Man On a Mission

システム運用屋が、日々のあれこれや情報処理技術者試験の攻略を記録していくITブログ…というのも昔の話。今や歴史メインでたまに軍事。別に詳しくないので過大な期待は禁物。

【号外】ウクライナと憲法9条

久方ぶりの更新です。
あまり時間が取れないので、極短い記事となります*1。号外版ということでひとつ。

さて、ロシアによるウクライナ侵攻という大変な事態*2が起こっていますが、当該事件の勃発後、某SNS界隈等で、憲法9条では国を守れないだのなんだのという言説が流れているようです。
それほど取りざたされる憲法9条というのは、どういった条文なのか気になったので少し調べてみました。

以下が憲法9条の条文です。

Article 9

International treaties that are in force, agreed to be binding by the Verkhovna Rada of Ukraine, are part of the national legislation of Ukraine.

The conclusion of international treaties that contravene the Constitution of Ukraine is possible only after introducing relevant amendments to the Constitution of Ukraine.

ふむ。
ウクライナ最高議会*3により、拘束力があると合意された有効な国際条約は、国内法の一部となる。

ただし、
ウクライナ憲法に反する内容を含む国際条約は、ウクライナ憲法に関連する修正をおこなった後でしか締結できない。*4

…と、まあこんな感じの条文のようです。
ちなみに、ウクライナ憲法は以下からPDFでダウンロードできます。
ついでに他の条文も目を通してみたのですが、軍事関係だと第17条にウクライナ軍が明記されており、第65条に市民は法律によって兵役に就く旨の記載がありました。日本国憲法とはだいぶ趣を異にしていますね。

www.legislationline.org

憲法9条の内容はわかりましたが、残念ながら、これが肝心のロシアによる侵攻とどう関係してくるのかは、さっぱりわからないままです。え?日本の憲法9条?いやこれウクライナの話ですよねとか書いてるところで、タイムリミットとなりましたのでいきなり終わ

 

 

*1:正直、こんなブログ記事を上げてるような時間はないのですが、保守やら右派やら「冷笑系」やらといった日本のいつもの方々が、ロシアのウクライナ侵攻という重大事を利用して、我田引水なクソ言説をまき散らしていることが気になったので少しだけいやみを書くことにしました。この手の方々としては毎度おなじみの行動パターンであり、今更何を言っても自身を省みるようなことはないと思いますが、それでもあえてひとこと言わせてもらえるなら「クソ野郎」の言葉をお送りしたいと思います。

*2:当然ながら私もロシアのウクライナ侵攻は許されないと考えていますが、時間が取れないこともあって記事にできるほど考えがまとまっていません。まあ、そもそも長文記事を書くような時間もなかなか取れないのですが。

*3:ウクライナ立法府

*4:日本の、憲法よりも安保条約が上位にきちゃう有様を考えると、この条文は素晴らしいですね!

【終戦記念日】マニラ戦にみる日本の加害行為【太平洋戦争】

本日は8月15日。終戦記念日です。
1945年8月15日正午、昭和天皇による終戦詔書大東亜戦争終結詔書)がNHKラジオにより放送(玉音放送)され、日本国民に「大東亜戦争」における日本の降伏が伝えられました。

当ブログでは、過去、終戦記念日に関連する記事を上げています。

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

今回も同様に終戦記念日にちなんだ記事です……少なくとも私の中では。
今まで上げた記事は、曲がりなりにも8月15日という日付が軸になっていますが、今回はそうではありません。
1945年2月に始まるフィリピンのマニラ戦における、日本の加害行為を取り上げる内容です。

上記に上げた記事のうち、2017年のもので「海外に対する戦争責任だけでなく、日本国民に対する日本国政府の戦争責任についても、もっと議論すべきじゃないか」などと書いたのですが、これは私の不明もいいところでした。
その後の日本は、日本国民に対する戦争責任が議論されるどころか、海外に対する戦争責任も俎上に載せられなくなるという傾向にあります。
そんなわけで今回は反省して、日本の加害性を前面に出した記事を書くことにしました。ま、私の記事1つで何がどうなるというわけでもないでしょうが。

太平洋戦争における日本の加害行為は山ほどあるのですが*1、日本の敗戦時期からあまり離れていない時期で、またあまり近代史への関心がない方には知られていないもの、という観点からマニラ戦における住民への加害行為を選定しています。

なお、あまり時間がないので、マニラ戦の背景や詳細な戦闘経過には触れてません。
その辺に興味がある方は、他のWebサイトなり資料なりをお探しください。

ついでというか、本題に入る前に余計なことを言うと「終戦記念日」が玉音放送の行われた8月15日とされているのは、非常に内向きというか、個人的にはいかにも日本らしい独りよがりさを感じます。
詳しくは、2019年の記事をお読みいただければと思いますが、8月15日を「終戦日」とするのは日本、韓国、北朝鮮くらいで、ヨーロッパやアメリカでは降伏文書調印式が行なわれた9月2日が対日戦争勝利の日とされています。
アジアでは、終戦や戦勝の記念日に現地日本軍が降伏した日や武装解除した日を定める国があり、シンガポールやマレーシアは9月12日、今回記事で取り上げるフィリピンでは9月3日です。
世界における「終戦」という視点を持たないと、なかなか適切に「反省」することは難しいんじゃないでしょうかね。

