Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれを記録していくブログです。情報処理技術者試験の話題多し。高度試験の攻略なども。最近はやや歴史づいてます…。

ITパスポート試験についての考察 その1

今日も今日とて、例によって例のごとく、情報処理技術者試験についての記事です。
今回は、初心に帰ってITパスポート試験について少し考えてみました。

【ITパスポート試験】情報処理推進機構(公式サイト)

ITパスポートの概要

私がITパスポートを受験したのは、2010年度の春期試験でした。
かれこれ、7年程前になります。年を取るとホント時の過ぎるのが早いです。
当時のITパスポート試験は、まだ他区分の試験と同じく、年2回実施かつマークシート方式の筆記試験でした。
今や、紆余曲折を経てCBT方式*1による試験となり、また実施日程も年2回とかのケチ臭い状況から脱して、随時開催となりました。昔に比べて、かなり受験しやすくなったんじゃないかと推察します。

 ITパスポートは、IPAの定めたITスキル標準ではレベル1が設定されており、情報技術者試験中では最も難易度の低い試験です。
しかしながら出題範囲は幅広く、高得点を取ろうとすると意外と難しかったりします。
うん、高得点を取ろうとすれば、です。

合格基準が少々ややこしいのですが、まあ凄く端折って言うと、1000点満点中600点取れれば大体は合格です(合格基準の詳細は後ほど)。
6割取れれば合格、そのラインであれば、さほど難易度の高い試験ではありません。
ただ、それでも合格率は50%前後。50%を割ることも結構多いので、誰でも簡単に取れるとまでは言えない難易度です。

一応、ITパスポートがどのような試験なのか、公式サイトから引用してみます。なお、略称は"iパス"だそうです。

iパスは、ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。

具体的には、経営戦略、マーケティング、財務、法務など経営全般に関する知識をはじめ、セキュリティ、ネットワークなどのITの知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問う試験です。
ITを正しく理解し、業務に効果的にITを利活用することのできる“IT力”が身につきます。

 

 

上記引用に「すべての社会人・学生が備えておくべき」と記述がある通り、メインターゲットはIT技術者以外、いわば「利用者」の方です。

そのため、ITパスポートはIT企業ではあまり評価されません*2

とはいえ、現在ITに馴染みが無いがこれから知識を身につけたい、というような方にとっては、良い勉強になるかと思います。

他にも、これから基本情報技術者やら応用情報技術者やらを取ろうとされている方なんかは、ウォーミングアップとして受験されるのも良いかと思います。特に、社会人になって、しばらく試験なんて受ける機会がなかった方。
試験勉強って、ブランクがあると結構やり方を忘れるんですよね。試験に慣れることも含めて、より高度な試験の練習に使うのもありかなと。

なお、試験問題はストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野から出題されます。
テクノロジ系がやや多くて5割弱、次いでストラテジ系が3割強、マネジメント系は2割ほどの出題分布となっております。

合格基準についての考察

さて、前述したとおり、合格基準の詳細について。

合格基準

以下二点を満たせば合格です。

  1. 総合評価点1000点満点中、600点以上であること
  2. テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系の各分野別評価において、3割以上の点数を得ること。

項番1は、6割以上の点数が取れればOK、というわかりやすいものです。これは他の情報処理技術者試験と同じ合格基準です*3
項番2が、ITパスポートの合格基準にのみ見られる特徴です*4
例えばテクノロジ系だけで点数を稼いで、項番1をクリアしたとしても、各分野ごとで3割以上の点数を得られなければ不合格となってしまいます。そのため、ある程度バランスよく学習する必要が生じます。

もう一つの特徴 - IRTによる採点システム

さらに、ITパスポートの採点システムにも、他の情報処理技術者試験に無い特徴があります。
ITパスポートでは、IRT(項目応答理論)という採点方式を採用しています。私もIRTについてよく分かってはいないのですが、一応簡単に説明します。

通常の(古典的な)採点方式だと、問題1問の点数は事前に定められています。単純な例を挙げると、出題数50問で、1問当たりの点数が2点で全問正解なら100点満点、といったものです。

これに対し、IRTでの採点方式では事前に1問当たりの点数は定められておらず、受験生の理解度、出題難易度、運などといったパラメータをIRTの数理モデルに適用して点数を算出します。これにより、受験者の学力や理解度をより正確に評価できる、ということらしいです。
ついでに、出題の妥当性なんかも評価できるそうで、試験改善にも役立つのだとか。
(この点と関係するかは不明ですが、ITパスポートでは100問出題中、8問は今後出題する問題を評価するために使われるダミー問題となっています。なお、どの問題がダミーかは公開されてません。)

まあ、IRTの仕組みを調べても、試験的には大した意味が無いので割愛します。
ITパスポートにおいて、具体的にどのような仕組みで点数を算出しているのかは不明ですので、確たることは言えないのですが、IRTにおいては一般的に出題難易度と点数について以下の関係があります*5

  • 正答率が低めな、難易度の高い問題は点数が高い。
  • 誰でも解けるような難易度の低い問題は点数が低い。
  • 誰にも解けないような超高難易度の問題は、そもそも出題自体が試験にふさわしくなかったので、点数を低くするか配点0に。

とにかく、受験者に関係する点を一言でいうと、当てずっぽうで合格するのが難しくなっている、ということです。
ちなみにIRTについて興味がわいた方は、下記サイトなど参照ください。

やさしくわかる項目応答理論 - 小樽商科大学

項目応答理論によるテスト評価 ~漢字テストを用いて(PDF)

というところで、長くなりましたので次回に続きます。
次回は、一応?勉強方法とかについての考察を行いたいと思います。

 

 

*1:Computer Based Testing方式。試験における行程を全てコンピュータ上で行うこと

*2:まあ個人的には、他の情報処理技術者試験も人事評価にさほど影響しないと思います。会社によるでしょうけどね…。あ、最後のひと押しになることはあるようです。というか、昇進させたくないお偉いさんからのツッコミを避けるのに使われる感じ。

*3:論述問題除く

*4:2017/2/19現在

*5:繰り返しますが、私もあまり理解できてないので正確な表現ではないです。