残念ながら有史以来、世界のどこかで戦争が起こっている人類ですが、幸い、今の日本は一応平和な状態です。稀有なことに70年以上も平和が続いています。
平和はとても良いことなのですが、しかし、あまり戦争のことを忘れてしまうと、人々のもつ戦争のイメージが「ファンタジー化」してしまうことがあります。
第一次世界大戦前夜のヨーロッパはまさにそのような状態にあり、戦争への危機感が薄弱になっていました。
19世紀初めのナポレオン戦争以後、ヨーロッパ中心部では大規模な長期戦を経験していません*1。そのため過去の戦争の記憶は薄れ、戦争にロマンチックなイメージを抱く人々が少なくありませんでした*2。
戦争イメージがファンタジー化した人ほど、国家の暴力装置たる軍隊を軽々しく使おうとする傾向がありますが、皮肉なことにそういう人に限って「平和を守るための軍事力行使」とかの理屈を振りかざしてくることが多かったり。
(私見ですが、その手の人はトータルで考えるべき安全保障を、軍事力だけの問題として単純に捉えてる人が多いように思います*3。)
そんなわけで最近は「ファンタジー化」の自戒を込めて、太平洋戦争についての記事をちょこちょこ書いてたりします*4。
ただ、今回の記事についてはそういう動機からは少し外れます。旧日本軍の秘密兵器、風船爆弾について。
(ちょっとふざけた感じに見えるかもしれませんが、割と真面目な記事です。)
*1:短期の戦争はありました。
*2:もちろん行き着いた先は地獄でした。端的なものとして戦死者数を挙げてみると、同盟国側の戦死者数が約481万人、連合国側の戦死者数が約528万9千人。「死傷者数」ではありません。「戦死者数」です。
*3:ついでに言うと、強硬路線一辺倒なことが多いです。
*4:一応そういう動機が1割くらい。残り9割は趣味