【在日米軍編】軍事趣味者は基地公害の夢を見るか?【軍事環境問題】

軍事環境問題についての記事、2回目です。
前回予告通り、今回は日本における在日米軍の環境汚染/基地公害問題について。

欧州なんかだと環境問題に対する関心が高い傾向にありますが、対して日本では環境問題についての偏見が根強く、何も知らないのに「偏向した連中が大げさに騒ぎ立ててるだけ」なんて受け止め方をする人が多いようです。
米軍基地公害なんかだと、盲目的に米軍を擁護しちゃう方も多々見られたりしますね。
ところが、そういう人が中国における環境問題については、大喜びであげつらったりしますので不思議でなりません*1

ともあれ、前回は、アメリカ国内での米軍による環境汚染を中心に取り上げました。

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日本では、基地公害が発覚しても大勢の日本国民が無理やり擁護しちゃうくらいに大人気な米軍様ですが、さて、そんな米軍様はどのように日本の国土を汚染なさったり、日本国民の健康に悪影響を与えておられるのでしょうか。

*1:そういや、新型コロナもそんな感じですね。

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【アメリカ編】軍事趣味者は基地公害の夢を見るか?【軍事環境問題】

年が変わり2021年になりました。
なったのですが、だからどうだということもなく、正月ごときは何事もなかったようにスルーしていつもの通り辛気臭い話を。

今回は米軍の活動や基地がもたらす公害/環境被害について。
結構大きなテーマですので、当ブログで網羅的な取り上げ方はしないし出来ません。興味がある方は、記事末尾の書籍をお読みいただくなり、軍事環境問題についての文献や論文を探すなりしてみてください。

今回はアメリカにおける軍事環境問題を、次回は日本における在日米軍の基地公害問題を取り上げる予定です。もしかしたら2回で収まらないかも。

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【太平洋戦争/大東亜戦争】せっかくだから俺はこの〇〇〇を選ぶぜ【呼称】

本日は12月8日、太平洋戦争開戦の日です。
79年前の今日、英領マレー半島への上陸および真珠湾攻撃をもって太平洋戦争が勃発しました。

当ブログでは、12月8日にできるだけ太平洋戦争開戦にちなんだ話を挙げるようにしています。
とはいっても、まだ一昨年、去年の2回しか挙げてないのですが。

oplern.hatenablog.com

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今年も太平洋戦争開戦にちなんだ話を、と思ったのですが、残念ながらあまり時間がとれませんでした。
なので本日は小ネタ。太平洋戦争「開戦」にちなむといってよいのか微妙感はありますが、太平洋戦争の呼称について少々。
時間もないことだし、あまり込み入った話はしませんのでその旨ご承知おきください。

なお、記事タイトルは例のゲームのオマージュです。なんだこのドカ貧は懐かしいですね。ちなみにゲームの発売は1996年なのですが、なんと2018年にサントラが出ています。
こちらにその経緯がありました。)

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【BCG・療養所】日本軍vs結核【結核対応その後】

世の中には、紛らわしいタイトルの映画が多くあります。例えば「ゴーストバスターズ」と「ゴーストハンターズ」。
ゴーストバスターズ」は原題そのままですが、「ゴーストハンターズ」の原題は「Big Trouble in Little China」と似ても似つかない名前なので、邦題で紛らわしくされた形ですね。
ゴーストハンターズの公開の方が遅いので、まあ、メジャーな映画に似せたとかそういう作為があったんじゃないかと思うのですが、ともあれ私はゴーストハンターズの方が好きだったりします。

紛らわしい名前の映画として少し面白いのが、香港映画「少林寺vs忍者」と「忍者vs少林寺*1」。
非常に紛らわしい邦題ですが、こちらの両作品、原題は双方とも「中華丈夫*2」です。
内容は全く異なり、「少林寺vs忍者」は中国人の夫と日本人の妻が武術をめぐって夫婦喧嘩となる話、「忍者vs少林寺」は、なんか徳川埋蔵金をめぐって(いるらしい。劇中ほぼ情報が開示されないのでよくわからない)若かりしマックス・チャンが忍者と戦う話です。
もしも、原題が同じことを踏まえてあえて紛らわしい邦題をつけたのであれば、なかなか凝ってますね。真相はどうだかわかりませんが。

さて、延々記事タイトルと違う話を続けてしまいましたが、ここから本題。
前回、日本陸軍が行った結核への対応について触れました。

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今回は前回の補足的記事。太平洋戦争後半時期の結核対応および、結核療養所の事例とBCGについて少々。

なお記事タイトルが紛らわしいのは、香港映画「少林寺vs忍者」と「忍者vs少林寺」へのオマージュですごめんなさい。

*1:正確にはULTIMATE BATTLE/忍者vs少林寺

*2:「忍者vs少林寺」の方は「致命密函」「魔忍狂刀」という別名あり

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【日本陸軍】結核vs日本軍【感染症】

前回記事は、戦争や軍隊にまつわるイヤな話を取り上げるシリーズ記事の第5弾でした。

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上記記事では、少し結核について触れています。

結核は、結核菌により主に肺に炎症が起きる病気です。
戦前戦中の日本では「国民病」や「亡国病」といわれるほど猛威を振るい、死因順位の首位を占めることの多い病気でした。

結核の高い罹患率・死亡率は軍事上も問題となり、特に人力政策(労働力確保および兵力確保)の面で重大視されます。兵力の減少と生産力の減少が同時に起きてしまいますので、当然ですね。総力戦においてはなおさら。

戦時においては特に罹患率・死亡率を低く抑えたいところですが、1931年の満州事変から日中戦争・太平洋戦争と続く戦時体制下では、逆に死亡率が劇的に上昇しました。
森亨氏の推定によれば1944年には死亡率が10万対241となっており、これは、日本結核史上のピークである1918年の10万対257に次ぐものです。

今回記事は、上記を踏まえて日本陸軍における結核への対応について少々。

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