Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれを記録していくブログです。情報処理技術者試験の話題多し。高度試験の攻略なども。最近はやや歴史づいてます…。

【戦争と兵器を知ろう】戦闘機の種類【第一次大戦〜現代】

以前の記事にて、太平洋戦争時の日本軍機の軍用機種別について触れました。

oplern.hatenablog.com今回はその補足というわけでもないのですが、戦闘機の種類について。

戦闘機の分類

前回記事は太平洋戦争時の日本軍機の軍用機種別について書いてますが、そちらでも述べている通り、戦闘機は「敵の航空機の排除を役割とする軍用機」です。

とはいえその役割についての詳細を見ると、想定する敵(戦闘機or爆撃機とか)や、運用場所(陸上基地とか空母とか)、活躍の場所(敵地侵攻とか局地防衛とか)などにより細分化できます。

また、翼形式や搭乗員数、エンジン数などといった構造上の分類や、小回りがきくとか重武装だとかの能力的な分類がなされることもあります。

今回は、そういった戦闘機分類について書いてみます。

構造的な分類

まずは構造的な分類から。
戦闘機は、第一次世界大戦中に出現します。当時は構造的な分類が中心でした。
(構造的分類は、今日においても必要に応じて使われることがあります。)
具体的には、主翼の枚数、搭乗員数、エンジン数で分類されます。

主翼数による分類では、翼を2枚備えた複葉戦闘機、3枚の三葉戦闘機、そして(現代の戦闘機と同じ)1枚だけの単葉戦闘機となります。

搭乗員数による分類では、1人だけの場合は単座戦闘機パイロットに加えて偵察手や機銃手が搭乗する2人乗りの場合は複座戦闘機、3人以上乗る場合は多座戦闘機と呼ばれます。ちなみに多座戦闘機はあまり見ないですが、キ58なんかが該当ですかね…。

最後に、エンジン数による分類。エンジンが1基だと単発戦闘機、2基だと双発戦闘機、3基以上では多発戦闘機となります。
例を挙げると、第二次大戦時の単発戦闘機では零戦、隼、スピットファイア、Bf109など多数、双発戦闘機ではP-38ライトニングや、ボーファイターなど。
現代だと、F-16F-35グリペンなんかが単発戦闘機、F-15F-22Su-27なんかが双発戦闘機です。

後は、ジェット戦闘機だとかレシプロ戦闘機なんて分類もありますが、このへんはそのまんまです。
ジェットエンジンの戦闘機がジェット戦闘機、レシプロエンジンを備えてプロペラで飛ぶのがレシプロ戦闘機です。
(プロペラ機=レシプロ機という訳ではないとか面倒くさい話もありますが、戦闘機の話なのでこのへんは割愛します。)

役割による分類

お次は役割による分類。

まず、運用場所による分類を。

これには、陸上基地で運用する陸上戦闘機、空母で運用する艦上戦闘機、さらには海や湖沼などの水面離着陸可能な水上戦闘機があります。
陸上戦闘機はいわば「普通の戦闘機」であって、わざわざ陸上戦闘機なんて呼ぶのもなんなのですが、第一次大戦中に水上戦闘機が出現したり、その後の空母実用化にともなう艦上戦闘機が出現したことから、区別をつけるために用いられるようになりました。
なお、水上戦闘機は第一次大戦時にそこそこ流行り、第二次大戦時でも日本が使用しています。その後もジェット水上戦闘機(米XF2Y-1シーダートとか)なんてのも開発されてましたが、性能的に不利な点が多く開発途中で中止となりました。

次に任務による分類

まずは制空戦闘機。戦闘機と聞いて多くの人がイメージするであろう「戦闘機VS戦闘機」(対戦闘機戦闘力)に優れ、そのへん一帯の制空権あるいは航空優勢を確保する役割を持ちます。制空戦闘機は、一般的に敵地へ侵攻して航空優勢を確保する役割を担うため侵攻戦闘機と呼ばれることもあります。ちなみに日本海軍では甲戦と呼んだりしました。

これに対し、自勢力圏に侵攻してきた敵機を迎撃するための戦闘機を迎撃戦闘機または要撃戦闘機と呼びます。迎撃戦闘機が対する相手は、戦闘機と限らず爆撃機も含まれます。
迎撃戦闘機は、できるだけ早く敵機まで到達し駆逐する役割となるため、上昇力、速力、火力が重視されます。ちなみに日本海軍では乙戦と呼びます*1

