No Mission

Japan as Walang hiya

【世界のマイナー戦争犯罪】香港戦における英軍捕虜処分【日本軍】

前回、太平洋戦争時の戦争犯罪、バンカ島事件について取り上げました。

oplern.hatenablog.com

前回触れた通り、当該事件は最近、BBCニュースで取り上げられ話題となりました。

www.bbc.com

BBCニュースの記事だと、バンカ島事件自体についてはわりとあっさりした記述になってますので、当ブログ記事はその補足としてでもお読みいただければと思います。

さて、今回はそのバンカ島事件の責任者と推定される折田大隊長に絡んだ記事です。
バンカ島事件は、日本陸軍第三十八師団歩兵第二百二十九連隊の折田部隊(バンカ島攻略部隊)によるものと思われますが、折田は香港攻略戦における英陸軍野戦病院スタッフ・患者殺害、および看護婦を強姦した事件の責任者でもあるようです。

そこで、今回は上記事件を含めて、香港戦における英軍捕虜処分について取り上げます。
ちなみに、当該事件はかなりマイナーな部類に入ると言ってよいかと思いますので、当ブログが勢いで始めた不定期連載、「世界のマイナー戦争犯罪*1」シリーズの一つとしてお送りいたします。

同シリーズは、日本軍による南京事件ナチスドイツのユダヤ人虐殺といった有名どころの戦争犯罪は脇に置いといて、あまり知られていない戦争犯罪を取り上げてみようという企画なのですが、今回でなんと9回目となります。
前回までは新たに記事を書くたびシリーズ各記事へのリンクを貼ってたのですが、さすがに増えすぎたので遂にカテゴリをつくりました。

oplern.hatenablog.com

ついでに当該シリーズ以外の戦争犯罪の記事も、さほど有名なものはないのでとりあえず同じカテゴリに突っ込んでいます。
私の趣味範囲から日本軍による戦争犯罪の記事が多いのですが、一応、日本以外による戦争犯罪も取り上げてます。今後も拡充するつもり。暇なときにでもお目通しいただけると嬉しいです。

閑話休題
それでは、次節より本題の英軍捕虜処分事件について。

*1:実のところ、一口に「戦争犯罪」といってもその定義はあまり明確ではありません。狭義の戦争犯罪としては、ハーグ陸戦規定などの戦時国際法規に違反する民間人や捕虜への虐待・殺害・略奪、軍事的に不必要な都市破壊などが挙げられますが、一般的には、これに含まれないユーゴスラヴィアルワンダ内戦での虐殺、ナチスドイツのアウシュヴィッツなんかも戦争犯罪とされています。当ブログではあまりこだわらず、一般的イメージとしての「戦争犯罪」を扱いますのでご承知おきください。

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【マイナーじゃなくなった戦争犯罪】バンカ島事件【期間限定】

最近…といってももう1週間ほど経つのですが、BBCニュースで「バンカ島虐殺事件」について報じられました。

www.bbc.com

バンカ島事件は、1942年2月、シンガポールから脱出したオーストラリア陸軍の看護婦らが、インドネシア西部バンカ島のビーチで日本兵に殺害された事件です。

当ブログには「世界のマイナー戦争犯罪」という、あまり知られていない戦争犯罪を紹介するシリーズ記事があります。バンカ島事件も、そのうち当該シリーズで取り上げようなんて考えてたわけですが、その前に、新たな情報付きで知らしめられた形になりました。

「新たな情報」というのは、日本軍による銃撃を受けた看護婦の一団(21名死亡、生存1名)が、その前に性的暴行を受けていたのではないか、ということです。
(「新たな情報」と言ったものの、実は過去にも同じ疑いをもたれてはいます。今回は証言記録が一部抜き取られていたことや衣服の補修跡などを調査・検証したとのことです。詳細については、上記BBCニュースの記事をご確認下さい。)

