No Mission

Japan as Walang hiya

【太平洋戦争】沖縄戦と「スパイ」【慰霊の日】

久方ぶりの更新です。しばらく時間が取れない状況が続いており今も変わってないのですが、しかし、本日6月23日は「慰霊の日」です。

毎年の慰霊の日にはできるだけ関連する記事を書こうと思っているので、生存報告も兼ねて更新することにしました。
とはいえ、時間があまり取れないので、短めの記事となります。

慰霊の日

「慰霊の日」といっても、(残念ながら)多くの方はピンとこないかもしれません。
「慰霊の日」は沖縄県が記念日として定めているもので、1945年6月23日に、太平洋戦争における沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなんでいます。
沖縄戦の犠牲者の追悼・慰霊および平和の希求を目的として1974年に県令として施行されました。

当ブログでは、過去、慰霊の日に下記の記事を上げています。

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

今回は何を書こうか迷ったのですが、あまり迷ってる時間もなかったりしますので、唐突に思いついた題材、沖縄戦における「スパイ」について取り上げようと思います。
(鍵かっこ付きの「スパイ」であることにご留意ください)

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【軍事司法】軍法会議とは(まとめ)【軍事裁判所】

前回の予告通り、今回記事は今までしつこく書いてきた軍法会議(軍事裁判所)関連記事のまとめです。
これで軍法会議の話が完全に終わるわけではなく、気が向けばまたしつこく書くと思いますが、一旦はこれにて締めとなります。

本記事では、過去の各記事へのリンクとともにどういったことを書いたか述べてますが、一応、本記事だけでも、軍法会議について大まかな知識が得られるよう書いたつもりです。
とはいえ、本記事だけで得られる知識は、「概要の概要」程度に過ぎませんので、詳細については、各記事をご参照下さい。

なお、過去記事は、概ね、日本軍関連と、現代各国(といっても4カ国だけですが)の話に分けられますので、当記事も、以下の通りに章立てしました。

  1. 軍法会議の基礎知識
  2. 日本軍の軍法会議
  3. 現代の軍法会議(軍事裁判所)制度

では、以降、めくるめく軍法会議の世界をお楽しみ下さい(?)

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【誰もそこまで】まだまだ軍法会議OverDose【聞いてない】

当ブログでは、2019年11月から延々と軍法会議(軍事裁判所)関連の記事を書いています。
当初は2、3回書いて終わるつもりだったのですが、少し深入りしてしまったようで今回で15回目です。
記事数が多くなってしまったので、カテゴリーも設けました。

oplern.hatenablog.com

大抵の事柄はそうですが、軍法会議も相当に奥深く、未だ語りきれないことや私の勉強が追いついてない点が大量にあります。
とはいえ、このまま続けていくと、永久に軍法会議のことを勉強しつつ記事にしていくだけのブログになってしまいますので、そろそろ終わりにしようかと思います。なにか書きたいものが出てきたらまた記事にするつもりですが、次回で一応のまとめをやって、一旦終了のつもり。たぶん。

さて、終了間際の今回記事は、今までの記事で書けなかったものからいくつか適当にピックアップして、気の向くままに書き散らしていこうという、お気楽な趣旨のものです。
細かい話やニッチな話が多いのですが、さらに、私の趣味範囲の関係で、いずれも日本軍に絡む話となっています。内容は以下。

  • 日本軍の高等軍法会議
  • 国民義勇戦闘隊と軍法会議
  • 軍人のようで軍人じゃないいずれ軍人になる陸軍法務官の制服
  • 捕虜収容所での「軍法会議

どこに需要があるんだと思わなくもないのですが、まあ、当ブログではいつものことなので。
ちなみに、前回記事もどこに需要があるのかわかりません。

oplern.hatenablog.com

閑話休題。気を取り直して、次章より需要のない話をひっそりと語ります。

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【イギリス軍軍事司法】フィンドレイ事件【軍法会議】

以前、イギリスの軍法会議制度について取り上げたのですが、その際、こんなことを書きました。 

イギリスの軍事司法制度は、第二次大戦後、大きな改革はされてなかったのですが、1990年代後半から、軍事裁判制度の独立性、公平性を確保するべく改革が重ねられました。
これら改革には、軍事裁判所で裁かれた者の、欧州人権裁判所への提訴が影響を与えています。
例えば、以前の記事でも触れた通り1996年軍隊法には、フィンドレイ事件の影響が見られます。
フィンドレイ事件の内容について、今回記事では触れませんが、いつかそのうち取り上げるかもしれません。
どんな事件か一応知りたいけど自分で調べるのはめんどくさい…という方がもし居られましたら、頃合いを見て当ブログまでご来訪ください。そして、その時も書かれてなかったら諦めて下さいごめんなさい。

【英国】現代の軍法会議制度 イギリス編【軍事裁判所】 - Man On a Mission

 何やら無責任なことを言ってますが、一応というか、遅まきながらというか、今回はこのフィンドレイ事件について取り上げたいと思います。
なお、めんどくさいから概要程度にとどめますので、その旨ご承知おきください。

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【軍事司法】日本軍の軍法会議:犯罪と第三百十条【不起訴事例】

前回の引きはこんな感じでした。

ちなみに、第十軍法務部陣中日誌の「被告事件既決未決一覧表」によれば、既決55件(102名)、未決7件(16名)の軍法会議があったということです。
上記一覧表の「刑名刑期」の列には、懲役○年だの、禁錮○月だのといった記述があるのですが、中には「310条告知」というものも入っています。
(というか大量にあります)

これは陸軍軍法会議法第三百十条に基づくものなのですが、一応、同条を引用しておきましょう。

第三百十条 長官前二條ノ命令ヲ為サザルトキハ速ニ其ノ旨ヲ検察官ニ告知スヘシ

軍法会議長官は、捜査の報告を受けると検察官に対して、公訴提起するか予審請求するか命令します。また、自軍法会議の管轄外である場合には、その事件を管轄軍法会議または相当官署に送致します。
百十条はこれら以外の道を認めたもので、まあ、端的に言うと不起訴です。
(前記の「被告事件既決未決一覧表」には310条告知とは、別に「不起訴」というのもあるのですが、こちらは予審終了後の不起訴処分です。)

第十軍法務部陣中日誌には、いかなる理由により310条告知がなされたのか書いてないのですが、まあ、ついでですので、次回は310条告知となった犯罪についての事例をいくつか取り上げたいと思います。

【またも第十軍法務部陣中日誌より】日本軍の戦地犯罪と軍法会議判決【事例】 - Man On a Mission

 ……というわけで、今回記事は第十軍法務部陣中日誌より、310条告知がなされたものについて、いくつか事例を取り上げます。

なお、第十軍法務部陣中日誌資料については、「続・現代史資料6 軍事警察」より引かせていただいてますが、当該書籍では犯罪人の氏名が一部省略されていますのでご承知おきください。

続・現代史資料 (6) 軍事警察―憲兵軍法会議

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