銃創でも、早期に壊死部分を切除しなければ死に至る恐れがあるため、切断することが多くありました。
ペニシリンとサルファ剤はこういった感染症に大きな効果を発揮する薬剤であり、多くの戦傷者の命を救っています。

感染症ペニシリン・サルファ剤を例にあげるまでもなく戦争と医療・衛生は切っても切れない関係にあるのですが、それにも関わらず、軍事関係の話題において戦時医療が語られることはあまり多くありません。
軍隊・戦争における衛生管理は、倫理的・人道的な面だけでなく人員や士気の維持といった戦力管理の観点からも非常に重要なものです。近年、様々なメディアで軍事……というか兵器やら軍隊やらの話題が取り上げられることが増えましたが、その割に傷病・医療・衛生について語られることが少ないのは片手落ちと言えるのではないでしょうか。戦時医療ガチだかんな。

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ゴンゾくん

……などと、さも「俺は違う」みたいにオラついたことを言ってしまいましたが、実は当ブログも戦時医療そのものを取り扱った記事はありません。

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衛府の七忍より

一応、戦時医療に関係する記事は以下が挙げられるでしょうか。

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

後は、日本陸軍の生活を語る「ぐんたいぐらし!」というシリーズ記事での、衛生関係のもの(風呂とか洗濯とかトイレとかごみ処理)くらいですね。とはいえ、これにしても、衛生自体が中心の記事ではありません。

イキっといてなんですが、今回記事も戦時医療そのものではなかったりします(とはいえ割と関連性は高いんじゃないかと)。
本日は、日本陸軍の衛生部と衛生システムについて。

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【戦争と医療】ペニシリンとサルファ剤【感染症】

前回、ナチスドイツによるチェコでの戦争犯罪、リディツェ村の虐殺・破壊について取り上げました。

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当該事件は、チェコスロヴァキア亡命政府によるナチス高官ラインハルト・ハイドリヒ暗殺への「報復」として行なわれています。
(リディツェ村における虐殺・破壊の詳細については上記記事をご参照ください)
暗殺実行犯はヨゼフ・ガプチイク、ヤン・クビシュの2名ですが、襲撃時、ガプチイクはステン短機関銃がジャミングを起こしたため射殺に失敗、クビシュが投げた手榴弾によりハイドリヒが負傷するという結果に終わりました。
榴弾によるハイドリヒの負傷はそれほど深刻ではなかったものの、感染症を発症し襲撃から8日後の6月4日に死亡しています。直接の死因は感染症であり、襲撃は間接的死因でしかなかったわけですね。

以前、銃弾による人体へのダメージについて書いた記事でも触れたのですが、第二次世界大戦ごろまでは、手足に銃創を受けると、その多くは治療のため切断せざるを得ませんでした。
これは細菌が傷口から体内に侵入し、筋肉など身体の一部の組織が壊死する感染症を引き起こすためです。
細菌に感染すると、急速に皮膚や筋肉に壊疽(体組織の壊死)が広がり、局所に悪臭のあるガスを発生して全身状態を強く悪化させます。この進行は急速であり、早期に壊死部分を切除しなければ死に至る確率が高かったのです。細菌感染症は最大死因の1つに数えられるほどで、重症化すると医者にもなすすべがないというのが実情でした。
(ちなみに、沖縄戦の証言では負傷による四肢切断の話が多く見られます)

なお、第二次大戦後は、抗生物質をはじめとする医学の発展により、戦傷における四肢切断が減少してるのですが、近年は小銃弾の高性能化や戦闘の様相変化などにより、再び四肢切断が増加する傾向にあります。

さて、今回はそんな話を踏まえて、世界初の抗生物質であるペニシリンと、ついでに、現在においては忘れられがちながら、社会に大きな影響を与えたサルファ剤について少々。アメリカの戦争映画なんかでは、負傷者になにやら粉末をふりかけてるシーンがちょくちょく出てきますが、あの粉末がサルファ剤です。
プライベートライアンとか、バンドオブブラザーズの6話目とか)

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【世界のマイナー戦争犯罪】チェコ リディツェ村の「報復」破壊【ナチスドイツ】

本日記事は「世界のマイナー戦争犯罪*1」シリーズ14回目、ナチスドイツの戦争犯罪について取り上げます。

「世界のマイナー戦争犯罪」シリーズは、日本軍による南京事件ナチスドイツのユダヤ人虐殺といった有名どころの戦争犯罪は脇に置いといて、あまり知られていない戦争犯罪を取り上げてみようという企画です。

今回は、第二次大戦時、ドイツ統治下のチェコで起こったナチス高官ラインハルト・ハイドリヒの暗殺事件と、それに対する「報復」として行なわれたリディツェ村での虐殺・破壊について。
なお、ラインハルト・ハイドリヒについては、最近「ナチス第三の男(原作小説「HHhH プラハ、1942年」)」として映画化されました。ハイドリヒ暗殺事件は、1976年にも「暁の7人」という映画になっています。
そういう背景もあって、リディツェ村での虐殺・破壊を「マイナー」として取り扱うか一瞬迷ったのですが、気にしないことにしました。まあ、割とマイナーなんじゃないかということでなんとかご了承下さい。

*1:実のところ、一口に「戦争犯罪」といってもその定義はあまり明確ではありません。狭義の戦争犯罪としては、ハーグ陸戦規定などの戦時国際法規に違反する民間人や捕虜への虐待・殺害・略奪、軍事的に不必要な都市破壊などが挙げられますが、一般的には、これに含まれないユーゴスラヴィアルワンダ内戦での虐殺、ナチスドイツのアウシュヴィッツなんかも戦争犯罪とされています。当ブログではあまりこだわらず、一般的イメージとしての「戦争犯罪」を扱いますのでご承知おきください。

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【戦後日本】日本軍憲兵と公職追放【GHQ】

前回、日中戦争・太平洋戦争期の日本軍憲兵による戦争犯罪について取り上げました。

oplern.hatenablog.com

今回も日本軍憲兵の記事ですが、戦争犯罪からは離れた話となります。
当ブログには、日本軍憲兵関連の記事がそこそこあったりするのですが、以前に書いた記事では、終戦間際に行なわれた憲兵の大増員について少し触れました。

oplern.hatenablog.com

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その大増員との関連ははっきりしないものの、最近ある書籍にて、終戦間際に短期間(1ヶ月半)憲兵となりそれが災いして公職追放されてしまったという証言を見つけましたので、紹介します。

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