Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【戦争と兵器】はじめてのアサルト・ライフル【MP43/MP44/StG44】

前回、アサルト・ライフルについての記事を書きました。

oplern.hatenablog.com

今回はそのおまけ。前回も少し触れたのですが、アサルト・ライフルの始祖、MP43ことMP44ことStG44について簡単に。

MP43ことMP44ことStG44

現代歩兵の標準装備となっているアサルト・ライフル(突撃銃)の原型は、第二次大戦中にドイツが開発したStG44です。

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StG44

第二次大戦時に主力小銃として用いられていたライフルは1000メートル前後での戦闘を想定して作られていましたが、実際の歩兵戦闘の多くは50〜300メートルほどの距離で行われるようになっていました。
ドイツはこの点に着目して、1938年より「ライフルとサブマシンガンの機能を併せ持つ新しい銃」というコンセプトで新小銃の開発を進めており、1942年にMkb42(42年型自動式カービン)が誕生します。
このMkb42が発展したのが、世界初のアサルト・ライフルStG44です。

…といった話は前回でも書いたのですが、実はこのMkb42には、ワルサー社製のMkb42(W)と、へーネル社製のMkb42(H)がありました。双方が実験的に東部戦線に投入され、両銃とも良好な結果を示しましたが、へーネル社製の方が優れているとされ、こちらがStG44に発展します。

StG44は全長940mm、重量5220グラム(結構重い)、装弾数30発で発射速度は500-600発/分となります。有効射程は300メートルほどでした。
トリガーを引くごとに1発撃てるセミオート射撃と、トリガーを引いている間は連射されるフルオート射撃の両方が可能です。
使用弾薬は7.92×33mmクルツ弾で、クルツというのは「短小」という意味です。その名のとおり、従来使用されていた7.92×57mm弾に比べて大きさは3分の2程度となっています。
(ちなみに、当時のドイツにはまったく新しい弾薬を開発する余裕はなかったため、従来の7.92×57mm弾の生産ラインを流用する方法が採られました。)

なお、7.92×33mmクルツ弾の初速は647メートル/秒で、400メートル以上の距離でも十分な威力があったといわれています。また、弾薬を小型・軽量化したことで、歩兵1人あたりの携行弾数も増大できました。

7.92×33mmクルツ弾を使用することにはもう一つ重要な点があり、低威力の弾薬を使うことでフルオート射撃時の反動を抑えられました。これにより限定的ながら制圧射撃(弾丸をばらまいて敵が身動きできないようにする)を可能としています。
(強力な弾薬を用いると、反動でフルオート射撃時の制御が困難となります。例えば、米M14ライフルは軍が弾薬の威力に固執したため7.62mm×51NATO弾が採用され、その結果フルオート射撃時の反動が大きくコントロールが利きませんでした。)

なお、StG44という名前の「StG」はSturmGewehr(シュツルムゲベーア)の略で、Sturm=突撃、Gewehr=銃です。44は1944年式であることを示しています。
ちなみに、StG44という名前に落ち着くまで、MP43(1943年)、MP44(1944年)という二つの名前が付与されているのですが、これは長距離射撃性能にこだわったヒトラーが意固地に量産許可を出さなかったため、軍需相のシュペーアがやむなくMP43、ついでMP44という名前で量産を強行したという経緯によるものです。
その後、実戦で大きな戦果をあげたため、ついにヒトラーも折れて、StG44として制式採用されました。ドイツの退勢が続くなかで、将兵を鼓舞する目的で「突撃銃」という名前としたそうです。

最後に

StG44は、前線の兵士からの評判は良かったのですが、生産数が少なく全軍に行き渡ることはありませんでした。アサルト・ライフルの本格的な普及は第二次大戦後となるのですが、旧ソ連で開発され一億挺以上が生産されたといわれるAK-47は、StG44に多大な影響を受けています。