前回記事は、大日本帝国における元帥について書きました。
そのついでに、前回も少し触れた「軍事参議院」についても取り上げておきます。
続きを読む最近、前々から書こうと思いつつも、めんどくさくて先延ばしにしていた日本海軍階級について、ようやく完了させました(一応)。
だいぶ遡りますが、過去には日本陸軍の階級についても記事にしています。
で、これらの記事でも触れているのですが、日本軍には「元帥」がいます。ただし、この「元帥」はアメリカやソ連/ロシアのそれと違い、階級ではありません。
以下、前に書いた海軍階級の記事より抜粋。
「元帥」は階級ではなく称号で、特旨(とくし)によって元帥府に列せられた海軍大将が「元帥」となります。よって、正確には「元帥海軍大将」です。
一応、特典?として元帥になると現役定限年齢が終身となります。
陸軍の階級の記事でも書きましたが、元帥は、先輩将官として軍内部に睨みを利かし、天皇の補佐や陸海軍間の調整を行なうことが期待されました。しかし、実際には陸海軍それぞれの利益を主張する代弁者となることが多かったようです。
アメリカやソ連/ロシアの元帥は、大将より上位に位置する「階級」なわけですが、大日本帝国の元帥は陸海軍大将に与えられる称号であり、「元帥府」とやらに列せられた大将が、「元帥陸軍大将」だの「元帥海軍大将」となったわけですね。
本日記事は、この日本の元帥制度についてもう少し詳しい話を。
当ブログは、当初は一応IT系ブログ(情報処理試験多め)として開始しました。
しかし、早々にネタが枯渇したため路線を変更、今や日本近代史…というか昭和初期〜太平洋戦争あたりをメイン記事とする変わり果てた姿となっています。
扱うネタの関係上、暗い話やエグい話は避けられないのですが、これまではそれらを殊更に語ったりはしませんでした。
(時々そういった話もあがるのですが、それらをメインにもってきたりはしてませんでした。概ね。)
しかしながら最近の風潮を見てると、戦争を「娯楽コンテンツ」として消費したり、あまりにも軽々しく軍事・戦争を扱う方が割といて、戦争で何が起こるのかよくわかってないのじゃないかと思うことが多々あります。
そんなわけで、正直あまり趣味ではないのですが、その手の話……戦争におけるイヤな話(戦争なんてイヤな話ばかりですが)をメインにした記事も書いておくことにしました*1。
本日の記事は、そんな思いつきから始めることにした、戦争と軍隊にまつわるイヤな話を語る新シリーズ第一弾です。
本シリーズは、時代・地域などにはこだわらず、とにかく戦争とか軍隊におけるイヤな話を取り上げますが、記事の性質上、書籍などからの引用が多くなると思います。
ともあれ、記念すべき?第一回は、最近、某局の朝ドラで憲兵が話題になったようですので、時流に乗って(遅ぇ)憲兵の拷問の話を取り上げてみます。
日本軍憲兵自体については、以前、延々と記事を書いてたりしますので、興味があればどうぞ。
【大日本帝国の憲兵】憲兵とは【勅令憲兵】 - Man On a Mission
【大日本帝国】日本の憲兵隊組織【勅令憲兵】 - Man On a Mission
【大日本帝国】憲兵になるには【陸軍憲兵学校】 - Man On a Mission
【大日本帝国】軍令憲兵とは【戦地の憲兵】 - Man On a Mission
なお、今までライトな感じ(?)に話を進めてきましたが、以降は延々と陰鬱な話が続きますので、ご承知おきください。
ちなみに、今までの画像は、ナポレオン~覇道進撃~10巻より。
さあ、それでは、イヤな話を始めましょう。
*1:まあ、かつての反戦平和教育は、そういったエグい話に偏りすぎて(感情面に偏りすぎて)失敗しているようにも思えるのですが、それでも、やっぱり何が起こるかは知っておく必要があります。個人的には、知識や理屈の面も併せて教えた方がよかったように思えますが、とはいえ、それで今の流れが防げたかどうかはわかりませんね…。ついでに余計なことを言わせてもらうと、日本はそもそも民主主義の理解も曖昧な人が多いように思います。
とんとんとんからりと隣組
格子をあければ顔なじみ
まわしてちょうだい回覧板
知らせられたり知らせたり
唐突に謎のポエムから始まりましたが、別段、頭がおかしくなったわけではなく、上記は、日中戦争のさなか、太平洋戦争開戦の前年にあたる1940年に発表された「隣組」の歌の一節です。
…などと、過去記事と似たような出だしで始まりましたが、隣組は、戦中における最小の近隣組織であり、また国民総動員体制の末端組織でもありました。
隣組の歌は、作詞が岡本一平、作曲は飯田信夫、歌は徳山たまきで、ビクターレコードより発売されてます。
明るく軽快な曲調で隣組の利点を宣伝するもので、当時の子どもたちにも愛唱されたようです。とはいえ、その歌詞・曲調が、隣組制度の実態にどれほど寄り添っていたかについては疑問視せざるを得ません。
一見、「良いこと」ばかり歌い上げた隣組の歌に対して、その実態はどうだったのか?今回の記事は、思想統制・経済統制に一役買うこととなった、隣組の制度や活動内容について。
ちなみに、上記の歌詞を読んだ際、そのリズムについて思い当たる節がなかったでしょうか。
実はこの隣組の歌は、アレンジされて「ドリフ大爆笑」のテーマ曲の元歌として使用されました。ドリフ以外にも、何度かアレンジされてCMなどに使われています。YouTubeにいくつか関連動画が挙げられてましたので、聴き比べてみるのも一興かもしれませんね。