さて、今や「マイナー戦争犯罪」とはいえなくなったバンカ島事件ですが、継続的に取り上げられでもしない限り、特別興味がある方以外には程なく忘れ去られていくでしょう。
(タイトルの「期間限定」は、この記事が期間限定という意味ではありません。)
バンカ島事件は日本が加害者となった戦争犯罪であり、さらに戦争犯罪というのは人類全体にとっての問題でもあります。これに誠実に向き合うのは当然だと思うのですが、残念ながら、最近は忘れ去るどころか、「ぼくのかんがえたすばらしいにほん」に都合の悪いことは無かったことにしようという方が増えているようです。
(昔からそういう人は結構いたのですけど、最近、増えすぎじゃないですかね……。)

そういう状況なので、今更だろうがかぶってようが取り上げるのも無駄ではないと開き直って、本日記事はバンカ島事件について語ります。どうでもいいですが、マイナーじゃなくなったので「世界のマイナー戦争犯罪」シリーズではありません。
ちなみに、「世界のマイナー戦争犯罪」シリーズには以下の記事がありますなどと少し宣伝してみたり。

【世界のマイナー戦争犯罪】メリッソ村民虐殺事件【日本軍】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ル・パラディ近郊での英軍捕虜銃殺【ナチスドイツ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】グアテマラ内戦の戦争犯罪【中米グアテマラ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ピノチェト政権下の「反体制派」弾圧【南米チリ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】鴨緑丸事件【アメリカと日本】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】アムリッツァル事件【イギリス】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】万県事件【イギリス】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】陽高事件【日本軍】 - Man On a Mission

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【世界のマイナー戦争犯罪】陽高事件【日本軍】

今日も今日とてマイナー戦争犯罪。などととりあえず言ってみただけで、深い意味はないのですが、前回、前々回と「世界のマイナー戦争犯罪*1」シリーズの記事を書きました。

oplern.hatenablog.com

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「世界のマイナー戦争犯罪」シリーズは、日本軍による南京事件ナチスドイツのユダヤ人虐殺といった、有名どころの戦争犯罪は脇に置いといてあまり知られていないものを取り上げてみようという企画なのですが、本日の記事もしつこく同シリーズを。今回で第8回目となります。
「世界の」と言いつつ、今回取りあげるのは日本軍による戦争犯罪ですので、前回、前々回に比べると少しは身近に感じられないでしょうか?感じたいかどうかはともかく。

なお、上記記事より前の当シリーズ記事は以下の通り。

【世界のマイナー戦争犯罪】メリッソ村民虐殺事件【日本軍】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ル・パラディ近郊での英軍捕虜銃殺【ナチスドイツ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】グアテマラ内戦の戦争犯罪【中米グアテマラ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ピノチェト政権下の「反体制派」弾圧【南米チリ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】鴨緑丸事件【アメリカと日本】 - Man On a Mission

なにやら日本の登場頻度が高いようですが、これは私の趣味範囲によりますので致し方ないものだと思って下さい。
今回取りあげるのは、日中戦争初期に起こった「陽高事件」。皆さんご存知の東條英機が深く関わっています。

*1:実のところ、一口に「戦争犯罪」といってもその定義はあまり明確ではありません。狭義の戦争犯罪としては、ハーグ陸戦規定などの戦時国際法規に違反する民間人や捕虜への虐待・殺害・略奪、軍事的に不必要な都市破壊などが挙げられますが、一般的には、これに含まれないユーゴスラヴィアルワンダ内戦での虐殺、ナチスドイツのアウシュヴィッツなんかも戦争犯罪とされています。当ブログではあまりこだわらず、一般的イメージとしての「戦争犯罪」を扱いますのでご承知おきください。

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【世界のマイナー戦争犯罪】万県事件【イギリス】

2019年4月15日、石垣島事件の慰霊祭が行なわれたそうです。

石垣島事件は、太平洋戦争末期に日本海軍警備隊が、捕虜となったアメリカ人飛行士3名を殺害した事件です。以前に記事にしてますので、詳細はそちらをご覧ください。

oplern.hatenablog.com

慰霊祭については、こちらで報じています。

www.youtube.com

関係者によると、来年は75年の節目を迎えることからアメリカからも多くの遺族らに参列してもらおうと準備を進めるとのことです。
今現在、国民の多くは「戦争を知らない」世代となりましたが、このような話を聞くと、多少なり太平洋戦争を身近に感じられないでしょうか?