それから夜間戦闘機なんてのもあります。文字通り、夜間に飛行して敵機と戦う戦闘機です。
後述する雨天、雲中、強風下、夜間でも晴天と同等の戦闘能力を維持できる全天候戦闘機が現れるまで、双発複座の戦闘機を夜間爆撃の援護や迎撃に用いていました。
複座機であるのは、パイロット1人の単座機による夜間飛行は危険が大きかったためです。
また、運動性よりもレーダー性能や武装の強力さが求められたため、大きな搭載量を持つ双発機が使用されました。
なお、日本海軍では丙戦と呼ばれています。

現代においては、戦闘機の能力向上により、制空・迎撃の双方をこなせる戦闘機が増えたため、制空戦闘機・迎撃戦闘機と区別されることは少なくなりました。
しかし少なくなったとは言え、今も迎撃戦闘機に分類される戦闘機としてロシアのMiG-31があり、後継機も計画されてます。「ロシアの空はMiG-31とSu-27が半分ずつ守っている」なんて言われることも。
なお、ほぼ全ての戦闘機が全天候能力を備えたことから夜間戦闘機という名称は意味を持たなくなりました。

あと、戦闘爆撃機についても。

第二次大戦時から出現した戦闘爆撃機は、爆弾、ロケット弾、大口径機関砲などを搭載し、対地攻撃も行える戦闘機です。
エンジン出力に余力のある戦闘機を改造して開発されることが多いです。
なお、戦闘攻撃機という分類もあり、この二つについてはあまり明確な区分がありません。戦闘爆撃機の方がより対地攻撃を重視した戦闘機を指すことが多いです。
「戦闘」爆撃機なんていいながらも、実際には対空戦闘能力はほとんど無い、なんてヤツ(F-111とか)もあって、名称と実態が食い違うことも割とあったり。軍事の世界も名称や分類は結構いい加減なのです。
ちなみに、戦闘爆撃機F-15Eとか戦闘攻撃機FA-18なんかは、ちゃんと高い対空戦闘能力を持ちます。こういった戦闘/攻撃/爆撃といった多種の任務に対応できる戦闘機をマルチロールファイターと呼び、近年の主流となっています。

能力による分類

最後は能力による分類です。
ちょっと能力による分類とするか微妙なものも入ってますが、大目に見てくださいごめんなさい。

まず、軽戦闘機重戦闘機について。
軽戦闘機は小型・軽装備の戦闘機のことですが、日本陸軍では翼面荷重*2を小さくし、速度性能よりも運動性を重視した戦闘機のことを指しました。軽戦とも。
重戦闘機は大型・重装備の戦闘機のことですが、日本陸軍では翼面荷重を大きくして、運動性よりも速度・武装を重視した戦闘機のことを指します。重戦。

次に全天候戦闘機
前節でも触れた通り、雨天、雲中、強風下、夜間でも晴天と同等の戦闘能力を維持できる戦闘機です。高性能な機上レーダーと優秀な航法装置を備え、全天候下での空対空ミサイルによる目視外射撃能力を持ちます。現在ではほぼ全ての戦闘機が全天候能力を備えることから、この分類自体が死後となりつつあります。
ちなみに全天候能力を持たない戦闘機を昼間戦闘機と呼んで区別しています。また、全天候下での(レーダーによる)索敵能力を備えつつも目視外射撃能力はもたない半端な戦闘機は制限天候戦闘機と呼ばれることも。

最後にステルス戦闘機です。
その名の通り、ステルス性を備えた戦闘機で、米F-22が代表でしょうか。
一般的には、レーダーで発見されにくい能力を指します。大ざっぱにいうと、レーダーは電波を発信し、それが目標にあたって戻ってきた反射波を捉えることで目標を探知しますが、ステルス戦闘機はこの反射波が小さくなるように設計されています。
レーダー電波の反射の大小を示す指標としてレーダー断面積(RCS値)というのがあり、これが小さいほどステルス性が高い機体ということになります。
RCS値低減を実現するため、ステルス戦闘機は、機体形状を工夫したり(随所にレーダー電波を反らせるための角度を付けたりエッジを設けたり)、電波吸収素材(RAM)で機体全体を覆ったりしてます。
なお、ステルス技術にはRCS値低減以外にも、低視認性の確保や、熱源が発する赤外線の減衰などがあって、まあ、色んな工夫により実現される戦闘機なわけですね。

 

 

*1:概ね、局地戦闘機とイコールです。

*2:機体の重量を主翼面積で割った値のこと。一般的に、翼面荷重が小さいと旋回半径を小さくできるので格闘戦に有利となり、翼面荷重が大きいと速度性能に有利となる。