閑話休題
つい余計なことを吐き捨ててしまいましたが次章より、マニラ戦における日本軍の加害行為について。

*1:ちなみに当ブログには「世界のマイナー戦争犯罪」というシリーズ記事があり、そちらでも日本の豊富な戦争犯罪からいくつか取り扱ってます。

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【広島・長崎】原爆の日に上げられませんでした【保障法制】

ここしばらく、めっきり更新頻度が落ちている当ブログですが、ついに、可能な限り原爆についての記事を書こうと思っていた8月6日、8月9日のいずれも更新できないという事態になりました。
(まとまった時間が取れませんでした…)

更新できなかったからといって誰に迷惑をかけるわけでもなく、私の自己満足の問題に過ぎないのですが、それでも今回は一応の自己フォロー記事です。
とはいえ、結局あまり時間が取れない状況は変わっていませんので、雑記程度の記事となります。原爆の医療的被害の保障法制を中心に。

なお去年の原爆の日に上げた記事は以下の通り。

oplern.hatenablog.com

oplern.hatenablog.com

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【太平洋戦争】続・沖縄戦と「スパイ」【慰霊の日】

久方ぶりの更新です。
まだまだクソみたいな状況が続く昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか……などと書くと、コロナ禍のことかと思われるかもしれませんね。
それも含まれてはいるんですが、どっちかというと某J党政権という人災*1のことを指しております。長いね。

さておき、本日は6月23日。「慰霊の日」です。
「慰霊の日」は、沖縄県が記念日として定めているもので、1945年6月23日に、太平洋戦争における沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなんでいます。
沖縄戦の犠牲者の追悼・慰霊および平和の希求を目的として1974年に県令として施行されました。

本ブログでは、毎年の慰霊の日にはできるだけ関連する記事を欠くことにしています。
なので、相変わらずまとまった時間が取れない状況が続いているものの、今年も無理して?更新することにしました。

なお今まで「慰霊の日」に上げた記事は以下の通りです。

2018年

oplern.hatenablog.com

2019年

oplern.hatenablog.com

去年の記事では沖縄戦における「スパイ」について書きました。

oplern.hatenablog.com

鉤かっこ付きの「スパイ」であることがポイントで、本当のスパイの話ではありません。沖縄戦において、日本軍将兵がなんの根拠もなく一般住民を「スパイ」として処刑・殺害した事例を挙げたものです。

今回記事は、記事執筆の準備期間もなければいい感じのネタも思いつかなかったので、前年に引き続き、沖縄戦における「スパイ」のお話です。

*1:前政権も現政権も決して日本国民の利益を目的に動いたりはせず、むしろ真逆のことばかりしているのですが、なぜかそれを支持しちゃう日本国民(容認する方も消極的な支持に回っているといえます)により引き起こされた人災です。この人災により最近は治安維持法に匹敵するポテンシャルを持つ国民弾圧ツールも出てきました。日本国民の皆様方におかれましてはてめえが何をしでかしているのかいい加減お気づき頂けるとよいのですが。

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【沖縄汚染編】軍事趣味者は基地公害の夢を見るか?【軍事環境問題】

久方ぶりの更新です。
だいぶ前になってしまいましたが、前回記事では在日米軍による環境汚染を取り上げました。

oplern.hatenablog.com

ちなみに、その前の記事では、米国本土における米軍による環境汚染について取り上げてます。

oplern.hatenablog.com

日本では環境問題に対しての関心が低い傾向にありますが、さらに対象を絞った「軍事活動による環境汚染」なんてのはいわずもがなで、上記記事も他記事と比較すると非常にアクセスが少ないです。
(予想通りではありますが)

当然ながら、メディア上で基地公害/環境汚染が取り上げられることもあまり無いわけですが、これだけの規模の米軍を受け入れている現状を考えると、なんとも不思議なことではあります。
まあ、負担については基地所在地に押しつけてますので、大多数の国民は無関心でいられるということでしょうか*1。無関心でいられるなら、そっちの方が楽ですし。
むしろ大規模な米軍駐留があるからこそ、米軍による環境汚染/基地公害問題を矮小化したり、左翼の捏造(苦笑)だとか言って無かったことにしようとする向きが多いのかもしれませんね。

さておき、アクセスが少ないとか愚痴っといてなんですが、今回記事も懲りずに在日米軍による環境汚染/基地公害についてです。
前回記事では日本各地の在日米軍基地の環境汚染を取り上げたわけですが、今回は沖縄における環境汚染について。

実のところ、前回記事でも那覇軍港、キャンプキンザーでの環境汚染をいくつか取り上げてはいます。
しかしながら、なにせ日本における米軍専用施設面積の7割以上が集中している県ですので、大量に環境汚染/基地公害の事例があり、バランス的にもういくつか追加で取り上げといた方がよいかな、と思った次第。
(ちなみに「米軍専用施設面積の7割以上が沖縄に集中というのは嘘で本当は23%」などと思っておられる方は、前回記事をお読みいただければと思います)

前置きが長くなりましたが、次節より沖縄の米軍基地による環境汚染/基地公害の事例をいくつか。

*1:兵器の話とか、米軍の「活躍」の話だと嬉々として語る人も多いのですけどね。多くの日本国民にとって、「米軍」は現実問題ではなく娯楽コンテンツに過ぎないのです。
さらに余計なことを言うと、軍事ジャーナリスト/評論家/ライターも軍事活動による環境汚染や基地公害について取り上げる方は少ないですね。逆に、米軍を擁護するために、日本国民の受けた被害を矮小化しようとする人はそこそこいるようです。

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