前回に引き続いて、今回も特殊潜航艇「甲標的」について。
前回とかぶるところもありますが、まずは甲標的の概要から。
日本海軍は、太平洋上での艦隊決戦において母艦から発進して敵艦隊を邀撃する、小型の潜水艇、「甲標的」を開発していました。
特殊潜航艇「甲標的」は豆潜の異名をもち、例えば最初の甲型では全長23.9m、排水量46tという小ささで、電気モーターで駆動しバッテリーが切れると動けなくなります。航続力は最微速(6ノット)でも80海里(150km)程度、外洋での航行能力は無いため、決戦海面への移動は甲標的母艦*1により運搬される想定となっていました。
甲標的は本来、事前に甲標的母艦から発進して予定決戦海域に潜伏し、艦隊決戦において魚雷による奇襲攻撃を行うというものです(魚雷2本を搭載)。しかしながら、実際には艦隊決戦の機会は訪れることなく、港湾襲撃などで使用されました。