さて、石垣島事件は日本海軍による戦争犯罪ですが、当ブログでは、前回、イギリスの戦争犯罪、アムリッツァル事件について取り上げました。

oplern.hatenablog.com

上記は、シリーズ記事「世界のマイナー戦争犯罪*1」の第6回目となります*2

本日も前回に引き続き、「世界のマイナー戦争犯罪」シリーズ7回目。前回同様、イギリスによる戦争犯罪である万県(ばんけん)事件を取り上げます。

なお、1回目から5回目までの当シリーズ記事は以下の通り。

【世界のマイナー戦争犯罪】メリッソ村民虐殺事件【日本軍】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ル・パラディ近郊での英軍捕虜銃殺【ナチスドイツ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】グアテマラ内戦の戦争犯罪【中米グアテマラ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ピノチェト政権下の「反体制派」弾圧【南米チリ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】鴨緑丸事件【アメリカと日本】 - Man On a Mission

最近は、規律正しい軍隊による正しい戦争、なんてのを妄想する方もおられるようですが、残念ながら、戦争に戦争犯罪は(割と)つきもので、それ故、戦争犯罪は腐るほど世に溢れかえっているのです。

*1:実のところ、一口に「戦争犯罪」といってもその定義はあまり明確ではありません。狭義の戦争犯罪としては、ハーグ陸戦規定などの戦時国際法規に違反する民間人や捕虜への虐待・殺害・略奪、軍事的に不必要な都市破壊などが挙げられますが、一般的には、これに含まれないユーゴスラヴィアルワンダ内戦での虐殺、ナチスドイツのアウシュヴィッツなんかも戦争犯罪とされています。当ブログではあまりこだわらず、一般的イメージとしての「戦争犯罪」を扱いますのでご承知おきください。

*2:実のところ、それほどマイナーと言えるか疑問なのですが、そこを気にし始めるとシリーズ名を変えるか、本当にごく一部の事件しか取り上げられなくなるので、あまり深く考えないようにしてます。ちなみに、なぜこんなシリーズ名にしたかというとただの勢いです。

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【世界のマイナー戦争犯罪】アムリッツァル事件【イギリス】

本日の記事は、「世界のマイナー戦争犯罪*1」シリーズ第6弾です。

本シリーズは、日本軍による南京事件ナチスドイツのユダヤ人虐殺といった、有名どころの戦争犯罪は脇に置いといて、あまり知られていないものを取り上げてみようという企画です。
ちなみに、過去に取り上げた「マイナー」戦争犯罪は、以下の通り。

【世界のマイナー戦争犯罪】メリッソ村民虐殺事件【日本軍】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ル・パラディ近郊での英軍捕虜銃殺【ナチスドイツ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】グアテマラ内戦の戦争犯罪【中米グアテマラ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】ピノチェト政権下の「反体制派」弾圧【南米チリ】 - Man On a Mission

【世界のマイナー戦争犯罪】鴨緑丸事件【アメリカと日本】 - Man On a Mission

戦争には(割と)戦争犯罪がつきものですが、これは国や民族に関係なく普遍的なものです。もちろん、どこぞの方々が言うように日本だけはキレイな軍隊、キレイな戦争なんてこともありません。
(どういう思考回路だと、日本だけは特別という結論になるのかわかりませんが…。)

さておき、今回の記事はイギリスのインド統治におけるインド市民虐殺事件。アムリッツァル事件(アムリットサルとも)を取り上げます。

*1:実のところ、一口に「戦争犯罪」といってもその定義はあまり明確ではありません。狭義の戦争犯罪としては、ハーグ陸戦規定などの戦時国際法規に違反する民間人や捕虜への虐待・殺害・略奪、軍事的に不必要な都市破壊などが挙げられますが、一般的には、これに含まれないユーゴスラヴィアルワンダ内戦での虐殺、ナチスドイツのアウシュヴィッツなんかも戦争犯罪とされています。当ブログではあまりこだわらず、一般的イメージとしての「戦争犯罪」を扱いますのでご承知おきください。

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